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鉄打ちの勇者  作者: 氷雪
序章
2/6

説得、そして異世界へ

「がはっ……はぁはぁ……」

布団から起き上がり荒い息を吐く

なんだ今の夢……

見知らぬ土地で殺し合い傷つけ合う人?獣?化物?

そして妙にリアルな血の匂い

後嗅いだことのない腐臭……死の匂い?

額についた汗を拭うとべっとりと手についた

…………タオル取って来なきゃ、いやもう風呂入ろうかな、でも家族寝てるし部屋から出て動き回って下手に起こすのは迷惑か

でも寝るのもなぁ……今ので眠気飛んだし

つか今何時よ?

枕元のスマホを手に取り画面をつけt

枕元に人が立ってた

「うふぉぁ!?」

変な声出た仕方がないでしょ、悪夢?見て起きたら枕元に人だよ、つかなんで気づかなかった俺

というか誰?

「貴方は選ばれました」

「……はい?」

「貴方は勇者に選ばれたのです、さぁ私と共にゲートに乗り世界を救いに行きましょう」

「嫌です」

なんだ夢か、寝よ

この人変なこと言ってるし

「寝ないでくださいよ!!」

寝ないでくださいだってさ、というか夢の中でも寝れるのかどうか気になるなどうなんだろ

「と言うかどっからどう見ても怪しい人が真夜中枕元に立っているのによく寝れますね……普通はもっと反応違うんじゃないんですか……」

とは言われてもねぇ……こんな綺麗な声の持ち主家族にいないし……

あっ!つまり!

「夜這いか!?」

「ち が い ま す ! !」

「なんだ寝よ」

「いやいや寝ないでくださいよ!私と共に世界を助けに行きましょう!!というか普通は夜這いじゃなくて泥棒とかを考えましょうよ……」

「いやいや、こんな自己主張大きい泥棒いないでしょ、というか声でかい、兄貴とか起き……夢だしいっか」

「だ・か・ら!夢じゃないですって!!」

そう叫ばれると同時に背中に衝撃が……って

「蹴るなよ!?」

流石に切れた許させね睡眠妨害安眠妨害絶許

「……あれ?感覚がある?つまり夢じゃない……?」

「だから最初からそう言ってますよね?あれ?もしかして言葉通じてないんですか?この世界だとこの言語のはずなんだけど……」

なんかぶつぶつ言ってるし……と

「○◆□◇●●□◇■」

「日本語でok」

「最初のであってるじゃないですか!?」

「最初から普通に会話できてたでしょ……あと手遅れかもしれないがうるさい、夢じゃないなら黙れみんなが起きる」

「ふふっ神を舐めないでください、この部屋には結界を貼りましたから防音対策完璧、さらにいえば私以外に自由に結界から出入りすらできません!!完璧な完全な交渉空間ですよ!!」

へぇ……っておい!!

「まて、だったら俺抵抗できないじゃん!?何要求するつもり怖っ!?」

キャッシュカードのパスワードとか言わないと解放されないんだろうか、それとも変な契約書にサインをさせられるのか、ガクブル

「食いつく場所そこですか……いやそこが重要ですけどね……」

目の前のいる自称紙がなんか言ってる

「んん、まぁいいです、貴方は勇者に選ばれたのです、さぁ!勇者よ世界のために戦いなさい!」

「さっきも言いましたが嫌です」

「なら解放しません」

「監禁状態での契約は駄目になるぞ!!!!!」

「いや、私神ですし人間のルールなんて意味無いですし」

「駄目な紙も居たもんだな……」

ところでこいつはなんの紙なんだろうか?喋る紙?何時の間にそんな物を開発してたのか

「おーけーおーけー、なら妥協点を決めよう、とりあえず話を聞こう、そして俺にしか出来ないとわかったら言うことを聞こう、これでいい?」

「んー、まぁそうね、とりあえず説明とかいるものね」

………………………………

……………………

……………

……


説明が終わった

この神(本当に神っぽい紙じゃなくて髪でもなくて)が見守っていた世界では魔物と人間などが仲良く……とは言わないもののある程度バランスよく共存できていた、が、

最近現れた魔王の影響により魔物が活性化し人間等他の生態系に大きな影響を及ぼしこのままだと多くの生き物が絶滅するという

それで魔王に対抗できる勇者を他の世界から召喚し魔王を倒してもらおうと決めたそうだ

そして魔王を倒せるスペックを持つのが俺らしい

……

「助けてくれますか?」

…………

どうしよう……

話を聞くと見捨てられなくなってきた……

「なぁ、俺が行った後ってどうなるの?」

「どうなるって?」

「俺がいたことはみんなの記憶から消えて居なかった事になるの?それとも記憶に残るの?」

「それは……貴方がしたいようにできるけど……」

……そうか、なら

「仕方がないね、見知らぬ世界の見知らぬ人々の為に犠牲になってあげようか」

パァッと神が表情を明るくする

「良いんですか!ありがとうございます!!」

とても嬉しそうでなんかイラっとするなぁ……というかこの神最後まで敬語だったし

「あ、そうだ俺がいなくなった後なんだけど、誰か代わりの人入れといてくれない?生まれるはずだった子供とか、俺の代わりにね」

「そのくらいは多分いいけど……やっぱり帰ってくる場所はとっときたいの?」

「違うよ、ただ……帰ってこれない可能性があるんだし俺がこの世界にいた枠を有効活用して欲しいんだ、それに完全に消えたとしてもほんの少しでも影響が出る可能性を減らしたいしね」

…………………………………

…………………………

…………………


準備が終わった

今から俺はこの世界から消える

部屋を見回す、自分が生まれてから毎日寝て起きていた部屋、小さい頃開けた穴

全てが愛おしく思えてきた

……

家族や友人等を頭に思い浮かべる

今から俺はみんなの記憶から消えて俺の代わりの人と過ごした記憶がみんなの中に刻まれる

自分で決めたのに泣きそうになってきた

でも行くって決めた

だからもう変えない

「ok、行こう」

床に魔法陣が描かれる

「行ってきます……いや」

魔法陣が光り輝き

「行く、今までありがとう、大好きな世界」

そして

ーーーー落下

床が抜けて下に落ちてゆく

今まで過ごして、苦しみ楽しみ怒り泣きそして暮らしてきた世界が遠のいて行く

「……いやだ」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

手遅れだとしても抵抗する

「嫌だ、みんなに忘れて欲しくない、行きたくない、生きた証を消して欲しくない」

泣きながら手を空に伸ばす、抵抗する

「勇者様!?変に抵抗しないでくださ……」

そして俺と神(居たんだ)は目的地、落下地点に描かれた魔法陣に吸い込まれた

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