~04~
~『龍覇斬』~
ドラゴンスレイヤーの一種、龍の首を斬り落とす事に特化した大型剣という代物。
※3.5mにするはずが何故か15mになっていたらしく更に修正で3m(刃2m、柄1m)の大きさの大剣になった、これを振り回せば貴方も気分はダイゼ○ガー、もしくはスレード○ルミル。
タームクィーンの巣に96人の精鋭達が進入して1時間、未だに増え続けるタームソルジャーの群れを剣で斬り散らしながらタカミヤは平原を駆け続ける、グランセルの冒険者15000、エレボニアの冒険者5000もの数が居るとは言えタームソルジャーの大軍はそれを優に1割は上回っていた、思った以上のタームソルジャーの数に苦戦を強いられる中。
「『聖王剣』よ白銀の煌を刃に変え我が敵を切り裂け、ディバイン・スプラッシュ!!」
英雄ペンドラゴンの放った光の一撃で平原を埋め尽くす3割程のタームソルジャーが撃破されたが、それでもなお平原は見渡す限り蟻の群れが多いつくし、見えるのは平原が2割で蟻8割であった。
しかしそれでも冒険者は諦める事無くタームソルジャーに挑み続けていく、精鋭部隊がきっとタームクィーンを撃破してくれると信じてその思いを心の支えに戦場を駆け回るのだ、冒険者達に思わぬ援護が訪れたのは精鋭部隊がタームの巣に進入してから2時間後だった、エリカ博士が新しい動力兵器の数々を研究所から持ち出してきたのだ。
「さあ、モンスターを蹴散らしなさい私の『アガットデストロイヤーズ3Δ(トライデルタ)』!!」
「「「apu#ks+?(」」」
よく分からない機械言語で応答した動力人形達は様々な武器を器用に使ってタームソルジャーに攻撃を加えて「ぐわぁぁ!!」いく、動力人形達、撃ち込まれる攻撃の数々はタームソルジャーの大軍(冒険者1名含む)を次々と蹴散らしていき、さらに平原の勢力図を塗り替えていく(蟻7、平原3)。
「てんめぇ!!ぜってーわざとだろ!!」
「わざとだなんて人聞き悪いわね~」
動力人形達の攻撃から命からがら逃げてのびて戻ってきた冒険者がエリカ博士に詰め寄る、しかしエリカは何ら悪びれた様子もなく。
「明確な殺意を込めているわ!!Σ q (`・ω・′)」
「なお悪いわ!!」
巻き込まれた冒険者はフラフラした足取りながらもレイド用に野外に建設された休憩用テントに入り込みすぐさまイビキが響き渡る、かなりの長期戦になるであろう今回のレイドはまだ中盤戦に差し掛かった所だった。
「やれやれ、こないだといい今回のレイドといい人使いが荒い世界ねぇ、せいやぁぁ!!!」
愚痴りながらもタカミヤは剣を振り回してはタームソルジャーを次々と片付けていく、そしてタカミヤは剣を天高く掲げると、剣は魔法を帯びて蒼白く輝き始める、タカミヤは柄を両手で持ち構えると全速力でモンスターの群れに突き進んで行き、左足で大地を抉りながらブレーキをかけると全ての勢いを回転の力で剣に乗せ、全ての力を乗せた剣を力の限り振り抜いた。
「龍覇滅殺奥義、星薙ぎの大太刀!!!」
『龍覇斬』に備わっている武器専用のアタックスキルを発動させタームソルジャーの大軍を光の剣が薙ぎ払っていく様は正にスレード○ルミルの様であったと~~さんは後に語る。
タームの巣に進入した精鋭部隊は部隊を分け、タームソルジャーの巡回を大量の小さな小部屋に隠れながらやり過ごしつつ奥へ奥へと徐々に進んでいた。
「ちっ、巡回の数が大いな先に進めん」
「戦闘回数はできれば控えてクィーンに全て物資を注ぎ込みたいな、どうする」
「ミヤがいれば楽だったんだろうが・・・うーん」
レオンとカシウスが先に進む為の部屋の前にいる見張りのタームソルジャーとの戦闘方法を考えているなか、1人の武士の男性が名乗りを上げた。
「頼めるか?アリオス」
「確かに君なら適任だ」
「任せて下さい」
武士の中でもSPD、AGL型のビルドを好んでいるアリオスはその素早さを活かした剣技の数々を習得していた、つい先日アリオスは遂に口伝(EXクラフト)を開眼したのだという、アリオスは静かに腰の刀に手を添え居合いの構えをとると。
「秘剣・裏疾風!!」
アリオスの放った素早い居合い斬りはタームソルジャー2体を同時に撃破し、なんとか増援を呼ばれる事なく次の階層へと進んでいく、次の階層は悲惨な有り様でタームソルジャーの体液のようなものが辺りに散乱していたよく見ると金貨やアイテムが落ちているところを見ると、以前トマスやタカミヤが潜入したのはこの階層なのだろう、一行は小部屋の中や複雑な通路を警戒しながら進み最低限の戦闘のみを行い、戦力を温存しながら少しずつ先に進んでいく。
「今、どの辺りだ?」
「さっきのが第4層で今が第5層だな」
「なら、この階層の最後にクィーンか」
「準備を万全にして挑むとしよう」
決意を新たに、しかし油断せずより慎重にボスの部屋を目指して進んでいく、レオン達の小隊(12人)がボス部屋の前にたどり着くと武器の手入れやボス専用の武器に装備を変更していく、そうしているうちに次の小隊が訪れ、1時間後には96人全員が無事に集合を果たした、それぞれ顔を見合わせると頷き合い準備が整っていることを確認すると。
「行くぞ!!」
レイドリーダーのカシウスの一声の下にボス部屋に突入していく、96人全員がボス部屋に突入を終えるとシルエットで覆われていた巨体がのそりと動きだし、大きな咆哮を上げる。
~タームクィーン(レギオンレイドタイプLV89)~
ボスモンスターの簡易ステータスゲージが現れ、羽化を果たした大きな体(およそ12m)の蟻の女王は冒険者をその眼で睨み付けるとその足を洞窟の床に付けると。
「地震攻撃が来るぞ、各員備えろ!!」
巨大な体躯から産み出される怪力で地面を揺らし地震を起こし攻撃してくる、身軽な冒険者は飛び上がり地震を避け、重戦士達は武器等で地面に体を固定し揺れに耐えていく、クィーンは地震攻撃を終えると口を大きく開き顎をガシャガシャと鳴らし始めた。
「アシッドブレスが来るぞ、口に攻撃を集中してブレス攻撃を阻止しろ」
弓矢やボウガンを装備した冒険者達と妖術師や召喚術師達が魔法で攻撃を行い、数十回のダメージを与えた所でクィーンが怯みブレス攻撃の阻止に成功した、怯むクィーンに前衛の武器攻撃職達がアタックスキルを駆使しダメージを積み重ねていく、怯んでいた体制を立て直すとクィーンは手短にいた冒険者をその足(腕)で掴み上げると溶解液を吐き出した。
「いかん、ヒーラー隊回復を!!前衛は戦士職とスイッチ!!各員攻撃に備えろ!!」
クィーンはその巨大な顎で地面を大きな岩としてくり貫くと戦士職隊に向けて放り投げてくる、その効果範囲は広く、後衛のヒーラー隊の一部にもダメージが入っていた、そして・・・・彼等にこれ以上ない窮地が訪れた。
「マズイっす団長!!、巣の中にいたソルジャー供が集まり始めた!!」
「なんだと!!」
ゲームだった頃ならクィーンとの戦いで相手にするのはボスであるクィーン1体のみだったのに、今はゲームだった頃の法則性を越えた事態が起き始めていた、カシウスはレイド部隊の1/3を入り口に向かわせソルジャーの足止めをする作戦を直ぐ様全員に通達し戦士隊、武器攻撃隊、魔法攻撃隊、回復隊の編成のし直しをすべく声を荒げ、部隊の混乱を防ぐべくなんとか統制していく、この辺り軍属経験のあるカシウスがレイド部隊のリーダーだったのは不幸中の幸いであるのかも知れない。
「時間稼ぎなら俺に任せな!!」
担架を切ったロベルトは戦士隊よりも前にでるとクィーンに向けてパルスブリットを放つ、魔法がクィーンに当たり小さな爆発が起きるとクィーンはその眼でロベルトを睨むと腕を振り回しながらロベルトを追い回す。
「此方だデカイのそらそらどうした!!」
リキャストの済んだパルスブリットで再び攻撃、1秒も経たない内に再びもう一発パルスブリットを打つ、パルスブリットをひたすら連射しながらロベルトはクィーンを引き付けて入り口から引き離していく。
「よし部隊編成は整った、良いぞロベルト下がれ!!」
「OK旦那、じゃあこいつはオマケだ!!」
ロベルトは自身が使える捕縛魔法を全て同時に放ち、荊の薗を作り上げクィーンの動きを封じていく、それはロベルトが編み出した口伝(EXアーツ)だった。
「俺の『縛鎖の庭園』のお味はどうよデカブツ」
クィーンは各種バインドに身動きを封じられ暴れもがいているが、複雑に絡み合った捕縛魔法は簡単には解けはしなかった、このチャンスを生かすべく魔法攻撃隊はタームクィーンの弱点である火炎属性の高威力魔法を一斉に唱えクィーンを爆炎に包んでいく、爆発の隙を掻い潜り武器攻撃隊も次々にアタックスキルで攻撃を加えていく、ロベルトの『縛鎖の庭園』に含まれたソーンバインドホステージの効果も上乗せされ、クィーンのHPは大きく減りゲージの2割程削れていた、クィーンはバインドを力付くで引きちぎると足で地面を次々叩き始める、カシウスがその攻撃に気付き号令をかけるが間に合わず、クィーンの最強攻撃である『グランドスラム』が巻き起こり地面は複雑に隆起し仲間達を瀕死に追いやっていくのであった。
『アリオス』
バニングス一家の隣に住むマクレイン一家のお父さん。
グランセルに住む武士の中では侍被れではなく、軽装備を好み素早さを生かした戦い方を選ぶ。
狼牙族:武士:Lv90/遊撃手Lv90