表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/26

~01~

元は~19~となるはずだったもの。相も変わらずグダグダですが宜しくお願いしませう。

 日も暮れ空には星が輝き皆が寝静まった夜、その男は行動を開始した、ある館の中にある目当ての品物を手にいれるために男は用意しておいた工具で窓を割り静かに鍵を開けるとそっと音を立てずに館に侵入する。


「サブロール《盗賊》の俺にかかればこんなのチョロいもんだ」


 静かにそう言うとバッグの中から館の地図を取り出す、ここ数日客として館に通い詰めて念入りに仕上げた代物を確認しながら男は進んでいく、進んだ先にある広い空間の中央に飾られたソレを見て男は思わずヨダレが出そうになるのをこらえてソレに手を伸ばした。


「うぉ重っ!!、うへへへへっ、これで俺もトッププレイヤーだぜ♪」


 手に入れたソレに我慢出来ずに頬擦りし、男は静かにその場を去っていった、男の持ち出したソレの飾られていた台座には金属のプレートには。




             ~【エクスカリバー】~



                            と、書かれていた










            ~『ある意味伝説のお約束?』~



 聖都グランセル、王城前中央広場にてその事件は国民(大地人)や冒険者の人々に広まっていた。


「昨夜未明、プラトー美術館にて盗難事件が発生、現在自警団の方々が犯人を捜索していますが犯人はまだ捕まっておりません」


 グランセルにある様々な連盟を纏める取締役であるオリヴァーからそう告げられ住人達はそれぞれ隣の人達と顔を向き合わせヒソヒソと話し合い始める、1人の冒険者が疑問を投げ掛けるとオリヴァーも隠さずにそれに答え問答を続けていく、そして。


「もう街かには居ないんじゃないんですか?」

「ご心配なく、あの美術館に飾ってある物にはある処置が施してあって、それらを不法な手段で入手した場合はバッグへの収納、帰還呪文の使用不可、街のゾーンからの進出不可能となり、グランセルからの脱出は不可能となっていますので」

「盗まれた代物は分かっているんですか?」

「ええ、エクスカリバーです」


 オリヴァーがそう告げると、冒険者達は口々に「バカな真似をしたもんだ」等々と発言している、最後にオリヴァーが目撃情報の提供を求め住人に呼び掛けると其々快諾の返事が帰ってくる、そこで広場における会議は終了した。







 街の片隅で隠れていた男は困っていた、折角エクスカリバーを盗んだのに魔法の鞄(マジックバッグ)に仕舞う事もできず、街の外に出れなくて帰還呪文を使用しようとしたが使用禁止と表示され使えなかったのである、目立つ白金の装飾の施されたエクスカリバーは目立ちに目立ち、自警団の連中に直ぐに見つかってしまったのは男にとって誤算だった、男の計画では剣を手に入れれば直ぐに街をでて近隣諸侯のお抱え剣士としての優雅な貴族生活が始まる予定だったのである。


「居たぞ!!こっちだ!!」

「くそ!しつけえ」


 男は悪態をつきながら必死に走る、エクスカリバーを手放せば逃げることは出来るのだが、盗賊が盗んだ代物を捨てて逃げるのはプライドが許さない、男は必死に街の路地を走り逃げに逃げた、途中建物の中に逃げ込もうとしたがエクスカリバーの性で建物にも侵入禁止の効果が働いているのである、路地を走るうちに壁に突き当たり戻ろうとしたが追手二人がすぐ後ろに迫っていた。


「もう逃げられないで御座る!!」

「観念するで候!!」


 男は万事休すかと腹を括ったが、追手二人のLVをみて考え直す。


 (神様は俺もを見捨てちゃあいなかったってなぁ♪)


 男はLv90の『守護戦士』だ、対して追手はLv78の侍士と暗殺者だったのだ、男は自分の経験が有ればこの追手二人を突破して逃げることができると踏んだ、そうとなれば男としても折角の聖剣であるエクスカリバーを使わない理由がない、エクスカリバーを構え自分を追ってきた二人に向けると。


「Lv90にもなってねぇ三下が、俺をなめてんじゃねぇぞ!!」


 男は一気に侍士に向け斬りかかる、しかし


「あぁん!?、上手く避けたじゃねぇか、だが次は外さねぇぞおらぁ!!」


 男は再び侍士に斬りかかるが二人は動く気配を見せなかった、男の剣は確かに当たってはいるのだが、侍士のHPは5回の攻撃をうけても5しか減っていなかった。


「気は済んだで御座るか?」

「あぁん!?、なんだとこらぁ!!」


 男が再び剣を振り上げた所で遂に暗殺者の男が動きを見せる、素早く壁をかけ上がり男に向けて。


「タカミヤ殿直伝、【漁師御用達漁業用投擲網攻撃(にんぽう・くもいとしばり)】!!」

「それ違!!ぎゃぁあl!!」


 遂に男は逮捕され、グランセル中央広場へと連れてこられていた、広場には連絡をうけて既にオリヴァーとタカミヤが待っていた。


「くっそ、殺すなら殺せ!!」

「やれやれ、泥棒しといて逆キレかい格好悪いなぁ・・・」

「それはそれとして、なんであんなガラクタ盗んだの?」


 タカミヤがエクスカリバーをガラクタといい放った事に逆に男は驚き喚き始める。


「はぁ!?、アンタこそバカじゃないのか!、エクスカリバーなんて最上級の幻想級をガラクタ!?」


 男が尚も喚き散らす様子にオリヴァーも今回の事件の発端に納得し溜め息を付くしか出来なかった、流石に憐れに思えてきたのかオリヴァーとタカミヤは男が剣を盗み出したプラトー美術館について説明をしてあげることに。


「そんな訳で、あの美術館は収集趣味(コレクター)の趣味で造られた模造品(レプリカ)が飾られたまさに観る為だけに造られた趣味の場所なのよ、そもそも入り口に『飾られているのは全て模造品です』って注意文が書いてあるっていうのに」

「えぇ!?、じゃああのエクスカリバーも!?」

「ええレプリカね、さしずめ【お約束の伝説の偽剣(エクスカリパー)】とでも言った所かしら」


 それを聞いた男は力なく地面に倒れ混んだ、念入りに計画を立て、伝説の剣を手に入れたと思ったら。


「通りで追手も特に何もしてこないと思ったし、美術館の警備がザルだったのも頷けるし、通りで剣やらなんやらも保管方法が杜撰だとおもった、しかも手に入れた剣がエクスカリパーって、あんまりだ・・・」

「ええと、『伝説戦士ギルガメッシュ』君」


 自分の名前をステータス画面で確認したらしいオリヴァーという名の男が話しかけてくる、オリヴァーという男が言うには一応は被害が無いので投獄や監禁などは行わないというもの、しかしその代わりの罰を受けなければ行けないと言うことであった。

 男は何故自分を縛っていたロープをほどくのか、何故山盛りの弁当や瓶詰食料を自分のバッグにいれているのか、何故キャンプセットや寝袋やコテージ等が自分のバッグに積み込まれているのかを恐らくは正しい意味で理解した、そして、バッグも持たず逃げようとしたがタカミヤという人物に首根っこを掴まれ抵抗虚しく引き摺られて行き。


「ヤダーヤダヤダヤダヤダー!!!!!、誰か助けてーーーーー!!」

「ゴメンよギルガメッシュ君、古くからのお約束でエクスカリパーにはデジョン(異界送り)と決まっているんだよ、では健闘を祈る!!」


 広場に集まった自警団や他の住民達から敬礼で見送られ、必死にこれから先の命綱が大量に詰め込まれたマジックバッグを力強く必死に胸に抱くギルガメッシュは、【妖精の環(フェアリーリング)】へと放り込まれ、文字通りの異界送りとなったのであった・・・・。




『伝説戦士ギルガメッシュ』

狼牙族:守護戦士:Lv90/盗賊:Lv90

プラトー美術館の聖剣エクスカリバーを模造品エクスカリパーであると気付かずに盗みだしたが見事失敗、挙げ句の果てに非常食やテント各種を沢山持たされ【妖精の環】で異界送り(デジョン)された、憐れな流れの冒険者。

大災害前、良く仲間からは伝説さん(笑)とか言われていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ