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――絵本Ⅰ――
そのばしょには、すなというすながあたりいちめんにひろがっていた。
ざっそうさえはえないそのすなしかないばしょに、めぐみのあめがふった。
あめがふったちょくごはまだなんのへんかもなかった。
ただすながしめっている、というへんかはあったが。
しかしみっかけいかしたあたりでへんかがあった。
それは大きなはながとつじょ、どこからともなくはえていたのだ。
そのはなはまだつぼみだったが、ひをますごとにすこしずつだがさいていき、かんぜんにはながさいたときに、そのはなはひかりにつつまれ、そこからひとがうまれたのだった。