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第二十一話 精霊は魔力がお好き

俺は今まで見目麗しい女性を前に、「あ、結構可愛い」とか「お、今のお姉さん美人じゃね?」などと軟派な煩悩を発揮したことは、それこそ数え切れない程ある。





だけど、この見た目十代後半の少女を前にして俺が抱いた感想は、今ままでのものとはワケが違った。

美しさに魅せられるとは、こういうことを言うのだろうか。

俺は完全に息を止めて数秒間、真剣な眼差しのまま恍惚としていた。





「何故お前が『コロナの秘宝』を持っている?」





その艶のある声は色っぽくて、俺の耳が「実に甘美だ」と悲鳴を上げる。

背中まで伸ばされた黒い髪は、こんな土っぽい洞窟に似合わず、まるで手入れされているかのような綺麗な光沢があり、切り揃えられた前髪から覗く俺を試すような紅い目は蠱惑的だ。

切れ長の目、長い睫毛、少しだけ開かれた小ぶりな口、そしてすっと通った鼻立ちはヨダレが垂れる程に美しかった。




「お前、ヨダレが出ているぞ。大丈夫か?」


じゅる・・・。




おっといけね。

空腹なことも災いして、いきなり減点対象だ。

話を戻そう。





「『コロナの秘宝』っていうのか、これ?」

「なんだ。知らずに持ってきたのか?」




俺はその、およそ人見知りという言葉を知らなそうな、威圧的な言葉に若干怖気づきつつも頷く。

俺は努めて冷静を装い、話を続けた。



「ここで話すのも何だ。どこか落ち着ける場所で話をしようかお嬢さん?」



でもその言葉は、少女にとって不快な物の部類に入るらしく。



「さっきから何なんだ? 気持ち悪い・・・・・・まあいい、中に入れ」

「・・・・・・」




と言われてしまった。

くそう。

調子に乗ってしまった。

恥ずかしすぎる。

今にもウサギの仮面を被って顔をしばらく隠したい気分だ。






誰かから洞窟の中に招かれたのは初めてだ。

中にさっさと入っていく少女。

俺は見失わないように、その背中を追う。

洞窟の中を進んでいると、後ろから指す日光がだんだん届かなくなってくる。

少女の態度とは正反対の小さな背中を目で追うのに必死になるほど暗い。




ペタ、ペタ、ペタ・・・・・・。

コツ、コツ、コツ・・・・・・。




洞窟の中は思ったより地面が平らだった。

岩でデコボコしてそうなのにな。

石畳でも敷かれているのだろうか、少女の素足と俺の靴の足音がこの空間に響く。

俺は真っ暗であまり周囲が見えないが、その足音を頼りに進む。

でも音は洞窟の中で反響して、時折迷いそうになる、と思ったその時。





いきなり辺りが光で照らされた。

急に現れた光源を、目をしかめながら見てみると、そこには石が積み上がられただけの、簡素な祠があった。

その祠を囲んでいる石柱が発光して、祠の周囲だけを照らしている。




その光で少女の姿が浮かび上がる。

黒装束の少女。

その姿は世間で言う、何の色気もないことを指すのだろうが、俺から見ると何とも幻想的で、儚さを感じさせる美しさだった。





「『コロナの秘宝』をここに」



俺は少し警戒したが、従う他に道がないし、ここで警戒しても今さらだ。

俺は言われた通り、祠の中の受け皿のような容器に『コロナの秘宝』を入れる。





すると。





俺の頭に何かが流れ込んできた。





―――――――・・・・・・ネブリーナ。よくもやってくれましたね・・・。



―――――――目的はエアスリル王国の転覆。



―――――――私に残された時間も少ない。



―――――――ザレイラス=レシデンシア






頭が痛い。

まるで血が沸騰しているようだ。

神経が焼け切られる感覚。

血管が誰かに無理やり引き伸ばされて、最後にはブチッとちぎられる。

そんな激痛が俺の脳を襲った。




「本当に、ネブリーナの言う通りオーバーヒートだ」





まだ頭がガンガンする。

月刊で連載できそうな勢いだ。

俺は立っていられず、四つん這いになると、鼻血も出てきた。

おそらくどこかの血管が切れたのだろう。

脈が早い。

深呼吸をしても上手く酸素を身体に取り込めていない。

過換気を引き起こしているようだ。






どのくらい時間が掛かったかはわからないが、ようやく落ち着いてきた。

苦しむ時間は、長く感じるものだ。

でも依然立ち上がることは出来ない。

服は冷や汗でびっしょりだ。

そんな俺を少女はせせら笑う。




「ふん。無様だな」



その頃には祠の中のガラス球、『コロナの秘宝』とか言ったな。それは洞窟の中に転がっている石と変わらない、ただの石になっていた。

もうそれに効力らしい輝きは見れそうにない。


酷い脱力感と吐き気。

俺は四つん這いのまま、地面に向かって返事をすることしか出来なかった。





「・・・これが事の真相か・・・」

「ああ、そうだ」




ネブリーナ、そしてルースの記憶が流れ込んできた。





『オールシェア』





******





ルースが俺を産んだ日から4年後、ネブリーナはルースと同じ理由でこの洞窟を訪れ、クシャトリアと契約した。

エアスリル王国の姫、ネブリーナはルース程ではないものの、膨大な魔力を持って生まれた。

国王ラトヴィスもザレイラスと考えることは同じで、国に力をもたらそうと、ネブリーナを精霊と契約させたのだ。

全く、どいつもこいつも・・・・・・。





意識がクシャトリアを通してお互いの身体を行き来するようになる。

俺が屋敷で目にしていたルースの中身、つまり意識としてはネブリーナのものだった、ということか。

精霊祭2日目に街で会った敬語で話していたルースは、中身もルースだった。

でも木箱を開けてから、『コロナの秘宝』の力でクシャトリアの付与能力『オールシェア』を操作してからはネブリーナと入れ替わった。

そのため、ルースをルースの身体のままレシデンシアに帰還させ、エアスリルの情報を流すという作戦は失敗に終わった。

もしそれが成功していれば、解放軍のバックもわからないままで、例え事の真相を子供のネブリーナが口にしたところで、大人は誰も耳を貸さないだろう。




ルースの秘密を知らない大勢の解放軍が巻き起こした混乱の中、俺に守られながらルースがゼフツと合流できれば、作戦は成功で、その時点で用済みな俺とはおさらば。

そんな手はずと言ったところだろうか。




その過程でルースは何を恐れる?

それはネブリーナがルースの身体を乗っ取ることだ。

『オールシェア』がルースとネブリーナの間に完成した時点で、ネブリーナはルースの思惑を知ることができる。





ただ、ネブリーナにも誤算はあった。

ルースの身体を『コロナの秘宝』を使って乗っ取った時、ルースの魔法を使いこなせてなかったことだ。

自身の魔法なのに、一発放つとそれで終わり?

いや、それは一番考えられない。

絶対領域の魔女という二つ名すら付けられた力だ。

絶対に何かある。




その疑問は取り敢えず置いておくとして。

レシデンシアへの対抗策として、ネブリーナは事前にギルドへ『コロナの秘宝』を預けた。

そして、その『コロナの秘宝』が今回見事に功を奏した、と。

そういうことだろうか。






*****





『オールシェア』により、すべての出来事のダイジェストを見たような気がした。






俺が祠の中に『コロナの秘宝』を置いた時点で契約完了だった。

ルースとネブリーナの記憶を共有した。

それで個人の真意まで、全てを知ることができるわけではない。

共有できるのは、あくまで全ての記憶のみ。

考えが読めるわけじゃない。

ただ、他人のその記憶は他人の経験だ。

そこからどのように考えるか、予測をすることが出来るかもしれない。





そしてこれがルースの一番新しい記憶。

それはエアスリル王国の転覆。




ゼフツはエアスリルの貴族だ。

レシデンシアとどのように繋がっているんだ?

今度攻め込んで来るのはいつだ?

レシデンシアの目的は何だ?


疑問は深まるばかりだ。





そしてネブリーナの記憶。




「逃げて、生きて、か・・・」



何故実の子供でもない、この俺にあそこまで執着したのか、それもわからない。

わからないことだらけだ。


でも――――



「嫌だって言ったら、怒られるんだろうな・・・」




――――方針は決まった。







*****







「お前、クシャトリアだったんだな。何で俺と契約した?」


「得られる魔力は多い方がいいからな。それにお前は桁違いに魔力が多くて、それでいて濃密だ・・・」




納得はいくが、本当に理由はそれだけだろうか。

だめだ。

こいつも真意が読めないタイプの人間・・・いや、精霊か。

まあ何にせよ、少女、改めクシャトリアの考えを読もうとしても、のらりくらりとはぐらかされてしまった。





クシャトリアはそう言いながら、座って息をついている俺に迫って来た。

顔が近い。

赤面必至の状況。

女性特有の良い匂いがする。

何で同じシャンプー使っても圧倒的に女子の方が良い匂いすんだろうね。

気にならないかい? 紳士諸君。





「何が言いたい」



俺は恥ずかしさと羞恥心と赤くなった顔を、視線をクシャトリアから外すことで隠しながら、俺は払いのけるような言葉で突き放す。

って、全部恥ずかしいだけじゃねえか。

我ながら自分が情けないよ、ほんと。




「どれだけ吸っても尽きないってことだ」



呆れた顔をしながら、俺から離れてその場に座り込むクシャトリア。



「何でルースもネブリーナも契約を解かなかったんだろうな。こんな面倒なのに」


「面倒とは失礼なヤツだ。有事にはちゃんと魔力を提供している」


「でも吸うのはやめないだろ・・・」


「まあな。・・・私と契約するのも、契約を破棄するのも、『コロナの秘宝』が必要だ。そして『コロナの秘宝』は貴重。おいそれと貰えるものじゃない。なのにネブリーナも馬鹿な女だ。それを使うなんて」



「どういうことだ・・・?」


「お前に渡した『コロナの秘宝』で契約を破棄すれば良かったのに、それを使って私とお前を引き合わせた。それに一時的にとは言え、『オールシェア』を操作するために魔力が必要だ。ネブリーナはルースの身体の魔力をほとんど使った。あれがなければ、ネブリーナはルースの魔法を幾度となく使えたのにな・・・」




ルースをレシデンシアに返さないために、王都でネブリーナはルースと入れ替わったのか?

それに魔力のほとんどを使ったというのなら、シェフォードと戦った時の予期せぬ魔力切れも腑に落ちる。

ネブリーナが自分の身体で俺と会わないわけだ。

ネブリーナも魔力は多いが、ルース程ではなかった。

だから『コロナの秘宝』を使うには、それに必要なだけの魔力を持つルースの身体が必要だったってワケか。

つくづく思うが、俺は蚊帳の外だな・・・。




いや、でも待てよ・・・。




「じゃあ、何でその魔力切れに気付かないんだ?」

「そんなの当然だ。お前達の魔力は私が管理している。限界が来るまで魔力の消耗は感じない。良かったな。存分に魔力を使える」



「よくねえよ! おい、じゃあ今どれだけ俺の魔力を吸った!?」


「質問攻めは嫌いだ・・・」


「答えろよ!」


「10分の1程度だ。このペースは私の中でも早い方なんだがな。凄い魔力量だ。いいじゃないか、まだ大量にある。お前の魔力は濃厚で吸っていて飽きない」



クシャトリアはうんざりした様子で答えた。




なに!?

この短時間で10分の1だと!?

つまり10万近くの魔力を吸ったてことか!?

このままじゃ魔力が足りなくなって、いつ記憶が吸われ始めるかわからない。

魔力の限界が来るまで消耗を感じないのも怖いが、記憶が吸われてルースに覗かれるのも我慢ならない。




「大丈夫だ。寝ている間は魔力は吸っていない。寝ればまた魔力は元に戻る」



ああ、元に戻るだろうよ。

お前に吸われるためにな・・・。

俺は皮肉たっぷりの視線を送る。




「お前それでも精霊か?」

「お前は精霊にどんな幻想を抱いているんだ?」

「もっとこう・・・契約者を敬うって言うか・・・」


「私はお前達人間が言うところの、王級精霊だぞ? その私が『コロナの秘宝』だけで契約してやると言っているんだ。安いもんじゃないか」




ダメだ。

もうおしまいだ・・・。

俺には知られてはならない、前世のあーんな記憶や、こーんな記憶があるというのに・・・。

パソコンのファイルの中身の記憶がこんなにも、まだ鮮明に残っているというのに・・・。



俺は半分諦めていた。





「ここまで歩いて疲れたから寝るっ」

「ふて寝か・・・」

「うっせ」




ここまで歩いて疲れたのは事実だ。

今は昼間だが、この洞窟の中は適度に暗い。

地面が石になっていて、寝心地が多少悪いのは我慢できる範疇だ。


そして何より、クシャトリアによれば寝ている時は魔力の減りを抑えられる。

何とかして早く魔力を増やさなければ。

目を閉じると、一気に睡魔が襲ってきた。




こんなにも寝つきが良いのは、初めてだ・・・・・・。







******







あまりの自然さに忘れていたが、精霊ってのは普段目に見えないんじゃなかったのだろうか。

世界に魔力を与えることで、陰ながら世界を支えてるって感じで聞いていたのに。

俺の目が覚めて、目の前にいたこのクシャトリアという精霊は見た目が人間のそれだ。





「おはよう。気持ちよさそうに寝ていたな」

「・・・おはよう」




上体を起こすと、身体の節々が痛む。

長い間この硬い床で寝ていたようだ。

中途半端に眠気が残っている。





頭が痛い。

それに身体がだるい。

熱はないようだが、はっきり言ってしんどい。

何だかプール上がりのあのダルさに似ている気がする。

帰りの電車で絶対に寝ちゃうやつ、アレな。





俺はきっとここ最近の出来事に参っているんだと、思う。

死んだと思っていたルースは、実はネブリーナの身体の中で今もまだ生きていて、ルースの身体で死んだのはネブリーナだった。

一番の馬鹿を見たのは俺だった。




俺はネブリーナの死をどうやって受け止めればいいんだ。

一度もネブリーナだと意識して話したことがないのに。

ずっとネブリーナは俺と話す時に俺の言葉が自分に向けられてたものではないと分かっていたはずなのに。

何で俺の身代わりになったんだ。

どうして他人のためにそこまでできるんだ。




考えれば考える程、頭は痛くなる一方だった。




しかもその後に助けたネブリーナは、実はルースであり、他国の姫。

その他国、レシデンシアの姫が事実上はいなくなっている状態で、何故どこも騒がないのか。

その辺り、最悪この国が感知する範疇ではないかもしれないけど、作戦のためとは言え一時的に姫がいなくなったとなればレシデンシアの国民の混乱は逃れようがない。

それなのに、この国も、隣のレシデンシアも、落ち着き過ぎだ。




「何を考えているんだ?」

「え? ああ、お前人間の姿かたちなのに、精霊なんだなって思ってな・・・」





今王都はどんな状況なんだ。

立て直しが図られているのだろうか。

そしてミレディはどうなったのか。

屋敷に無事戻れたのだろうか。





まあ今悩んでも仕方がない。

手近な物事から片付けていこう。





「ああ。高位の精霊はまま人の形をなす、らしい」



そんな俺が頭を抱える様子を歯牙にもかけず、能天気に、興味がなさそうに話すクシャトリア。



「らしいって・・・そうと決まってないのか?」

「私が知るか。他にも狼や鹿の姿の精霊も見かけたことはあるがな・・・。お前は一体何がしたいんだ?」



今度は向こうから質問をしてきた。



「『コロナの秘宝』の実態を知らなかったとは言え、ここに来るからには何か目的があるはずだろ? 何がお前をそんなにも悩ませている?」


「質問は嫌いじゃなかったのか?」


「されるのはな。お互いを知る良い機会じゃないか。教えてくれてもいいだろう?」



俺は頭の中を見透かされているような気がした。

その問は果たして俺の考えを本当に知りたいから向けられているものなのか、それとも他に何か答えを導くためのきっかけに過ぎないのか、はたまた単なる精霊のお遊びなのか。

俺が答えあぐねていると。




「お前はまだ若い、と言うより幼い。なのにこんな面倒事に首を突っ込んだ果てに何をしたいのか、その末路にある何を求めているのか。それを聞いている」





俺は確かに思った。

屋敷を追い出された時も、シェフォードにネブリーナが殺された時も。

強くなってやる、と。


でも考えてみればどうだ。

その先に待っているものは何だ。

俺はそこに辿り着いて何をしたいんだ。


俺を追い出した家族を見返す?

前世の地球にはなかった魔法という超常現象に興味がある?


違うだろう。

どれもしっくりとこない。

俺のぽっかりと空いた空間を埋める答えにはなっていない。





「今はただ力が欲しい。それだけだ。お前の質問の答えは、まだ今はない」



俺は本当にありのままを話した。

包み隠さずにだ。

何で今日初めて会った精霊にこんなことを話す気になったんだろう。

自分でも不思議だ。

あんなに警戒していたのに。





「答えは無いのにここに強さを求めて来たのか?」

「そうだ」



クシャトリアは笑いもせず、驚きもせず、ただただ真面目くさった顔で俺を見つめる。

俺もさっきのように視線を外しはしない。

すると、ふとクシャトリアが口を緩ませて微笑む。




「その答えは強さの先にある、そう思わないか?」

「わかるかよ、そんなこと」


クシャトリアは元より俺の返事を聞く気はなかったようで、俺を無視して続ける。


「その答えは誰も知らない。色んな分野で達人と呼ばれる者もまた同じだろう」



「私もその答えを知る器じゃない。器になり得るのは戦いの狂気のさなか、そしてその更に先へ辿り着いた者だけだ」




一体何の話をしている?

話が抽象的、と言ったら良いのだろうか、兎に角掴み所がまるでない、理解できる手掛かりすら見当たらないような事を言ってきた。




「ただ、そこに待っているのは『極致』。私達は契約を交わしたんだ。少しぐらいなら力を貸してやってもいい」



そう言って、クシャトリアは俺に右手を差し出し、握手を求めてくる。


本当に、何が言いたかったんだこの精霊は。

何かめっちゃ哲学的な事言ってきたし。

俺はクシャトリアの返事そのものがわかっていない。


それでもクシャトリアは確信して物を言っていた。

まあ何にせよ、力を貸してくれるんだ。

その話に乗らない手はない。



俺はある程度、本当にある程度だぞ? ある程度、嬉々として握手に応じた。



「アスラだ。力を貸すって言うより、魔力吸ってるよな」



俺はフォンタリウスという家名を伏せて名乗ったが、クシャトリアはそれに触れることはなかった。

俺の態度こそはデカイが、身体は10歳の子供のサイズだ。

その十代後半ほどの背丈を見上げる形で俺は握手に応じた。




「クシャトリアだ。細かい男は嫌われるぞ」


そう言うクシャトリアはニヒルな笑いを浮かべる。

その表情は頼りになると言うか、怖いと言うか、敵に回したくないと思った。


クシャトリアの手には、確かに温もりがあった。

それは人間のそれと何ら変わらないように、俺は感じた。



付け足しとして語っておくが。

クシャトリアの、容姿は美少女と言っても過言ではない女の子の手を握って、俺の心拍数が上昇したことは否めなかった。

本当に頭の先から足のつま先まで謎な言動の女だが、悔しいことに容姿は抜群に良い。






いかんとも締りがない俺だった・・・。









話の流れの矛盾や不自然な点のご指摘をかなりの量頂いております。

現在、その指摘箇所を補うために新たな文章の作成を考えていますが、この作業にはかなり時間が掛かる予想です。

お待たせることになり、申し訳ありません。

もう少しだけ、お付き合い頂けたらな、と思います。

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