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悪徳王子と魔女  作者: めんち
7/8

反省はしません

不定期更新ですがよろしくお願いします!

夕方になりキッス達と別れた後は真っ直ぐ家に帰った。てか転移した。流石の私も暗い山の中を歩いたりしませんよ?転がる自信がある。

家を見ればすでに食事の準備は出来ているのか中からいい匂いがしてきた。今日の夜ご飯はビーフシチューとみた!私がトマトを発見してから食事は豪華になり色も鮮やかになったのは嬉しい誤算だ。

この世界ではトマトは野生でしか存在しないのにびっくりしたのはまだ新しい記憶だ。

勿論畑に植えている。


「ただいまー!」



ドアを勢い良く開けたら予想通りビーフシチューを初めとした数々の料理が並んでいた。

その料理をじっと見つめていたアレフがこちらを見て笑顔で出迎えてくれた。セルじいはキッチンから出てきて顔を顰めた。何故だ。


「ただいまー!」

「おかえりなさいサクラ」

「遅いぞ!もう夕飯は出来ているから手を洗ってきなさい」

「はーい!」


ふふふ、実はこの家かなりハイテクなのです!この世界の人々はヨーロッパの中世のような街並みだったり木でできた家だったり文明もそんなに進んでないっぽい。

なので!私は手始めに木製のトイレを作りました!消臭&浄化効果のあるトイレなので日本と同じくらい気持ちのいいトイレです。勿論便座も温かいよ。

あとは水道とコンロなんですが、水道はどこから水をひいてくるとか面倒くさいので下水処理だけ作りました。じゃあ水はどうするのかというと桶の上に水球の塊としてふよふよ浮いてます。

水球の下にコップやら手やら物体を感知して蛇口から出てくる水の様に下に落ちてきます。

水は吸収石という3cmほどの石を川に浸して水を貯水するだけ。あとで浄化の魔法を石にかければきれいな水に早変わり!それを生活用水として使ってます。

コンロは魔法石を使ってます。魔法石に熱の魔法を宿せばあら不思議、まるで電気コンロの様に魔法石の上にフライパンを置いて「強火」と言えば強火レベルの熱を発するので調理器具が温められます!

家の中を照らす明かり「光石」という光を蓄えておくことが出来る石で夜を照らしているようです。


まぁ他にも色々と開発してみましたがそれは後でに。

私は水球の下に手を翳すと落ちてきた水で手を洗いはじめる。石鹸ありますよ!この世界は石鹸の元がなる植物があるみたいでそこら辺に自生してます。なので結構衛生環境はいいらしい。

これはも綺麗好きな元日本人としては嬉しいですね本当。


「お待たせ~!ご飯!ご飯!」

「落ち着きなさい。サクラ、食事の前に言うことがある、まずアレフはここで一緒に住むことになった」

「マジか。アレフ、改めて宜しくね!」

「はい。よろしくお願いします」

「最後まで聞きなさい。アレフにこの山は危険だ、だからお前が一緒に居てやりなさい。まずはこの家での過ごし方。その合間に魔法と剣と勉強をする」

「え、魔法と勉強は分かるけど剣も?多くない?」



私は怠け者なので魔法の授業だけでも苦痛なのにアレフは三つもやるそうだ。ちょ、遊ぶ時間とか大丈夫なの?遊ぶなんて今だけだよ?私だってせっかく遊び相手見つかったのに!

・・・これ言ったら怒られた。アレフは優秀だから大丈夫なのと授業の件は全部アレフから懇願されたらしい。マジかよ!そして私の最後の言葉については遊び相手には務まらないって言われた。どういうことだ。

アレフはそんな私たちを見て微笑んでた。それを見て膨れた私はそれを指摘してやったら何とも驚いた顔をされた。え。



「ほれ、お前達、食事が覚めてしまう前に食べてしまうぞ」



セルじいのこの一言でいつもの真顔に戻った。そういえばコイツ、最初の泣き顔以外はいつも真顔で他の表情見たことなかったなぁ。まぁ訳アリさんみたいだし?首突っ込みませんよ?面倒くさいし。


こうして新しいメンバーを迎えて生活することになった。

・・・あれ、コイツ畑仕事できんの・・・・?





―――――――――――――――――――――



夜行性の魔物と動物以外の生き物が寝静まった真夜中。こんばんは。サクラです。

めっちゃ喉が渇いたのでキッチンに行って水を飲もうとしています。足音たてずに忍び足で。

何故かって?アレフが寝てるからですよ!この家って寝室は2つしかないんだよね。他の部屋は倉庫だの貯蔵庫だの薬品の調合部屋だので埋まってしまっている。ので、2つある倉庫を1つ空けて部屋にするらしい。

倉庫にあった荷物は家の外に物置でも作ってツッコんどけばいいし。この作業は明日からで非常に申し訳ないのだがアレフにはダイニングルームの隣にあるリビングのソファで寝てもらっている。

私がダイニングルームにくっついてるキッチンに行くにはリビングにも顔を出さなくてはいけなくて・・・。


行きずれぇなぁ・・・。おっと思わず口が悪くなってしまった。私の悪い癖だ。

まぁいいや、いざとなったら防音の魔法を自分にかければいいだけの話だし、さっさと行って寝なおそう。

ここに来てから朝早くから起きて畑仕事に汗水たらす生活だったからなぁ。もう健康すぎて。

さて、やってきましたリビング。奥にあるのキッチンに向かいつつも何となくアレフの方を見てしまうのは仕方のない事だと思う。起こしたら悪いし。



「うう・・・」



ん?何か魘されてるような声が・・?え、なによ。もしかしなくても本当に魘されてるの?

おお、綺麗な顔が見事に歪んで苦しげだ。涙も流してるし。

ちょ、泣かれるよりも困るんですけど!と、取りあえず起こすか。



「おーい、アレフ。起きてー」

「う・・・?サクラ?どうしたの?」

「それはこっちのセリフ。魘されてたよ、今ホットミルク作るから待ってて」

「あ・・・」



起きたアレフは自分が泣いてたことに気づき、慌てて涙を拭う。私はそれを見て見ぬふりをしてキッチンに向かう。私は試したことないから分からないがホットミルクは安眠にいいらしい。

牛乳の成分が安眠に役に立ちそこに人肌ぐらいに温めたホットミルクは睡眠効果があるとか。

更に蜂蜜やバナナ、カモミールなど入れれば効果は上がるらしいよ。

カモミールは外で栽培してあるが獲りに行くのが面倒くさいので蜂蜜を入れることにする。

蜂蜜?とある筋から入手した蜂蜜を自作の遠心分離機で不純物を取り除いた自慢の蜂蜜ですけど何か?

こういう時日本人の食い意地にはびっくりだよね。そしてそれを実現可能にする力を持ってるって最高だと思うんだ。あ、ホットミルク出来た。

これに蜂蜜を入れて・・・。よし出来た!



「アレフ、ホットミルクが出来たよ。コレ飲めば多分眠れるはず」

「ああ、ありがとう」


外の世界――この山以外の土地――以外で牛乳が一般に飲まれているのかは知らんが寝れるなら飲むべきだ。

ちなみに私は牛乳は大好きだ!なのでセルじいに頼んで牛を連れてきてもらった。

今ではいい乳牛として、肉牛として収入源として活躍してもらってる。この世界では酪農は儲かるのだ!


目の前のホットミルクをじっと見た後静かに飲みだした。アレフが飲んでいる間は私は後片付けだ。

ホットミルクを飲み干したアレフはこちらをじっと見て何か言いたげだった。

そんなアレフをスルーして当初の目的だった水を飲みほしてアレフに近づく。



「大丈夫?」

「ありがとう、もう大丈夫だよ」



にこりと微笑んでいるがまだまだ体は強張ったままだ。どうしよう、悪夢の内容やら聞くわけにもいかないし・・・。

ね、眠い・・・!もうどうでもよくなってきた・・・。うん、寝よう。



「アレフ、ソファで眠れないの?」

「いや、そうではないだが・・・」

「んじゃ一緒に寝る?」

「・・・・・・・・・・・・は?」

「大丈夫大丈夫、ベッド大きいから二人でも眠れる」

「ま、待って!僕は男で・・・!」

「知ってる。でも眠い、けど君をこのままにすることは出来ないから一緒に寝よう」

「なんでそんな事に・・・?」

「一緒に寝れば君の事いつでも起こしてあげられるでしょう?」



アレフは驚きにに目を見開いていたが知った事ではない。私はもう限界なんだ。

固まってるアレフの手を引いて自室に戻りアレフをベッドに放りこむ。その隣に私が横になりあとは寝るだけ。



「おやすみー、アレフ」



聖術を使ったせいなのか単純に眠かったせいなのか私はぐっすりと眠ってしまった。



・・・翌日、いなくなったアレフを探しに来たセルじいに見つかりめっちゃくちゃ怒られた。

善意だってば!






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