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~16~

ちょ!!アニメがえらいことになってはるやないか~い!!

セイネ達がアニメのサブキャラに入れ替わったのでスマッシュさんたちの出番がさらに減りそうですね····、頑張れスマッシュさん

 馬車で旅する事3日、漸く目的のプレイヤータウンにたどり着いたのだが。


「なんじゃこりゃ~!!」

「発音がおかしいよミヤ!?」



 何が起きたのか町はボロボロで大地人や一部冒険者(低Lv)に対しての炊き出し等が行われているという状態だった、タカミヤは依頼内容を急いで確認すべくオリビエに念話を入れるが着拒され「やっぱりか」と吐き捨てつつも秘書(シェラ)に念話を入れ、繋がった所で確認事項を伝えるするとオリビエから念話を入れ直すと言われて一度念話を切ると直ぐ様オリビエから念話が入ってきた。


「オリビエ、私がココに来る本来の用件って何だったの?」

『いや、実はその町の冒険者では影すら掴めなかった『黒い病』っていう事件何だけど』

「ココでもそうなの、いや・・・こっちの話よ続けて」

『で、何でもその町に住む子供達が《白いお姉ちゃん》なら解決出来るからその人を探してってなっていって』

「私のカラーリングで選んだと確かに髪も白で服も白系だけど・・・・アンタねぇ・・・」

『イヤイヤイヤイヤ!!!!、その町の《似顔絵描き》の子が書いた《白いお姉ちゃん》の絵が』

「あ~、モロに私だった訳ね・・・」

『そう!!決して色で選んだわけではないんですよ!?』

「まあ、分かったわ・・・」

『本当に!?、本当の本当の本当の本当の本当の本当に!?』

「ええ、だって」


 今のようなボロボロな状態の町の入口で念話などしていればこの町がこうなった事情を知っている町の住人にかなり怪しまれるのは当然でカノンに事情説明してもらいつつ念話を続けていたのだが、先程オリビエが話した《白いお姉ちゃん》の下りの辺りで遠巻きに見ていた町の子供達がタカミヤに駆け寄って来て《白いお姉ちゃん》とタカミヤの事を連呼していたのだ、オリビエの話の裏付けはその瞬間で取れていたので今さらオリビエに殺意(のろい)の念を送る意味もなく困り呆れ果てている状況なのでオリビエが疑って何度も確認するのもどうでもよかった。


「今、物凄く町の子供達に《白いお姉ちゃん》って呼ばれてる引っ付かれてるから・・・ 」

『・・・・心中御察しします・・・・』


 オリビエもそこは流石に長い付き合いなのでそんな状況に陥っているタカミヤがさぞ困っている事だろうと察したのだった、ちなみに普段の仕返しにと冷やかしたりからかったりしないのはそうすれば間違いなく帰ってきた時に骨が砕け散るというこれまた妙な付き合いの長さからくる経験からだった。


『あっ!ちょっと待って』

「なに?」


 用件も済んだし念話を終えようとした所でオリビエに引き止められる、何やら面倒そうな会話をしているみたいなので口を挟まずにオリビエ達の会議が終わるのを静かに待っていると、再びオリビエから。


『さっきGMへの緊急案件だと言って報告書が来たんだけど、多分その町の事だと思う』

「内容は?」

魔物(モンスター)が町に襲来侵入しこれに冒険者衛兵共に応戦、でも何故かゾーン設定で武器が使用禁止になってマトモな戦闘にならない事と魔物がバリアのような障壁を張っていてコッチの攻撃が全く通らない点』

「なる、そりゃGM案件ねぇ、それにその魔物(モンスター)間違いなく」

『だろうねぇ、トマスさんは可能であればコアを持ち帰って欲しいっていってたけど、無理そうなら他に感染しないようにコアごと完全撃破してもOKだと言ってる』

「了解、詳しい話は現地調査してる間に聞くことにするわ」

『街に控えて貰っている彼等(えいゆうたち)を応援に送るかい?』

「いえ、現地戦力を得て何とかするわ、彼等が居ないと知れば他が動いてしまうかもしれないし」

『そうだったか・・・そっちもあったね、分かった、無理は禁物だよ?』

「ええ、事態が進展したら連絡する」


 念話を終えたタカミヤは町の住人に話を聞こうとしたのだが振り返れば群がる子供達とそれに困り果てたカノンという状況で脱出するのに一苦労しそうだった、とにかく詳しい話を聞こうと子供達に大人の集まる場所へと案内して欲しいとお願いすると子供達に手を引っ張られ、崩壊した大神殿へと連れて来られた。


「じっさま~、町長のじっさま~」

「なんじゃ騒々しい、いま冒険者の方々と他の町へ移るどうかの大事な話の途中じゃぞい」

「《白いお姉ちゃん》が来てくれたよ~♪」

「それを早く言わんか!」


 何だか面倒だなぁと思いタカミヤは「うへぇ」思わず呟いてしまう、ソコへ丁度会議相手だったレアモンスター狩をメインに活動している冒険者集団のリーダーである『ガルホーク』という青年から挨拶され握手を求められる、一応キャラクター名(アナスタシア)を名乗り「宜しく」と握手すると会議をしていた小部屋へと通され住民達の移民計画を説明される、そしてモンスターの特徴説明が行われモンスターはすぐ近くのダンジョン『アラバスタ山脈』から『ザクセン鉱山』方面へと続く道のエリアボスである巨大な蟷螂型モンスター『クィーンマンティス』であることが既に確認出来てはいるのだが、町長が言うにはそのモンスターが『黒い病』と言うものに侵食されていてかなり危険であると言うこと、そのモンスターが町に入ってきた時に町のエリアデータに妙な現象が起き、町のエリア全体が戦闘は可能なのに武器が使用禁止という状況が生まれ、冒険者と衛兵(町にモンスターが入るという異常事態の為衛兵も冒険者と協力して戦闘していた)が総出でモンスターに殴りかかったがバリアの様なモノが発生し攻撃が全く通用しなかった事、そしてクィーンマンティスの『ブレードシックル』の威力が桁違いに高く衛兵達の『動力甲冑』ですら一撃で砕かれてしまうほどだった、そこからは悲惨な状況で町の住民を必死に避難誘導するもの、ホームとして町を使用していた冒険者達は子供を撥ね飛ばしてでも逃げだし、大神殿が破壊されたのに気付いたヒーラー達が戦闘不能者や怪我人を1人でも多く助けるために駆け回り、ガルホーク率いる《ワンピース》のメンバー達が徹底防御戦法でポーションを山程ガブ飲みしてクィーンマンティスをギリギリのラインで足止めしていたお陰で、幸いにも町の住人、衛兵達(恐らくは供贄一族)、一応冒険者達も死亡者を出すことなく耐え抜くことに成功していた、クィーンマンティスは何かに釣られる様に明後日の方向を向いて逃げていったとの事なので再び襲来してもおかしくはない。

 

「こんな状況では必要な家具や家財道具一式はその町で購入して頂くしかありません」

「まあ、妥当よね」

「食料は最悪現地調達します、ですが・・・」

「住民達を乗せて移動する馬車と、町を壊した例のモンスターの『足止め』か『感知又は索敵』」

「話が早い、シア殿はどうやって彼らが言う『黒い病』を識別しているんです?」

「多分コレね」


 説明するよりは見せる方が早いとタカミヤは調査用のデータスキャン特技『ディテクター』を発動させ緑色のスキャナー光を辺りに展開する、すると町長はそれを見て「おお、まさにコレですじゃ」と1人納得している、スキャナー光が消えると、町に残る崩壊の傷痕が薄黒い光の様なものを放ち始める、それを見たガルホークが「何だコレ?」と触ろうとした所で町長に「ソレに触ってはなりませぬ!!!」と大声で叫び、ガルホークは慌てて手を引っ込める。


「ソレが『黒い病』ですじゃ」

「ああ成る程、そう繋がるのね・・・」

「何の話です?」


 全く話の流れが分からないガルホークに簡単に説明するためにタカミヤはその黒いモノを指差して。


「それ、ウィルスバグよ」

「ヒィヤワァ!」


 説明された単語の意味を即理解したガルホークは奇声をあげつつソレから慌てて離れる、タカミヤはタカミヤで色々塾孝しているようでブツブツと何かを言っている、ガルホークはその様子を暫し眺めた後、町長と住人達の別地区への移住計画を詰めておく事にしテーブルへ広げた地図へ向き直り移住計画先を再度検討し始めていた、するとタカミヤが塾孝を終えたようで上司達に連絡を入れ暫し話した後、住人達の家財の補填を行う旨をガルホークに伝える。


「では移住先は南下しグランセル地区へ行けば良いのですか」

「正確には海岸線にある《オルディス湾岸都市》だけど、ウチの街もお隣と怪しい空気になってるから」

「そうですか・・・・、ですがそうと決まれば話は早い、日が暮れて来ているとはいえ住人達の移住計画を直ぐに実行しましょう町長」

「衛兵達は納得してるの?」

「まあ、少しはモメると思ったのですが不思議と二つ返事で了承してくださいました」

「まあ、行くなら気をつけて、上司に対処方法を考えて貰うにしても残って調査しなきゃいけないから」

「そうですか、どうかお気をつけて」

「あなた達もね」


 ガルホークが差し出した手を握り握手を交わすと、ガルホークは町長と共に神殿前の広場へと飛び出していき大声で今すぐに移住計画を実行する事を住人達に伝える、住人達も夜も遅い事から不平は有りそうだったが町を襲った恐怖に比べれば冒険者や衛兵達が旅の護衛をしてくれるのだからマシと言うものだったのだろう、既に眠っている子供達は起こすでもなく母親達が抱いて馬車の荷台へと共に乗り、男衆は《召喚術師(サモナー)》の呼び出した馬やら狼やらといった騎乗様の動物や魔物に乗り移送馬車を挟むように前と後ろへと布陣する、それらの準備を眺めていたタカミヤの元に何やら見知った顔が訪れた、その男と挨拶を交わし。


「供贄の方でいいのかしら?」

「ええ、供贄の方であってますよ、すみません《白い戦姫》殿『黒い病』の前では我等とて悔しいですが無力です」

「ん~、全部が全部では無いでしょう?」

「分かりません、ですが何としても対抗策を作りたいと思います」

「きっと出来ると思いますよ、道中お気をつけて」

「貴女も、奴がまた訪れる可能性はかなり高いと思います、御武運を」


 供贄一族とも握手を交わし旅立ちを見送るとタカミヤはカノンを連れて隠れる場所の有りそうな場所を探すべく町だったエリアの探索を始める、カノンがトレジャーハンターの特技《トラップ作成》で作った罠を町の何ヵ所かに仕掛け『クィーンマンティス』が再度襲来したときに備えていると。


「俺も手伝おう」

「え?」


 その男性は見たことの無い鎧を着込んでおり、雰囲気も冒険者達とは少し違っていたのでカノンはどうしていいか分からなくて思わずタカミヤを呼んだ、すぐ近くの廃墟跡地(ギルド会館)の地下を調べていたタカミヤが直ぐ様顔を出すと、男性はタカミヤへと振り返り頭を下げ。


「《白き戦姫》殿よこの通りだ、俺にも手伝わせてくれ」

「ミヤ~」


 カノンの表情から「何とか出来ないかな?」と懇願されているのは分かった、それに


「この町の衛兵よね?、・・・じゃあ『大地人』でいいのかしら?」

「いや流れの『古来種』でな、縁あってかれこれ70年は無法者の冒険者を牢に入れ、この町と共に生きてきた」

「そう・・・・・・じゃあ凄く悔しかったでしょう・・・・・」


 タカミヤのその言葉に衛兵の男性はギリギリと歯を食い縛り悔しさを噛み締めつつも。


「あんなに自分が何も出来ないなんて思わなかったんだ・・・・」

「アナタ達が言う『黒い病』はそう言うものでしょう?」

「それはわかっています、でも、誰も守れなくて魔物も倒せない、悔しかったんです無力な自分が」


 衛兵の男性が涙を拭うと顔を上げタカミヤへもう一度頭を下げる。


「俺にも何か手伝わせてください、お願いします!!」

「取り敢えず、ギルド会館の地下倉庫を簡易避難場所として片したいから手伝って、もっとやらなきゃいけないこと沢山あるし急がないといけないから大変よ、ほら早く」

「ありがとうございます!!」


 男性は倉庫の荷物を片付ける為に素早くギルド会館地下への道を降りて行く、その姿を見送ったカノンとタカミヤは。


「・・・・あれがあの人の衛兵としての矜持なのかな?」

「そうなんじゃない?、こっちの大陸じゃあタウンで乱闘なんて未だにあるし衛兵がお役御免になってるのなんてアキバとかくらいよ?多分・・・だと思う」


 衛兵の男性が地下の荷物を素早く地上へと取り出すと緊急措置でそれらを瓦礫で埋めて隠し、地下に簡易テントや照明代わりに使われている魔法具を取りだして灯りを灯すと、タカミヤはポケットから【梟の夜眼鏡】と【蝙蝠の鈴飾り】を取りだし二人に渡した。


「そっちの眼鏡はカノンが付けて辺りを周囲を警戒、そっちのイヤリングはえっと」


 タカミヤが衛兵の男性を指差して名前何だっけ~と眉を潜めていると自己紹介しわすれていた事を思い出した男性は。


「スミマセン、私は古来種で衛兵をしていた『ジェイダ・オルソン』と言います」

「ジェ○ダー、じゃあ本気出したらキングジェ○ダーになれるの?」

「何ですかそれは!!、できるわけないでしょう!!、ジェイダーじゃなく!!ジェイダです!!」

「じゃあオルソンね、それは視認するのが難しいものを音の振動波で探知するイヤリングよ」

「ああ、それで【蝙蝠の鈴飾り】という名前なのですね」

「クィーンマンティスがいつ襲来するかは分からないからね、緊急避難用の拠点は用意すんだし、なにか探知したら直ぐ様ココに帰還する事、良いわね?」

「「了解!!」」


 ビシっと敬礼するように手を上げたカノンとジェイはもう夜も更けて闇夜になった廃墟を警戒しつつソロソロと巡回に出発した、タカミヤは夜に紛れる様に黒いロングコートを羽織りフードを被ると廃墟の彼方此方にあるウィルスの残思を隔離回収用の特殊ケースに入れフタを閉めると更にそのケースを特殊なトランク型の魔法具の中へと納めるとトランクを閉めて鍵をかける、大体の調査作業も終わり簡易避難場所に戻ろうとしたところでタカミヤは異常に気付き素早く静かに走り出す、距離を取った後で【夜眼の遠眼鏡(ナイトスコープ)】で町の入り口付近を除くとクィーンマンティスが何かを探すように町へとゆっくり入ってきたのだ、幸いタカミヤが来ている黒いロングコートは【保護色蜥蜴】の皮を使った物であり闇夜以外にも廃墟の壁や彼方此方で素早く色が変化し姿を隠す事に特化した防具なのである、素早く避難場所に戻って来たタカミヤは既にカノンとオルソンの二人が戻って来ていた事に安堵し地下への道を降りる、二人も渡された魔法具でクィーンマンティスの事には直ぐに気付いたらしい、拠点で静かにクィーンマンティスの動向を警戒していると、ザクザクという音が微かに聞こえてくる、事前に設置していたエリカ博士特製の魔道具『監視記憶結晶』という物を組み込んだ望遠鏡、現代で言うところの監視カメラでクィーンマンティスの動きは捉えている筈なので録画映像を見る別の魔道具を取りだし起動させると、なにやら地面を漁っているクィーンマンティスの姿が映った。


「なんか気になるな」

「何を食べてるんだろうね?」

「あ、そう言えばオルソンに頼んだこの町に居た冒険者達の財産を隠した場所があの辺じゃない?」


 タカミヤの言葉にオルソンが慌てて画像へと視線を戻すと、確か今の避難場所を作る為に冒険者の財産を隠した場所であった、そしてよく見るとクィーンマンティスは宝石や金貨や美しい武具を集中的に食している。


「ちっ、相当面倒な案件じゃないコレ」

「戦姫殿?」

「アイツに侵食した『黒い病』の病原菌は誰が作ったかは分からないけど、アイツの狙いは冒険者の財産を貪ることじゃないかしら・・・」

「一体誰がそんな事を」

「そればっかりは犯人を取っ捕まえるしかないわね」

「くそぉ!!!!」


 オルソンは声を荒げると地下室を飛び出していった、恐らくはクィーンマンティスに向かっていたのだろう、誰かの強欲によってこの町が崩壊させられたという事実がオルソンにはどうしても許せなかったのだろう。


「ミヤ」

「当然行くわよ、今時あまり居ないあんなバカ真面目な人を殺させる訳にもいかないでしょう」

「分かった」


 カノンはタカミヤの援護用にと荷物から戦闘用に改良されたハンティングボウガンを取りだして背負い、矢筒は肩に炸裂弾や閃光弾等といった物はウェストポーチに詰め込んでいく、タカミヤは騎士剣と盾を取りだすとカノンと揃ってオルソンの元へと駆けて行った。


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