虎の詩人と弓の達人と僕
山月記と名人伝が、ひとつの本に収録されていたので、僕は一気に読んだ。
李朝が語った言葉を反芻して、
「ああ、同感できるなあ」と、
漠然とした感想を浮かべ、
紀昌の常軌を逸した執念を見て、
「ああ、凄いんだなあ」と、
漠然とした感想を浮かべ、
読了しばらくして、
李朝と紀昌が、並々でない才覚の持ち主とはいえ、
努力次第でここまで違うのを見ると、
例え空想物語だとしても、
「努力って大切だなあ」と、
漠然とした訓戒が身に沁みるので、
漠然と過去を振り返り、
「どうしたものか」と、
思っても、
何故か、
学ばない自分がいるので、
「これでは李朝にもなれぬ」と、
奮起しても、
やはり、
紀昌のような執念は燃えないので、
「どちらにも、なれないんだなあ」と、
空を仰ぎ、
「せめて、李朝のような矜持があれば」と、
李朝以下の自分を、
罵りもせず、
挙句、
怠惰を貪っている。
(*´_`)。o (読んでいただき、ありがとうございました)