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俺と、怪化と、アルタズム  作者: 藤山福徳
2/7

レンと”異能”

「や、やばい・・・・・。」


俺こと、レン・キリシマはかなり焦っていた。

なぜなら今日は花の学園生活への道の第一歩、なのである。

それにも関わらず彼は寝坊をしてしまった。大戦犯である。


「急がんとマジでやばいぞ・・・。」


現在の時刻は8時55分となっている。

俺の通う事になっている、ステアード学園では毎年9時00分に教室集合となっている。

片道全力疾走しても10分はかかってしまう。

しかしそんなことも気にしてられずレンは急いで家を出発する。


「いってきまーす!」


沈黙だけが流れる部屋をなれたように飛び出していく。



☆★☆★☆★☆★☆★



「----遅れてすみません!!」


奇跡など起きるはずもなく俺は見事に遅刻を成し遂げた。

ヤバイ、と思いながらも頭を下げる。

顔を上げてみると、俺以外の人は全員席についておりクスクスッ、と笑い声か聞こえた。


「初日から遅刻とは、いい度胸だなレン・キリシマ・・・。」


(まじかよ・・・・。)


心の中で密かに悪態をつく。

なぜならおそらく自分の担任になるであろう目の前の人間・・いや鬼といっても過言ではないであろう、の表情をした方は鬼教官として有名なお方。

レイコ・レイジマである。

圧倒的なその美しさ、胸のあたりには大きな巨峰が存在し、髪はロングの青。

男ならその美しさに顔がニンマリしないわけがなく今までも数多くの者を虜にしてきたと言われている。

しかし、その本当の素顔は冷徹にして冷徹、泣く子も黙る鬼教官なのである。


「おい、おまえ何か変なこと考えていないか?」

「そ、そんなことありません!」


そんなこと大アリなのだがここはひとまず黙っておく。


「まあいい。早く自分の席に座れ。」

「はい!」


(よ、良かった・・・。)

ひとまず助かったことにホッ、と一息をする。


俺が席に座ったのを確認するとレイコ教官は声を張り上げて話し出す。


「いいかおまえら、今日は何の日か、わかっている者も多いと思うが今日はお前たちがこの学園生活三年間を過ごすにあたって一番重要になるであろう、”異能の儀”だ。これでお前たちの人生が決まってしまうかもしれないと言っても過言ではないだろう」


その言葉に生徒全員が息を飲む。

そう、今日はステアード学園新入生によって行われるイベント”異能の儀”である。

そのイベントでは先程も言われた通り、人生が決まる。

この儀式で当たり、又は外れるかによって大方の道が決まる。

と言われている程のビックイベントで皆の心は浮き立ち、緊迫した空気が立ち込める。

レンもその内のひとりでもあった。


「では、行くぞ」


教官の静かではあるが鋭い声に生徒は従う。


☆★☆★☆★☆★☆★


「よっしゃーーーーー!」


あちこちで大きな歓喜の声が聞こえる、当たり外れがあるといったものの大体が当たりを引くと言われている。

俺は”異能の儀”の説明を思い出していた。

当たりの異能は大きく二つに分けられる。

一つは”外出系”と呼ばれるもので、主なものは魔法属性であり、火、水、風、土、の4つから選ばれる出現するものは必ず一つと決まっている。それがその者の特化した魔法であるとされる。

また、それ以外の属性は”例外”として大変価値の高い存在として認識される。

出現される属性は一つであるが、それは”異能”の話なので感覚をつかめば、ほかの魔法も使えるようになる。

もう一つは”内出系”である。その名の通り身体の内面から力を溢れさせるものが多く、主なものは身体能力強化等である。

大方の男子はこの”内出系”に憧れる。

単純にカッコイイのである。俺も密かに憧れておりこっちでもいいかなと思うこともある。

そしてこの大きく二つに分けられたもの以外が主にハズレと呼ばれている。

それが”謎系”である。

俺を含め、他の生徒たちも「は?」といった表情であった。

というのもこの”謎系”は本当に”謎”としか言いようがないらしい。

あまり戦闘にも使えないモノが多いことからハズレまたの名を「無能」と呼ばれている。

これに当たったと考えるだけでだいぶ震えてくる。しかし、ここ数十年は出現していないことから大体は当たりであるとされている。


といった話を思い出していると、


「次!、レン・キリシマ!」


と、呼ばれたので前へ進むと、レンの目の前には大きな鏡があった。

これこそが”異能”を調べる道具『異能写し』である。

目の前に立つと勝手に調べてくれるらしい。

ドキドキと心臓の音が聞こえるくらい緊張しているのが分かる。

『鏡』の前に立つとレイコ教官が、


「そんなに緊張するな、大丈夫だ。普通にしていろ。」


緊張しているのが目に見えてわかったのか、優しく声をかけてくれる。

そんな唐突な優しさでギャップに萌えてしまう俺だったが、そのおかげでなんとか収まることができた。


「ありがとうございます。」


と、心の底から礼を述べると慣れているかのように。


「気にするな。」


と、少し微笑んでくれた。


「では、始めるぞ。」

「はい!」


『鏡』が様々な色に変わり俺の全体を包み込むように光が出てくる。

そして『鏡』が告げる。














『レン・キリシマ、 ”謎系” 【怪化】 習得完了。』










「は?」


理解ができなかった。




































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