「イチゴパフェ。」
「おじさんっ。」
「おじさんってばっ!」
「…へ?」
「スルーしないでよっ!笑
周り見たって
おじさんしか居ないでしょ?」
「…お、、ぉ、おじさん…、、」
「どしたの?
ね、おじさんカッコいいからさー
あたしー、
いつもは4か5なんだけどー
おじさんならホテ代別でー
イチゴでいいよっ?笑」
「…は?
莓は八日後なんだけど?
布袋さん大で莓でいい???」
「どんな耳してんのよっ?笑」
…その女は
まだ随分と若くて
タイトなミニから
すらりと伸びた足元は
猛烈な高さのハイヒールで。
身長は俺と
幾らも変わらなかった。
最初、何を言われたのか
解んなくて
世代間GAPとか思われたら
恥ずかしーから、、、
牛の様に脳みそを4つに分けて
反芻して意味、考えた。
いや、牛の脳みそは
4つじゃない。
それは胃袋だしっ!
脳みそが4つも有ったら
四重人格だし。
いや、四重牛格か。←
あれ?…待てよ、、、?
ほんとに4つだったっけ??
「…3つ???」
「やんっ!ほんとにー?
嬉しいー!
何してもいいょーwww」
飲み会の日にちを間違えて
一人で街を、さ迷ってたんだ。
大体、あいつらは
営業だから土日が休み、
だから飲み会を
金曜の夜に設定しやがって。
俺、職人だから
土曜は普通に仕事だっちゅうの!
土曜の夜って思い込んでた
俺も俺だが
全く、俺が居なかったら
電話ぐらいしろやー!!!
「猫さん、
又、現場で嵌まってるかと思って
仕事の邪魔しちゃ悪いかと…。」
↑
嘘こけ。
盛り上がって
連絡忘れたんだろがーw
「ねえ、どこにするぅ?
歩いてく?タクシー拾う??」
「は?ちょっと待て、、、
どこって??何の話だ?」
独り居酒屋ナウしてたら
馴染みのホステスさんから
メールが来て、、、
それで??
その後は?
なんだって
こんな寂しい高架下の
駐輪場に居るんだ、俺??
…えっと、記憶が??
「ねー!
ねーってばーwww
歩いてこ? 腕組んでよ?」
久し振りの美味しいネタフリを
どんなに酔ってても
外す性格では無い。
「お?」
って答えて、
自分で腕組み、してみせる。
女はバシッって俺の肩を叩いて
「誰が自分で腕組みしろって、、
ちょー笑けるぅーwww
変な人ーwww」
…良かった、スルーされなくて、笑
ここはネオンサインが少なくて
ふと見上げれば、
(あーお月様ーキレー、、、
てかーここーだれー?莓ー??)
女に腕を引っ張られながら
ネオンサインが賑やかな方、、
どうやらラブホ?の
フロントみたいな所へ。
壁の写真表示を見ながら女が
「なーんだ、満室かー、、、」
同じ様に空き部屋を
待ってるカップルが一組。
チラッと見ると
女が男の影に隠れた。
…男と目が合う。
げっ!?
互いに一瞬、固まる、、、
と、取引先のほにゃららさん?
奥さんじゃ無いね?
えー事務員さんじゃーんっ!
イケナイモノ見ちゃったー
勘弁してー!!!!!
「おいっ!麗子っ!
他、探そうっ!」
そう言って
彼女と来た振りをして
ふらつきながら外へ出る。
「えっ?ちょ、ちょっと待って!」
女が慌てて追い掛けて来る。
「どしたのよぉー?」
「今のカップル、
知り合いだたわ…。」
「マジ?」
「ちょー、
見たくねぇもん、見ちゃったわー
なんか酔いー、覚めたわー。」
「えー、麗子って誰ー?笑
ならどーすんのー?」
「飲み直すー、付き合えー。」
「えー?ホテルはー?
あたしとやりたく無いのー?笑」
「やりたいけどー。笑
女は金で買わないってポリシー、
今、思い出したわーw」
「ちょー。
おじさんめんどくさーwww」
俺は女をほっといて
とぼとぼ歩き出した。
マジで酔いが覚めたわ。
「ちょっと、どこ行くのよ?」
「は?そこらの居酒屋、
別にどこでもいー。
ってか、お前、やぱ帰れや。
俺に付いて来たって
銭んなんねーぞ?笑」
「笑 ちょっとムカツクね?笑
いいわ、あたしも今日は
飲みたいからっ。」
ビルの3階の
大手居酒屋チェーン店に
行ったら個室が空いてないとか
オーダーストップが
もうそろそろとか、、、
「いいわー、
ファミレス行きましょ?」
って話しになって
歩きながら
さっきのカップルの話を
根掘りーナ・葉掘りーナされて
ファミレスでビールを飲んで
ワインも飲んで、、、
女が色々メニューを頼んで
彼女の身の上話が始まって
まだ、ど若いのに既にバツイチで
前の旦那が借金作って逃げて…、
…聞き役になって…、、、、
「お客様っ! お客様っ!!!
警察呼びますよ?
起きて下さいっ! お客様っ!」
肩を揺り動かされて
起きたら、
もうはっきり明るくて、、、
やべっ!どんだけ寝たんだ俺?
隣のテーブルには家族連れ。
あっちのテーブルには
熟年夫婦?の爽やかな朝の
モーニングタイム。
「…あれ? あれ? あいつは?」
「お連れ様なら
とっくにお帰りですよ?」
え?マジでー?
…仕方がねぇから
レシートを掴んで席を立った。
今更ながら
店内の客の視線を
痛い程に感じる…。
…くぅ。//////////////
ぁ、、テーブルの上にメモ書き?
一緒に掴んでレジへ。
…ファミレスで払う様な
金額じゃなかったー。 涙
、、あんにゃろーーwww
店を出たら
陽射しは眩しいのに
超絶さぶくて (懐も)
危うく気絶する所だた、、、
メモ書きには
「ごちそうさま、(ハート)
ラインしてね、 ID……」
って書いて有った。
(ふん、)
カッコ付けて、
くしゃって丸めて
ひょいって投げたら、
「ママっ!
あのおじちゃん、
なんかポイちたー!」
って幼い声が聞こえて、汗)))
げっ! 慌てて拾って
振り返りもせず歩き出した。
(さむっ! 頭、痛いーー、、、)
何気にレシート見たら、、、
あいつが最後に頼んだメニュー、
…イチゴパフェ???
…さて
ここから、どうやって帰ろうか。
タクシー代も無いーw
なんか色々めんどくせーw
…ってゆー、、、
とある男の些細な日常ー。
w
まぁ、、、
気が付いたら
夕方、部屋で寝てたんだ。