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第五十一話 アスラの矛先

大変遅くなりました。

書籍版との同時進行は思ったよりも大変でって言い訳を考えつつ、いつもより少し長めの話になっておりますと取り繕っておきます。

それでは五十一話、お楽しみください。

目が覚めると、薄暗い石畳の空間だった。

ロウソクの灯りが力なくユラユラ揺れる。下水の異臭が鼻につく。

地下だろうか。




薄暗い場所に、目が慣れてくると、何が起こったのかを思い出してみる。






✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎






クワトロ、ゼクス、イヴァンと解散して、王都が夜になるまで時間を潰そうということになった。

俺はゼクスに譲ってもらった解放軍の甲冑のレプリカを脱いだ。

勘違いしないでほしいのだが、俺は露出狂ではない。

その証拠に、ここは人目に付かない路地だ。人目がないんだから、興奮しようにも興奮できない。どうだ、これで露出狂説は論破されたワハハハハ。

まあ、論破できたかどうかはさて置き、昔は王都で住んでいたため、地の利はあった。もちろん、全裸などではなく、服は着ている。




さて、この脱いだあとの甲冑をどうするかだが、なんの偶然かこれは金属で作られている。

考えていることはもうお判りだろう。

そう、これをアルフォンスよろしく空の甲冑として動いてもらうのだ。

へへへ、弟ができた気分だ。



これで人手が一人分増える。しかも自分の意のままに動いてくれる。

だがしかし、まだこの空甲冑の起動には早い。浮かれてみたが、これは解放軍の甲冑だ。騎士隊が跋扈するこの真っ昼間の王都でコイツをつれて歩くなんてどうかしている。




空甲冑には、どこかで待機していてもらおう。

どこまで遠隔の魔法で動かせるのかも知りたい。とりあえず、俺から距離をとってもらう。しかし甲冑がどこにいるか、そして甲冑のいる空間も把握しなければ甲冑を操るのは不可能だろう。

舞台が見えないんじゃ人形を操るのが難しいのと同じ感覚かな?



空甲冑が俺と別れた路地のつきあたりまで辿りついた。そこで適当に甲冑の関節をはずし、程よくばらしたところで、ガラクタのゴミカモフラージュが完成した。

しかしスパイと言えど解放軍として動いている限り、素顔を晒して歩くのには、何か抵抗がある……。気持ちの持ちようだろうが、 ずっと甲冑で顔を隠すのに慣れてしまったせいもあり解放軍として動いている間は落ち着かない。

ウサギの仮面もないことはないのだが、さすがに四年前に王都で好き勝手したときの仮面だ。知れ渡っている可能性は十分にある。


黒ずくめの上下の衣類。まあ黒を基調としているから、解放軍。なんて安直な疑り方をする人間もいないだろうから、気長に覆面等を探してみることにした。

いい時間かせぎだ。




さて、買い物と言えば商業区だ。

あそこなら大体なんでも揃う。

王都の商業区は賑やかだ。でもそれは過去の反乱以前の話。

反乱直後は見違えるほど、影を落とした商業区だが、都民は元々活発な人間が多い。

都民の努力もあり、王都は復興に向かって勢いをつけている。

国を挙げて、取り組んでいるようだ。



「兄ちゃん、観光かい? 王都名物トマトジュースはどうだい?」

「お兄さん、見て行きな。採れたてのトマトだよ?」



その証拠にほら、商業区を歩くだけで声を掛けられるわ掛けられるわ。

しかもトマトを推すわ推すわ。

この商店街は見渡す限りトマトが売られていた。

トマト、トマトジュース、トマトのペイントが施された服、などなど。



なんの気まぐれか、おれはトマトジュースを勧めるあんちゃんに、一杯頂き、商品を買う旨を伝えた。


「どうだ? 俺の自慢のトマトジュースは?」



 程よい酸味かと思いきや、心地の良い甘味が押し寄せてきて、舌の上でさっと透き通るように味が膨らんだ。

 はっきり言って、うまい。



「へへへ、うまいだろ?」



こくり、と俺は頷く。

どうやら顔に美味しいと書いてたようだ。



「王都は今復興イベント、トマト祭りなんだ。あんた、どっから来たんだ? せっかくだし楽しんでけよ」

「ウィラメッカスだ。ありがとう」

「はぁー、ウィラメッカスかぁ。じゃ何だ? 学生か?」



関心したように息を吐いて、さらに尋ねるあんちゃん。



「ああ、いや、違う」

「どっちだよ……」



今の自分が解放軍に潜入している身だと忘れて返事をしそうになる。今度はそれにクエスチョンマークを浮かべるあんちゃん。




「まあいい」



本題を思い出したのか、はっとしながらも話を続けてきた。




「この商店街で買い物した客みんなに触れ回ってんだが、夜にトマト祭って催し物があんだ。よかったら来てくれなよ」




にこやかに、そのトマト祭とやらのチラシを渡してきた。

若い衆が少なくてな、とニッと歯を見せ、客寄せに戻っていく。




チラシに目を移しながら、ジュースをすすった。



『都民一丸となってトマトを投げ合う祭です! トマトまみれになりますので、汚れていい服でご参加願います!』




ただそれだけがデカデカを書かれていた。

しかしなんなんだ?

王都のトマト自給率を下げるだけが目的の祭か?

一丸となる必要ある?



王都復興を目指してんだから食糧は大事にしてほしいのだが……。

日本人のもったいない精神の本領だ。

などと考えるも、王都がもう決めたことなのだから仕方ないという諦観。

結局どんな祭にも催す理由などあるようで、ない。楽しむだけ、それだけな気がする。




チラシを空のトマトジュースの柄と一緒に近くのゴミ箱に放り込む。



ゴミ箱までの綺麗な放物線を眺めた先に、何やら気になる出店があった。

看板には仮面屋と書いてある。

おおよそ、目当ての店だ。簡易的に作られた大きな板の壁に、さまざまな仮面が掛けられている。


「なにさ、お兄さん。夜のトマト祭で自慢の顔が汚れるのを防ごうってのかい?」



 俺の興味ありげな表情を読み取った、客寄せの女性に声を掛けられた。

 しかし何を言っているのか、七割くらいしか理解できない。



「やだよぉ、冗談だよ冗談。お兄さん男前じゃないか、仮面で隠しちまうのかい?」

「世辞でも嬉しいよ。せっかくの祭だ。普段しないようなことをしてもバチは当たらないだろう」

「そうかい。一応この仮面はトマトを投げ合うとき、顔を守るためのものなんだよ。お兄さん、参加すんだろ?」



 俺が適当なことを言いまくっているのはまあいいとして、どうやらこの仮面は仮装兼、トマト対策の顔防具としての役割があるようだ。あれ目に汁入ると割と地獄だ。

 まあ祭には参加するつもりはないが、これから怪盗を捕まえるために派手に動くのだ。

 それがもし解放軍だとバレた際に、仮面は役に立つ。



「さあ見ていきな。これなんてどうだい? ウサギの仮面のレプリカ」

「?」


 俺が数年前に付けていた白いウサギの仮面に似ている。

 ただ、色が黒色だ。黒いウサギ。



「興味あるかい?」

「これにする」

「おや、即答じゃないか」

「ウサギには縁があるから」

「? よくわからないけど、毎度ありってことでいいかい?」

「ああ、ありがとう」

「変な子だね。楽しむんだよ」



 毎度ここで金を落とすことは、おそらくないだろう。

 祭も楽しむつもりはない。

 これは作戦なんだ。ついつい忘れるところだった。


 金と仮面を交換し、快く女性は見送ってくれる。


カチャ。


顔に馴染みのあるフイット感。

色違いのレプリカというだけあって、ひんやりとして頭が透き通るような、気持ちのいい材質が懐かしい。

もともとウサギの仮面は市販のものらしいのだ。同じものなどゴロゴロとあるだろう。

実際に入手してきたのは、前に王都にいたころに世話になった女性、ジュリアだ。

まあ彼女が市販と言っていただけで、本当はどこで手に入れたのかは俺も知らない。

従って、ウサギの仮面が世に多いのか、少ないのかわからない。

レプリカしか出回らないくらいだから、数量はそこまで多くないのだろうという俺の予想もあるが。



しかし仮面や甲冑の制限された視界に、いい加減目が慣れてしまっている。

限られた視界に体が馴染んでしまっている。


いやなもので、長い間ウサギとして、または解放軍として仮面や甲冑をつけていると、長い間視界が開けていると落ち着かないのだ。


そしておれは、ようやく落ち着きを取り戻した眼下の景色を、再びの王都を楽しみながら、時間を過ごした。




✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎




王都の外出を囲む高い防御壁の上端を、夕日がかすめ始めた時間。

王都噴水広場に俺は来ていた。

分隊の仲間と待ち合わせ。

例によって俺は黒ウサギの仮面だが、隣に魔法で操作した甲冑を立たせておけば、分隊の仲間俺がトゥエルヴということは簡単にわかるだろうと高をくくっていたのだが、考えてみればわかるようなポカがあった。



「早いわねぇ、トゥエルヴ。張り切ってるじゃない」


クワトロが来た。

今日が祭りの日だと知ってか知らずか、夕方までは十分時間にしようと提案したこの少女、間違いなく祭りを楽しんでやがる。

そりゃあもうありえない勢いで。

口の周りにはトマトソースが若干ついているし、解放軍のカラーである黒を基調とした服にもところどころトマトがこぼれた跡がある。

このやろう……。



「で? 隣にいるウサギ仮面は誰?」

「俺の他にもこの仮面をつけた人間がいるのか」

「きゃーっ!」


キョロキョロ辺りを俺が見回すと、短く悲鳴をあげたクワトロ。


「ちょっと黒ウサギ! あんたトゥエルヴなの?」



 あ、それもそうか。

 いつもの黒甲冑は立っているが中身は空。しかしそれを知らないクワトロは普段通りに黒甲冑に話しかける。にも関わらず、隣にいる黒いウサギの仮面の男がトゥエルヴの声で話し始める。

 我ながら上手いドッキリを無意識に作り上げてしまった。



「驚かせてすまん」

「はぁー、びっくりしたぁ。甲冑でわからなかったけど、あなたそんな声だったのね」

「どういうことだ?」

「ううん、年近いのかなって」



 確かに、甲冑をしていれば容姿などはおろか、声もこもってわかりにくかったことだろう。

 クワトロが落ち着かない様子でこちらの様子を窺っている。

 俺を特定できてしまう情報はなるべく伏せておきたいが、まあ今はエクストリミスの効果で年齢やその他もろもろ誤魔化せるし。

 結論、まあいいか。



「十八だ」

「え! 三つしか違わない! その若さで本部だったのね、どんなコネよぉ!」


 嬉しそうにこちらを小突きながら冗談を言うクワトロ。

 何がそんなに楽しいのやら。

 でもそれは嘘で塗り固められた俺。

 それを知れば悲しむだろうな。



「コネなんかあるか」

「あはは」




 はにかみながら歯を小さく見せるクワトロと名乗っている少女は、贔屓目にも解放軍という身分は似つかわしくなかった。

 などと物思いにふけっていると。




「トゥエルヴ、横の仮面の方はどなたですか?」



 クワトロのテンドンネタを挑んできた、ゼクスが現れた。

 クワトロと俺はクスリと笑い合い、クワトロと同じ反応を見せるゼクスをからかう。

 若くして本部にいたことに、尊敬をより深めるゼクス。

 彼は自分の作った甲冑を俺に評価されてからというもの、俺に対して崇拝と言うべき深い尊敬を抱き始めた。

 彼のそれはとどまることを知らない。



 が、そこに面白くない男が一人。



「トゥエルヴ、甲冑を脱ぐのはいいんだけど、ウサギの真似事は止めた方がいいよ」



 困り笑いを浮かべたイヴァンだ。

 いちいち癇に障る野郎だ。なんでお前が見破るんだよ、このゲイめ。

 驚いてよ、などと子供くさい理由で不満を抱いている自覚はあるが、全くもって不思議なことなのだが

、このゲイは無条件で腹が立つ。



「このゲイめ」


「こらこら、ここで言わないでよ」


 思わず本音がこぼれてしまった。

 と言うかその前に否定しろよ。

 初めての情報、衝撃的すぎるイヴァンの性情報に、目を白黒させるクワトロとゼクス。

 任務前からヘビーすぎることをぶちまけてしまった。教育上悪影響しかない。



「なんでウサギの色違いなんだ?」

「ウサギって、王都やウィラメッカスでたまに出没情報が挙がる、あのウサギ?」


 イヴァンの問いに、クワトロがかぶせてくる。


「ああ、解放軍が反乱を起こしたと認識されてしまったあの日も、ウサギが事態の収拾にかなり貢献したと聞いている」

「へえ、いい人なんだ」

「それもかなり強いらしいよ」

「ふうん……」



 ぽけーっとクワトロは聞いている。

 イヴァンは肩を竦め、再び俺に向き合い、問いを続け。



「で、その英雄視されているウサギの仮面と、色が違っただけの仮面を、解放軍の君がつけるなんて、どういう皮肉だい?」



 そう言えば。

 イヴァンもイヴァンで、エイトという名前で解放軍に潜入している騎士隊員だったりするのだが。

 ある程度の俺の情報は、潜入仲間として知っているだろうが、言われてみれば俺がウサギだということは、イヴァンも知らなかった。




「解放軍だとは思われないさ。しかも今日の王都はトマト祭。ただの仮装だと思われて、むしろ今日この日に限っては好都合だ」

「そ、そうなのかな」


 イヴァンはまたも困り笑い。


「気分だよ、楽しめ」


「そうかい。で、この甲冑は誰だ?」

「協力者だ、よかったな。頭数はいるんだろ?」

「冗談はもういいよ、中身は」



 イヴァンはおもむろに黒甲冑の頭部装備を外す。



「きゃあ!」

「え……」



 クワトロとゼクスは短く驚愕の声を上げた。

 それもまあ仕方のないこと。なんせ、イヴァンが持ち上げた頭部装備のその下は、首なしで独りでに直立している黒い甲冑なのだから。



「トゥエルヴ、いい加減にしてくれ」

「はいはい」



 俺は甲冑を操作していた磁場を解いて、甲冑をバラバラに崩す。

 ガシャン!

 特定の形の部品があるだけで、ただの鉄の集まりになった黒甲冑。



「この中身は空だ」



 俺の言葉に、クワトロとゼクスは依然目を丸くして、器用にもそのまま首を傾げている。

 イヴァンはため息をわざとらしく吐き、説明をした。



「トゥエルヴの魔法は初めてだったね。彼は金属を操る魔法を使う」

「え……」

「魔法使いだったんですか」



 クワトロとゼクスは、ようやく開きっぱなしの目に、瞬きを取り戻した。

 イヴァンは続ける。



「そう、でもそんな効果を持つ属性魔法はない。つまり」



「無属性……」



 ゼクスがつぶやいた。

 クワトロが、ふーん、と口を尖らせる。

 驚くような事実ではないが、無属性魔法、つまりは適正魔法がないものと知りつつ、その魔法を使い続け、さらにその才と呼ぶに相応しいかどうか怪しい能力を伸ばす者は、この世界では珍奇と言える。

 悪く言えば、異端。

 俺の前世日本の価値観に言わせてみれば、それぞれすべての才能を活かす場がある、腐るな、と言える環境が多くあったように思える。

 適材適所、簡単に言えばみんな違ってみんな良いだ。

 しかしそんな価値観を度外視しているこの世界。

 まあ二人の反応は当然と言えば当然だろうか。

 どれが優位でどれが劣位か、共通概念ではっきりさせている。



「そう、そういう理由で僕のレプリカの甲冑を欲したんですね、トゥエルヴは」

「ああ」


 ゼクスの顔に、腑に落ちた、と書いてある。


「なぜ僕の甲冑なんかを、と思ったんですが、なんだかすっきりしました」


 ゼクスは、そうにこやかに話す。

 俺は無意識に眉をピクリと動かしていた。

 無属性と聞いて、そのような反応を示した人間は久しぶりだ。


「僕は魔法が使えません。適正魔法もありませんし、魔力もない。だからこの道に」


 はにかみながら、でも嬉しそうにそう話すゼクスは、夢を語る少年そのものだった。

 魔法使いと、剣士には深い溝がある。お互いがお互いを劣っていると言い張っている。

 無属性魔法は、大多数の適正魔法をもつ魔法使いとは少しずれた存在。

 しかし剣士でもない。

 では無属性魔法使いは何なのか、と言われれば、ゼクスのような人間に一番近しいのかもしれない。


 ゼクスが無属性魔法に理解のある理由がわかる。


 クワトロも、どこかゼクスと同じように、どこか自分もだと言わんばかりに幸せそうに笑うが、俺と目が合うと、急に表情を引き締めた。



「はい! 和やかタイムはおしまい! トゥエルヴ、あんた隊長でしょ? 指揮くらいとりなさい。もうノームミストの予告時間が近いわ。任務を始めましょう」


 クワトロに舵を取られてしまった。

 まあ俺にはハナから隊長などという自覚はない。

 肩に力の入る役目も役割もごめんだ。



「ぼちぼち探し回るか」


 そう言いながら腕のストレッチをするだけ。

 カシャ、カシャ、カシャンッ……。

 黒甲冑を磁場で即座に組み立てる。

 クワトロは興味深そうにその様子を食い入るように観察していた。



「よし、それじゃあ、いくわよ!」

「なんでクワトロが仕切ってるんですか……」



 嬉しそうにはりきるクワトロ。げんなりした様子で突っ込むゼクス。普段どおり目つきが気味悪いエイトことイヴァン。

 そして慣れた仮面越しの視界に安心する俺。

 そうして任務が始まった。



 はずだった。





✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎






 王都内の高台から見回していると、突如霧が発生した。王都北側のエリアに位置する王城前の広場だ。

 そこに急行してみると、騎士隊がやんややんやと叫んでは、目的を見失ったように声を掛け合う。

が、声が聞こえるだけで、それは深い霧の中。

水属性魔法か。この高台から一歩降りると一寸先はホワイトアウト。

騎士隊たちも見失うわけだ。

城門前には霧。

十中八九、ノームミストの仕業だろう。

あの霧の中にこの身を投じるのは危険だ。だがそんな時の黒甲冑。

磁場の向くまま思いのままに霧の中に甲冑を打ち込む。

磁界操作で甲冑に回転をかけ、一気に霧を晴らす。

あたかも人が入っているかのごとく、甲冑を操作し、ノームミストの眼前に甲冑を立ち上がらせた。





高台の上から見たその白いピエロのような格好をした怪盗、ノームミスト。

遠くてはっきりとは見えないが、白いヴェネチアンマスクで顔を隠している。だけど雰囲気からして若そうだ。

 突然の甲冑の登場に驚いている様子のノームミスト。

 この隙に捕らえられれば御の字。甲冑に捕まえさせる。

 が、さすがに避けられた。



霧が完全に晴れたころ。

騎士隊の集団が突然ざわめいた。

察するに、解放軍の乱入に一時混乱しているはず。

咄嗟に矢を射ったり、槍を投げたり、集中攻撃が始まる。

だがしかし何のこれしき。

中身は無人。

甲冑は鉄。

人の力でどうにかなるはずもない。

騎士隊の猛攻の隙に、ノームミストはまた霧を出して城内へ潜り込んでいた。

だが、それも然り。

騎士隊はノームミストと黒甲冑を追い分散したが、ノームミストはまんまと逃げ切り、甲冑は騎士隊の猛攻なぞ何のその。

騎士隊は蚊帳の外とも言える。

 甲冑を操る磁力が、甲冑に与えられる衝撃を感知する。

 高台から目を凝らして見てみると、騎士隊が放つ矢や槍が甲冑の隙間に挟まっている。

 少し黒甲冑が哀れに見えてきた。

 だがさすがは精巧な解放軍甲冑のレプリカ。人の手による原始的な攻撃にはビクともしない。

ではでは、甲冑に適当に騎士隊を蹴散らしていただき、ノームミストを追おうではありませんか。



ノームミストは城内にいる。

正面の入り口から入ったのを見た。まだ入り口付近の広間にいるはず。

しかし屋内は外からは見えない、つまり甲冑を操作できない。

王城付近を見回してみると、王城建物の上に庭園を見つけた。

月明かりに照らされる庭園は、遠目でも綺麗に月光を浴びている。

その庭園からなら、王城入り口の広間くらいなら覗き込めそうだ。

俺はさっと場所を移した。


その間は不手際だが、甲冑は広間入り口で待ちぼうけ。

俺が庭園に辿り着いたころ、騎士隊が城内になだれ込んで来た。



「逃がすなあ!」

「いたぞ! ノームミストだ!」

「続けぇッ!」

「解放軍も逃がすな!」





広間、というか凄い空間だった。

大広間だな。

庭園の端と大広間の天井付近の開口部が接していた。

その開口部から中を覗き込む。

あちゃー。

騎士隊に囲まれている。これは少し魔力を消費するのを覚悟で蹴散らすしかないか。

じゃないとノームミストに集中できない。

俺は騎士隊員全員の血流、つまり鉄分の流れをせき止める。

それだけでも騎士隊はばたばた崩れ落ちた。

魔力の消費は否めない魔法だが、あらかた邪魔者は片付いただろう。



さて、ノームミストにやっと向き合える、そんなときに突如としてノームミストが青く光を帯び始め。

「オリオン!」

と叫んだ直後にはその姿を消していた。

そうか。

先ほどの妙な動きもこれが原因か。そりゃ捕まらない。

瞬間移動だ。

しかしそんな魔法は無属性魔法しかない。ノームミストも無属性魔法使いなのか? それならさっきの霧は水属性ではないのか?

いろんな想像を巡らしていると、おれの背後で眩い青白い光が弾けた。


まさか、と後ろを振り向くと。

少々疲れた様子のノームミストが周囲をキョロキョロ見回していた。

一瞬目があったと思ったが、俺の視線をスルーして等速のまま周囲に視線を巡らす。

盗賊のくせに一丁前にシカトかましやがって。



「おい」

「きゃああああ⁉︎」



後ろから肩をポンと叩くと、予想外の反応。背を向けている敵に対して攻撃ではなく、後ろから呼びかけるなんて、まあありえないことをしている俺も俺だが。

しかもきゃあだとよ。

どうやら中身は女の子だ。

何が悲しくて怪盗を名乗っているのやら。

白い仮面に、白い民族衣装を思わせる、まあピエロに見えなくもない服。

これがノームミストか。



「貴様、人のことを無視して何安心して座り込んでんだ……」

「うるさい」




 はっ!

しまった! またもや普通に会話をしてしまった。

お互い仮面同士の謎の親密感か、年が近そうという歩み寄る理由からか、敵とおしゃべりを始めていた。



「あんた、ノームミストだろ? 女だったのか……しかしノームミストって名前センスないよな、あはははは」

「くぅぅぅ……」



自分でも信じられない行動に感じた苛立ちを、ノームミストと名乗る少女にぶつけた。

思ったより恥ずかしがっていて嗜虐心がくすぐられる。



「おれは解放軍だ。解放軍は国のため人のために働いている。王都を脅かす怪盗め。大人しくお縄につけ!」



ここは俺の目的を悟らせないために、あからさまに仰々しく、わざと偉そぶって物を言ってみた。

役になりきっているようで、地味に楽しい。



「いわば慈善活動だ! つまり無償でだぞ! 無償で!」



言っているうちにノームミストの雰囲気がだんだん冷たくなってくるのがわかった。




「何が慈善活動よ。本当に慈善活動の精神で働いている人間が無償無償と粋がったりしないわ」



どこか解放軍の対応に慣れているような口ぶりだ。

少し興味が湧いた。

考えてみれば、ノームミストの、この世の中においての立ち位置がイマイチわからない。

王都の味方でもなければ、解放軍側というわけでもない。

ではなんの目的で盗みなどを働いているのか。まさか単なる義賊なんてオチは嫌だぞ。

解放軍の末端には、ノームミストは王都の平和を脅かす存在だと指令が下されている。

でもそれは解放軍の表向きの考え。

真実がその通りだなんてあり得ない。

それじゃあノームミストの存在とは? 目的は?

何も知らないフリをして末端を演じてみるか。何か情報を得られるかもしれない。




「やっと話す気になったか。聞けば聞くほど若そうな声だ。何が目的でこんなことをしている?」

「ふふふ、王宮の魔法研究所が大事に隠しているものよ?」

「というと?」



 のってきた……。



「焦らないで。解放軍にも関係のあるものよ」



どういうことだ。

王宮に忍び込んでいるのに、解放軍も関係している? 解放軍も噛んでいるだと?

それはつまり……。

王宮と解放軍は繋がっているのか? まさかそんなはずは。

待て。ここで焦っては聞き出せるものも聞き出せない。

ノームミストの言葉を百パーセント信じられるかどうかはわからないが、もし本当のことを言っているのなら、一番危険なのはノームミストではなく、王宮の騎士隊に解放軍潜入の任務を与えられている俺だ。

ダメだ。一向にはっきりと答えは出てこなくなった。

もし今一番危険なのが俺だとすると、これ以上騎士隊の任務を続けることはできない。

もし王宮と解放軍が繋がっているのだとしたら……!!

一度落ち着いてノームミストと話しておきたい。

もう少し踏み込んで聞いてみよう。

相手に興味を持たせるのだ。



「ほう、それは個人的に是非教えてほしいものだ。俺自身も解放軍の実態は気になっていてね」



 役まじりな口調で、焦りを隠す。

ノームミストが僅かに首を傾げた。

もう一押しだ。

今ここで逃すわけにはいかないのだ。情報を聞き出すまでは。

 俺はそこまで、喉から手がでるほどまでに、ノームミストの持つ情報を求めていた。どうかその情報に踊らされていることだけは勘弁だが。

 ここまできたら無理やりにでも、だ。

念のために、黒甲冑を呼び寄せておく。まだ王宮の大広間にいるようだ。

磁場で甲冑を操り、浮遊させてこちらに向かわせる。



「捕縛任務はやめだ。悪いが一緒に来てもらおう」



見るからに、俺の言葉に混乱を隠せない様子のノームミスト。

ここは俺とノームミストの二人だけ言いたいことを言い、聞き出したいことを聞き出す。




「なんなら、今回怪盗として盗みをしてからでもいい」


「嫌だと言ったら?」



 しかし、ここはノームミストが警戒した。

なぜ拒む。

最初に解放軍だと強く名乗らない方が警戒心を解けたか?

なにせ相手は解放軍も敵に回しているようだし……。

ええい、ままよ。



「力ずくでも」




やはり拒み続けるか。

しかしナイスタイミングとはこのこと。ちょうど黒甲冑がこちらに到着したところだ。

ズシン!

俺の後ろに甲冑を着陸、待機させる。



「悪いが時間稼ぎをさせてもらった。こいつを飛んで来させるのに手間取ったが」



静かに驚いているようすのノームミスト。

彼女もやはりこの甲冑の中身は有人だと思っていたクチだろう。

さあ、手早く捕らえて、無理矢理にでも彼女の持つ情報を聞き出してやる。

と、思ったその時。

磁場がなくなった。

甲冑はバラバラに部品ごとで崩れ落ちる。

どういうことだ、魔力を一切遮断されている感覚、いや、吸い取られているのか。

ではどこから?

ふと足元を見てみると、赤い光を弱く放つ唐草模様が中心のサークルが描かれていた。俺はその中心に立っていた。

これは見たことがある。

過去に王都に来たばかりのころ、ギルドで手渡された『コロナの秘宝』が入っていた木箱に描かれていた魔法陣に酷似していた。




「よぉ、トゥエルヴ。任務ご苦労さん。ノームミストを追い詰めたとこまでは良かったがもう少しだったな」




 そこには、この場に居るはずのない人物の影。

 庭園の入り口から一つの大柄な影と、その両脇に小さな二つの影。

 アインスの隣にゼクスとクワトロが付き添って現れた。

 アインスは醜く顔を歪めて、笑っている。悦に浸るかのような悉く目障りな表情。顔にできた影が不気味を思わせる。

 火を見るよりも明らかだ。

 ゼクスとクワトロの浮かない顔。アインスの勝ち誇ったような表情。

 この魔法陣はこいつの仕業か……。




「アインス……お前……なんのつもり、だ」


 呼吸が苦しく、眩暈までしてきた。魔力が減っている証拠だ。

 魔力切れの兆候。

しかし俺の魔力保有量も伊達ではない。体調不良が呈しつつも、魔力の底はまだ尽きない。

 この魔法陣は魔力を吸うらしい。視界がどんどんぼやけてくる。


「へへへ、トゥエルヴ、ゴツい甲冑は脱いだのか? ウサギなんか気取りやがって」


 死にもの狂いで崩れ落ちまいと、ユラユラ姿勢を保つが、ついには全身の力が抜けた。

 そのまま地面に横たわる。



「騎士隊の犬め。クワトロ! ゼクス! ひっとらえろ!」


 ぼやけた視界で最後に捉えたのは浮かない顔をしたゼクスとクワトロだった。

 何かとんでもない過ちを犯してしまったような、絶望の表情。

 何があった……。



「まったく、こんな王城にまで入りやがって……見つけるのに苦労したぜ。おい早く縛れクワトロ!」



 やはりこの王城に何かあるのだ。

 アインスは苛立たしげに声を上げる。それに肩を震わせたクワトロ。

 今のアインスには国境支部のリーダーとしての顔が消え失せている。いや、これが本性だと思わざるを得ない。

 かつての支部長の豹変ぶりに、クワトロは動揺を禁じ得ない様子。それに恐れも。

 人のいい支部長が、見る影もなく人を陥れている。解放軍の末端たちは、解放軍は人のために活動していると信じて疑わない。しかしその実態が明るみにでれば、今まで信じていたものが崩れ落ちるんだ。

 そりゃ誰だって混乱と不信感が渦巻くだろう。

 何を信じていいのかわからない。




「ごめんなさい、トゥエルヴ……」



 クワトロは今にも泣きだしそうな顔で、俺に手枷をはめた。

 そのことに、アインスはさらに口角を上げ、醜く笑う。




「おい、ノームミスト」


 アインスの声に、ノームミストが顔だけ動かす。


「お前にはたっぷり借りを返さなくちゃなぁ。盗んだ物、全部出してもらおうか」


 歪んだ笑みを浮かべるアインス。

 しかしこのばかめ。

 俺は薄れゆく意識の中で笑った。

 ノームミストは解放軍の何かを探ろうとしている。解放軍の目的を知っているような口ぶり。

 その彼女が、そう易々と解放軍の、ましてやここにきてあからさまに人を陥れて笑うような人間の言うとこなど聞くワケがない。



「オリオン‼」


 ノームミストが青白い光に包まれ、そこから消え去ったところで、俺は意識を手放した。

 魔力はまだまだ残っているが、体の疲弊が限界まで達した。

 唐草模様の魔法陣は人間を、魔法という力も含めて、機能しなくする力を持っている。



******



 下水の臭いがする。

 時は進み、現在。俺は下水道の一角、その壁に手首を繋がれている。薄汚い床に座らされて、両腕を万歳する態勢で壁に手を繋がれていた。

体に力が入らない。さっきの魔法陣の影響か。まだ身動きすらできない。

 鼻をさす臭いが、妙に頭を覚醒させる。

 気を失う前の出来事が徐々に思い起こされてきた。




 やはりノームミストはそういう奴だったのだ。

 敵の敵は味方。

 もしノームミストの話が本当なら、騎士隊も信用できなくなってくる。

 今、誰を信用して、誰を疑えばいいのかわからない。

 しかしノームミストに、必ず手掛かりはある。



 鼻の曲がるような異臭を放つ水が低い天井から、一滴また一滴と滴り落ちる。

 あぐらをかくために曲げている足を伸ばせば、すぐ目の前を流れている下水の川につかりそうだ。

 その下水の川を挟んだ向かい側には、俺より遥かに頑丈に閉じ込められている人影があった。

 堅牢な鉄格子に出口を閉ざされ、幾重にも鎖で巻かれたその肢体。



 下水道のロウソクの光が揺れるたびに、その人物の顔貌がゆらゆらと見え隠れした。

 赤いツインテールの髪。

 細長い手足。

 濡れそぼった瞳。

 白に汚れが目立つ肌。



「ダイキチ様ではありませんか」



 日本の街中で聞けば中学生が放つ声を思わせるような、まだ幼い声色。

 だがその声を聞いた瞬間に、心臓を捕まれたような感覚に陥った。

 ダイキチ。

 前世、この世界に転生する前、日本で暮らしていたときの名前。

 そしてこの世界でその名を知り、口にするものは一人しかいなかった……。



「アルタイル……」

「覚えておいででしたか。感激の極みです」



 アルタイルはクスリと笑う。

 アルタイル……。

 魔法学園の課外授業、アルルーナの森の中での精霊契約の授業中に起きた、解放軍のミレディを誘拐するという事件。未遂に終わったが、そのときにクシャトリアを気絶させた人口精霊が、こいつ、アルタイルなのだ。

 あのときはレオナルドと契約していたようだが、現在レオナルドは見当たらない。

 アルタイルの魔法、俺に化けて電撃を放った魔法。それに貫かれたクシャトリアはまだ目を覚まさない。学園を離れてから、しばらく経っている。もうクシャトリアは目を覚ましただろうか。 



「なんで自分の名前を知っているのか、聞きたくて仕方がない。顔に書いていますよ?」


「なんで俺がアスラだとわかる。今はある薬で姿を変えているんだぞ」



 そう、俺は騎士隊の薬、エクストリミスで姿を変えている。

 それをなぜ、この人口精霊は見破れるんだ。


「そんなの簡単です。一度『イミテーション』でコピーした人物のデータは忘れません。もちろん、あなたの魔力も。私は魔力で人を見分けます」

「コピー?」

「ええ、私はある一定の魔力を与えられれば、この世のどんな人物をも完全再現します。記憶も含めて……」



俺はしばらく言葉を失った。

嘘だろ。

 そんな力が……。

 クシャトリアの魔力提供もだが、人口精霊の力とくれば、どれも規格外もいいところだ。

 記憶も含めて完全再現するだと? 俺が前世のことをひた隠しにしてきたのに、こいつの能力のおかげでオジャンだ。

 記憶も完全再現するんだ。そりゃ俺の思考や魔法まで、真似できて当然なのかもしれない。




「でもあなたのおかげで前の任務に失敗して、私は廃棄されることになっているみたいです」

「は? 廃棄って。レオナルドはどうしたんだよ」

「また魔力を得た私があなたに変身して暴れ出さないように、精霊契約は反故にされ、廃棄の日が来るまでこの下水道で待機です」



この人工精霊はクシャトリアとは違い、人と契約して魔力の提供がないと力を得られないようだ。

しかしまあ最後はレオナルドの体を支えたり、命令通りに動いたりしてたにも関わらず、任務を遂行できなかったら廃棄とは。

あまりにも理不尽ではないか?

人の手によって生み出されたものなら、どう扱ってもいいというわけではなかろうに。



「もともと私は試験的に創り出された精霊です。上手くいかなければ、改良版を創るために、その素材を私から取り出すべく、私を廃棄するのだとか……」


「ありがちな話だな」



とだけ、考えていた。

ということは、アルタイルは今、解放軍の所有する精霊ではないと曲解してもよろしいか? よろしいな?

よし、であれば、少し体が疼いてきた。

何を感じている? 少し楽しみ?

何がだって?

そんなの決まっている。

まずはここから抜け出すことが先決。

そのためには協力者がいるに越したことはない。

その協力者の力が規格外だとしたら?

そりゃあ、誰だってワクワクせずにはいられない。

俺を陥し入れた者どもを蹴散らし、解放軍の真実を暴いてやる。



俺はニヒルな笑みを浮かべて、アルタイルに再度声をかける。

俺の契約した精霊、クシャトリアを傷つけた罰だ。しばらく俺の手足になってもらうぞ。



「おい、アルタイル、ここから抜け出したくはないのか?」

「そりゃまあ、私も廃棄されるのは甚だ不本意ではありますが……」

「そうかそうか」



再度笑みがこぼれる。

見てろ。

魔力はまだ十分。さっきの魔法陣で抜かれた体の力が戻るまで。



「ダイキチ様、お顔が怖いです」


まだその名前を……。確かに前世は心残りだ。でも今いるのは日本じゃない。

俺の生きている世界はここだ。

かつての未練はもうない。


「この世界では、一応アスラと呼んでもらおうか」



アルタイルは首を小さく傾げた。







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