予想外すぎる・・・
グロ注意です。戦闘表現があります。
こんにちはサクラです。あれから5年が経ちました。13歳になって身長が伸びにくくなりましたどうしよう。
え、進展が早いって?だって何もなかったんですよ?毎日同じことの繰り返しで魔法の修行と勉強。
・・・ではざっくり振り返ってみましょう。
あの日、魔法の適正テストでわかった事は私が魔法を使えることと属性について。
この世界には火、水、風、土、光、闇と6属性存在します。
魔力がある人は大体1〜2属性持っていて、多くて3属性。
そして持っていない属性は低級魔法ぐらいは使えるそうです。
魔法は魔力量に依存する。
高位な魔法ほど魔力量が増えるので、例え3属性持っていても燃料となる魔力がなければ発動する魔法は低級魔法止まり。
逆にどんなに魔力を持っていようが1属性待ちなら、その属性を極めるしかない。あと才能も大事。
6属性とは別に無属性というのも存在します。これは6属性に当てはまらない魔法は全て無属性扱いです。
無属性魔法の代表は「音鳥」、これは自分の声を魔法でくるんで届けてほしい人の所まで鳥の形をして届けてくれるという画期的な魔法なんだそうです。
ただ無属性魔法って誰でも使える訳でもなく魔法使いの中でもほんの一握りだそうです。へぇ。
あとは魔術もあります。この世界には魔法と魔術と分けられているんですよ。なんてめんどくさい。
魔術は呪術と聖術に分かれます。呪術は見ての通り呪いですよ。主に生き物の負の念で発動します。
聖術は神の加護で発動すると言われています。何故かというと聖術は教会の人たちがよく使う術らしいです。門外不出というわけではありませんがなんでも神の祝福が必要不可欠という事と、魔術は必要な魔力が魔法よりも多く必要とするらしく、魔力量が多く聖術が使えそうな人材は協会がすぐに連れて行ってしまうので詳細は分かりません。
つまり彼らの専売特許というわけです。はい。
魔法は魔力少しでもあれば誰でも使える。
魔術は呪術は負の念を、聖術は神の祝福を、共通しては多大な魔力を必要とすること。
こんな感じに覚えてくれればいいです。
まぁこの世界じゃ魔力持ちなんて限られてるんですけどね!
なので全員魔法が使える訳じゃないんですよ。
あとは薬の作り方や薬草の見分け方も教えてもらいました。毒草って怖いね。これは真面目に覚えました。
座学については日本の小学校で習うことから何故か経済や政治に関すること、マナーや行儀に礼節についても学びました。何故だ。
そもそも何でセルじいは女の作法を知ってるの??ホントはおばあちゃんなの?
それ聞いたらめっちゃ怒られました。おじいちゃんでした。
なんでもお淑やかになってほしかったそうです。
あとセルじいに言いたいことがある。いくらマナーや淑女としての教養を取り入れても素は変わりませんよ?私はスカートを翻して毎日のように山の中に行きます。今では私の庭みたいなもの!セルじいは最初は怒ったり焦って止めてたけどそれでもやめない私を見て見送るようになった。仕方がないのでズボンを履いて遊びに行くようになったけど。
大丈夫だって!だって私はこの山でセルじいを除けば一番強いから!
なんてったって魔法超便利!最近は魔物を魔法で一発で仕留められるようになったし、一瞬で家に帰ることが出来る移動魔法を編み出したからね!セルじいに見せたら頭痛いのポーズをとってた。
最近セルじいの頭痛いのポーズが似合うようになってきたよって言ったらアイアンクローもらった。痛い。
そして私は今、山を降りている。山からは出ることは出来ないが下ることは出来るんだよね。
何故出れないかというとセルじいが結界を貼ってるから。まぁ英断だよ。もしなかったら私の行動範囲とんでもないことになってたからね!てへぺろ(棒)
ちなみに私の魔法の修行はほとんど終わってる。セルじいも驚いてたがこれは私の精神年齢が見た目以上に高いのが原因だと思う。
そういえばセルじいに異世界から来たって言ったときは特に驚いてなかったなぁ。ちぇっ。
今はもっぱら新しい魔法の開発と薬草の栽培と畑仕事に精を出している。野菜美味しいよ!
特にこちらでは食べられてない食材でも日本で食べられてる食材を見つけたときは嬉しかった。
ジャガイモ、トマト、サツマイモ、枝豆。あとハーブ系の植物。ついでに果樹も植えてみた。
お蔭で食事のレパートリーが増えてウハウハだよ!セルじいもご機嫌だった!
ん?勉強?・・・まぁ逃げるが勝ちだよね!興味のない事は全力で逃げるよ!
全力で阻止してころうとセルじいがあの手この手使って捕まるけどね!
本日は座学が終わって自由時間です。山の中って清々しくて好き。
「今日は下の方に生えてた薬草を家に持ち帰って・・・ん?」
え。ちょ。おいおいおいおいおいおい。目の前で人が倒れてるんですけど?!服装から男かなー?
森の中、少し開けた場所で少年と動物らしき影が見えるのは気のせいじゃないハズ。
しかもあの少年低級の魔物にご飯としてロックオンされてるじゃないですかヤダー!
・・・はい助けますよ。流石に見過ごすことが出来きない状況だし。そこまで冷めた人間じゃないし?
では、ささっと魔法で倒しちゃいましょう。敵の姿は目が4つある狼が5体。楽勝楽勝!
氷の槍を5つ出して魔物に向けて発射させる。4体には命中したが一発は倒れた人に当てないようにしてたら外した。地味にショックだわ。私もまだまだだなぁ。
あ、やべ。残った1体が仲間呼んじゃった。・・・わお☆
一気に敵が十五体に増えちゃったぜ☆どうしよう・・・・囲まれちゃったわ。
えーっととりあえず、この状況でも寝ちゃってる行き倒れ君は結界で守って、私はこいつらと戦いましょう!
「そーれ、『かまいたち』」
『かまいたち』、これは発動時の魔力量に応じて真空の刃が敵を襲う技。しかも追従魔法付きの私オリジナルでっす!これ果樹から果物とる時にセルじいに披露したら雷が落ちた。横着するなと。
あと詠唱を破棄して魔法を使ったのがヤバかったらしい。
セルじいは一応詠唱文を覚えさせようと頑張ってたけど、ほら、私やる気ないから。セルじいも諦めてた。ごめんねセルじい。
『かまいたち』は計算通りに十五体分出てきて敵に襲い掛かる。一瞬にして血の海だけど何も知らずに私に襲い掛かってくる方が悪い。最近じゃこの山で襲ってくる生き物なんていなかったし。
動いてるモノが居なくなったのを確認して行き倒れ君に近づき適当な場所に転移する。
あんな生臭い場所にか弱い女の子はいられません。あと直射日光で日焼けしたくない。
事件現場から少し離れた場所に木に簡単な屋根をつけた私の休憩場所に出た私は行き倒れ君を薬草用のシート上に乗せて改めて見てみる。
うん、見なきゃよかったよ。行き倒れ君はかなりのイケメンでした。
真っ直ぐな綺麗な金髪、すっと通った鼻筋、薄いピンク色の口、真珠のような白い肌。
うわぁ、遠くで見るなら別にいいが隣にいて欲しくない系の男の子だ。絶対に比較される。嫉妬される。
でもこれは女としても嫉妬しちゃうレベルの完成度だよ。しかも体毛薄いな!羨ましい。
「・・・思わず助けちゃったけどどうすればいいんだろう?」
家に連れて帰るか?でもセルじいになんて言い訳しよう。絶対怒るよ激おこだよ。
この山って普通は人は入らない山なんだって、だからセルじいは地元民達に相談もなく山に結界貼って外界とシャットダウンしちゃったらしいんだけど・・・・・・入ってきちゃってるよねぇ。
あと私、この行き倒れ君に半径3メートルの位置にいます。近づけないってゆーか近づきたくない。
だってこの子呪われてるんだよ?呪術くらってるんだよ?行き倒れ君の身体を黒い靄が覆ってるんだよ?
恐怖と面倒くささMax!関わりたくねぇ・・・・。
あー、まじどうしよう。解くか?解いちゃうか?多少手間かかるけど出来ないことはない。
―――余談だが、私は呪術も聖術も出来る。呪術は怨念なんかがあれば簡単にできるんだよね。やらんけど。聖術は強大な魔力と教会から施される神の祝福がないと出来ないらしいんだが出来た。
セルじいも出来て当たり前みたいな顔してたわ。神の祝福なんてもらってないんですが?いいのそれで?
ちなみにセルじいは昔知り合いに神の祝福とやらを施してもらったから使えるらしい。ふーん。
「って現実逃避してる場合じゃないや。このまま連れて帰っても私が山に招き入れたって思われるどうしよう」
「う・・・」
「げ」
起きちゃったよ。そういえばこの世界に来てから二番目の異世界人だったわ。