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混沌世界の空の下  作者: yukestar
第1章
4/6

2話

第2話、やっと投稿ですね〜。

いやー、結構続き書くのって難しいですね。

この調子だと、第3話は来週の月曜でしょう。たぶん、朝8時か9時投稿です。

一応、第3話で魔法が登場するということにしています。

「えっと、おはよう?」


「!!!おはようございます、坊ちゃま!!」


起き上がると、そこには見慣れない赤毛の妙齢の女性がいた。

メイド服を着ているのでたぶんこの家のメイドだっていうのはわかるんだが、それ以外がわからん。


「えっと、誰?」


こういう時は素直に聞いてみよう。と、思わなかった方がよかったのかもしれない。

彼女はそれを聞いた瞬間とても悲しそうな顔をしたのだ。目じりに涙をためながら、彼女は自己紹介を始めた。


「わ、私の名前はメリリーです。この家の、メイド長を、務めさせていただいてます」


涙が目から床へと落ちる。

泣かせてしまった?俺が、女性を?え?嘘だろ?

なんで……ああ。そういえば、俺のことを坊ちゃんって呼んでたっけ?そして、俺が転生したってことは、こいつの身に何かあったってことなんだろう。そして、何も覚えていない俺を見て悲しくなったと。

だけど、思い出せないものはしょうがない。記憶喪失、で貫いておこう。


「僕は、誰なんだ?」


うん。わかってたよ。もっと悲しませるって。

でも、これは必要なことだ。うん。だからそんなに悲しまないでくれ。


「あなた様はカオス・フォン・ベンテスティ。ベンテスティ公爵家の次期当主です」


ああ、そんなことステータスにも書かれていたような気がする。

まあ、そこまで気にしてなかったから記憶にないが。


「そうか、ありがとうリリー」


俺はにっこりと笑いながらお礼を言うと、リリーは驚いたような、悲しんだようjな笑顔を見せて一礼し、部屋を出て行った。


☆☆☆


どうやら、俺は本当に公爵家の次期当主だったらしい。

何やら魔界から悪魔とかいうやつが内を襲って、その時偶々生き残ったのが俺だけだったそうだ。

ただ、気絶していてそのまま二年間はベッドの中にこもりっぱなしで起きるそぶりを一切見せなかったらしい。

それだけでなく、俺の都合上一応記憶喪失ということにしている。

だって、昔のことは全く思い出せないんだもん。覚えてるとすれば、それは転生前の記憶だけだ。


こんなことを教えてくれたのは現当主のバン・フォン・ベンスティ。俺の祖父に当たる人だ。

といっても、俺自身この家の養子なので実際の祖父ではない。それでも、彼は俺のことを本当の孫のように思っていて、俺の体の心配を毎日していたらしい。毎日欠かさずに俺の体をふくように指示し、魔法で俺の体に栄養を与えてくれたりした。


ありがとう、爺ちゃん。

で、今は何をしているか。それは。リハビリだ。


二年間も寝たきりになっていたので、俺は体を満足に動かせない。

爺ちゃんは騎士団長のアルセスに俺のリハビリを手伝うように指示していた。


「坊ちゃん、何をしてるんですか?」


「え?リハビリに決まってんじゃん?」


「……リハビリって、そんなことしないと思うんですが……」


俺はそうかな?と思いながらも学校の柔道授業の時に習ったエビを行っていた。

最近はこれぐらいならできるようになっている。ただ、武術とかを習うために必要な筋力はついていないので筋トレと、ベッドの上に寝たきり状態になっていたせいでなくしてしまったバランス感覚を鍛えるための体感トレーニングや柔軟さを鍛えるための新体操を行っていた。


そのおかげか、俺のステータスに新しいスキルが登場していた。

ーーーーーーーーーー

カオス・フォン・ベンテスティ 人族 公爵家次期当主(長男)・トレーニングマシーン

レベル1 6歳

Hp : 1722

Mp : 100

Str : 42

Int : 143

Agi : 62

Dex : 87

Vit : 35

Min : 127


Ex 説明眼、詳細表示


神話ミソロジカル

創造クリエイト Lv1


固有ユニーク

体力値上がり度アップ LvMAX

筋力値上がり度アップ LvMAX

知力値上がり度アップ LvMAX

俊敏値上がり度アップ LvMAX

器用値上がり度アップ LvMAX

頑丈値上がり度アップ LvMAX

心力値上がり度アップ LvMAX

熟練度アップ LvMAX


普通コモン

速読 Lv1

料理 Lv4

剣術 Lv1

体術 Lv1

体感支配 Lv8

柔軟体 Lv7


称号

転生者 トレーニング大好きっ子 努力の申し子 曲芸師

ーーーーーーーーーー


すごいだろ(ドヤッ☆)。

体力値、筋力値、俊敏値は腹筋などの筋トレで、器用値は泥遊びで、頑丈値はいつの間にか、そして心力値は騎士団の訓練時に拡散される殺気で鍛えられた。

だが、そこで俺が創造した≪熟練度アップ≫が効果を発揮したのか、そのトレーニングに関するスキルがずらりとステータスに現れ、いつの間にか全部カンストしていたのだ。

たぶんだが、俺がここに魔力トレーニングを開始したら、数週間もしないうちに全部統合されて≪ステータス数値上がり度アップ≫というものが作れるだろう。

だが、魔力に関しては、というか魔法に関してはまだ教えてもらえていないのでトレーニングはできない。

爺ちゃんに言ったら、魔法は暴発すると子供でも怖いから六歳になってから家庭教師をつけると言われた。

で、俺は昨日六歳になったので、明日か明後日には家庭教師をつけてもらえることになった。


それよりも、今はエビだ。エビを完璧にマスターして昔習った柔道術を思い出さねば。

他にも合気道と剣道、あとフェンシングとか空手とかプロレスとかいろんなものに手を出してたからな、それも思い出してもっともっと強くならねば。


だけど、疲れてきたしエビはいいかな。

次は、腕立て伏せか。


俺は起き上がると少しの間、瞑想をして呼吸を整え、腕を立てて腕立て伏せを始める。

きちんとした腕立て伏せは肩幅に手を置き、曲げた後に完全に戻さずに続けることだと俺の親父(前世)が言ってた。

これを、そうだな、五十を六セットかな。


そんなことをしていると、また騎士団長のアルセスに呆れられた。


「ほんとうに、もうリハビリしなくていいんじゃないですか、坊ちゃん?」


「いやいや。俺のリハビリっていうのは剣を持てるぐらいになるまで続くんだよ」


「ふつうは六歳で剣なんて持たないんですけどね。せいぜい木剣のはずなんですか」


なんかぶつぶつ呟いてたが、気にしない。気にしたら負けだって何度も言われたからな。うん、目の前で陰口をたたかれても気にするなって親父に教わったし。

そのおかげで、俺のボッチ魂は強く育った。ありがとよ、親父。


しかしまあ、本当はこれはもうリハビリではなくただの筋トレなんだがな。

六歳の平均筋力は大体30手前ぐらいだ。多くても、俺が見た中では40ぐらいまでだった。

でも、これでは鉄の剣は持てない。持てるとしても、ナイフぐらいだろう。

鉄の剣は筋力値100ぐらいないと扱えない、と爺ちゃんは言っていた。持つだけなら70台でいいらしいが、それだと剣の重さが邪魔して剣を扱えないらしい。


なので、俺は頑張って七歳を迎える前には筋力値を100、いや、できれば150ぐらいにはしたい。

まあでも、その前にまずは体術とかを教えてもらうんだけどね。

そう、例えばお昼を食べ終わってからとか。


☆☆☆


「てことで、今日から暗殺術と体術の指南役となったカカリっす。よろしくっす」


うん。変な人が来たよ。

でもまあ、体術は想定内として、暗殺術ってなんで習う必要あんの?

体術は創造魔法でスキル作っといたけど、暗殺術はまだ作ってないんだけど。


「よ、よろしくお願いします、師匠?」


「うーん、先生の方がなんかしっくりくるっすね」


「あ、そう。ならカカリ先生で」


「うす」


と、言うわけで昼ご飯のよくわからないサンドイッチを食べた後、俺は訓練を始めた。

暗殺術と体術だそうだ。

暗殺術、といっても本当に暗殺することを目的とした技を習うわけではなく、暗殺時に使うナイフの扱い方を教わるのだ。

いや、ナイフというよりは短剣って言った方がいいのか?

そこらへんはよくわからんが、まずは基礎体力を高める練習から始めるそうだ。


といっても、俺の基礎体力ははっきり言って六歳ではないものとなっている。

体力だけなら、そこら辺の大人でも勝てる。

なので、それは開始してさほど時間がたたずに「ああ、そんぐらいできれば大丈夫っす」と言われておわった。


そして、次に始まった体術の訓練。

これ、マジ地獄だった。


「ほら、避けるっすよ」


「いやいや、無理っす!」


と、口調が映るほどに地獄だった。


「ほら、ほら、ほらほらほら!」


「絶対遊んでるっスよね!じゃなくて、遊んでるよな、これ!」


「何言ってんすか、坊ちゃん。訓練してるだけっすよ。あ、そこ、スキありありですっす!」


間に合わねえ!


「ク、ソ!」


俺は体をねじってよけようとするのをやめ、短剣に短剣を当てて、カカリ先生の短剣の軌道に合わせたように短剣を回し、その刹那の間に少しでもいいからと受けた短剣を左に押す。


「おお、うまいっすね。でも、もう片方ががら空きっすよ!」


「この鬼畜野郎が!」


にやにやと笑いながら短剣を横なぎに、右わき腹めがけて振るう鬼畜野郎(カカリ)

俺はとっさの判断で後ろに飛ぶ、のではなくイナバウアーのように腰を後ろに曲げ、その勢いで床に受け身を取りながら倒れる。

そして、先ほどまでやっていたエビを使いその場を脱出する。


「おお、すごいっすね。これで本当に今日習い始めたっすか?」


「そうだっての、この鬼畜が。俺は、これでも、一応、公爵家の、次期当主だぞ?」


「でも、あんたが手加減するなって言ったんすよ?」


「そうはいったが、それは訓練の話で、こういう時に、手加減するな、なんて、言ってない。おれは、初心者、だ———」


カーン!と甲高い音がしたのは俺の頭上5、6センチほどのところにあった短剣二つからである。

一応二つの短剣で迎え撃ったはずなのだが、一つは俺の左手に鈍い痛みとしびれを残したままどっか屁飛んで行ってしまった。


「何すんだこの鬼畜!」


「不意打ちは暗殺術の基礎っすよ?」


「知らねえよ!」


そのあとは、今度は短剣なしの体術訓練が始まった。

うん、マジで死ぬかと思った。

だって、受け流せなかったら絶対に死んでたであろう攻撃とか繰り出してくるんだもん。

本当、前世で合気道習っておいてよかったわ。あと、エビも。

感謝したくねえけど、一応感謝しとくか、あのクソ親父に。


はあ、はあ、と息を切らし、赤く染まった空を見上げながら俺はそんなことを思っていた。

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