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第二十話 二つの王国とクシャトリア

H26.7.4に主人公及びその他の登場の年齢を修正しました。

物語の都合上の変更です。

申し訳ありません。

(ルース視点)


やはりお父様は私の意見なんて聞いてはくれない。


今はこのレイナードとかいう騎士に保護され、城に向かっている。

王都の城は他と比べると、ほぼ被害がない。

この国の騎士が必死になって国王を守ろうとしたからだろう。

あんな戦争好きの王様なんて死んだっていいのではないか?

だってそうだろう?


会場に解放軍が現れた時にだって、観客は自国の姫の命より自分の命を大切にしていた国民だ。

それは王様だって同じことだろう。

では逆に、何故王が死ぬことは阻止し、姫の命は捨て置くのだ?

どちらもお前達国民からすれば、ただの他人ではないか。

一体何が違うのだ。


私だってそうだ。


他人であるこの国のラトヴィス王など、そしてこの国の民など、死のうがどうなろうが、知ったことではない。


だからこの作戦ではアスラという子供を利用しようと思った。

アスラとの出会いも、元の体に戻ることができたのも、本当に偶然だった。

アスラ、とその子供が名乗ってから、この子供が十年前に産んだ子供なのだと知った。

でもこれは好都合だ。

記憶がないと偽って、上手いことゼフツと合流して国に戻ろうと考えた。


そう、体も、その中身も、この状態が本来の形で、正しいのだから。

これが私の生まれたままの状態。

中身、つまり私の意識が本来あるべき体にある。


これで郷国に戻れば、すべてが元通りだ。

そうすればもう()()()()()()になど用はない。

エアスリル王国の情報を持ち帰れば、少しはお父様も私の言葉を聞いてくれる。


でも気付けば強制的に、私の意識は幼い姫の身体に戻っていた。

最後に記憶があるのはアスラの家で妙な木箱に触ってからだ。

今は王族席に縛り付けられた状態。

まだ観客が逃げ惑っている。



「……ネブリーナ。よくもやってくれましたね……」


思わず口を突いて出ていた。


その後はというもの、何も知らない騎士とアスラが私を助けに来た。

きっとネブリーナの意識と私の体は殺されてしまっている。

今回の作戦は失敗か。

でもまあ良い。もう意識が予期せず入れ替わることもない。

この体を借りて、このまま第二の人生を初めよう。


私の頭に流れ込んできたからと言って、私を混乱させるには至らない。

この強い信念があれば、別の記憶なんてただの情報に過ぎない。


本来の計画通りではないが、この国を落とせるかも知れない。

内側からチクチク刺して、少しずつ削り落としていこう。


「ネブリーナ姫殿下? どうされました?」



おっと。

私は自分で気付かないうちにニヤけてしまっていたようだ。

レイナードが怪訝そうに尋ねてきた。

今の私は外見はこの国の姫なのだ。

正しく振舞わないと。


「いいえ、何でもありません……」



******

〈ゼフツ視点〉



「あっつー」

「我慢しろジュリア」


俺は夜の暗いうちに王都を抜け出すことができた。

レオナルド、ジュリア、ガノシュタインも一緒だ。

あれから二日経ち、今はエアスリル王国の外れの国境付近まで来ている。

そこでシェフォードと落ち合うことになっている。


「お待たせして申し訳ありません」

「よい。報告を聞こう」


考えているところ、タイミングを見計らったようにシェフォードが現れた。

目立った怪我は見受けられない。

と言うより、無傷なのだろう。


「はっ、決勝トーナメント出場予定の人間につきましては、作戦通りに会場の待機室にて消しておきました。私が黒い燕尾服を着ていたからでしょうか、あの者達は私が試合運営側の職員とでも思ったのでしょう。油断と隙だらけでした」

「ご苦労だった。これでしばらく強敵も現れまい。それで、ルースの件については?」


「あの後はやはり一度きりしか使ってきませんでした。そしてゼフツ公爵の予想通り、あれはルースではありません」

「そうか。なら良かった。これでルースの意識のみになるのだな?」

「そのようです」


ルースが本来の体に戻ることは叶わなかったが、ネブリーナの意識は死んだのだ。

計画が少し先に延びただけだ。

このことはレオナルドとジュリアには話していない。

シェフォードの報告に二人が首を傾げているのも仕方のないことだ。

解放軍メンバーとは言え、生まれはエアスリル王国。

最終的に信用できるのは、やはり自国の人間に限る。


「では帰国の途に着く。準備が出来次第、出発だ」

「「「「はっ」」」」


これで一安心。

もう既に任務は達成されたも同然だ。

あとは帰国して国王に報告するだけ。

しかしなかなかどうして呆気ないものだ。

こんなにすんなりと死んでしまうものなのか。

アスラを庇う事も計算には入れていたが、あんなにも早々と身を差し出すものなのか?

まるで死に急いでいるみたいではないか。


いや、所詮中身は十歳の子供の考えることか。

子供の考えは往々にして目を見張るものがある。

だがそれはアスラの場合だ。








すべての子供がそうというわけではあるまい。

何の抵抗もせずに自らの身を捧げることに考えが凝り固まっていた。

発想に応用を効かせることが出来ない。

ましてや、あの土壇場の状況だ。

まだ年端の行かぬ10歳の子供なら仕方のないことか。

否。その覚悟があっただけ、まだ優れている方なのだろう。



アスラ一人だけなら切り抜けられたかも知れないが・・・・・・。

まあアスラはこの状況で何も知らない人間だ。

あいつがシェフォードに殺されたことに、アスラが何の疑問も抱かずにいると思うと、我ながら珍しい。


腹を抱えて笑いたくなる。






********







私は殺されてしまった。




産んだ時点ではルースだったが、それから数年後からは私だった。

何も母親らしいことをしてはやれなかったが、我が子を守れたのだから本望と言えるのだろうか?

まあ死んでから言っても仕方ないか。





何にせよ、10歳で殺されるなんて短い人生だった。

しかも同い年の子供の為に命を張るだなんて、今になって考えると馬鹿みたいだ。

あの時はこうすれば良かった、この時はああすれば良かった。




そんな後悔が次々に湧いてくる。

この身体に凄まじい魔力と魔法があったとしても、所詮は10歳の戦闘経験もない子供の土壇場での行動だ。

それならば尚の事仕方ないし、むしろこの年齢を考えると良くやったと褒めても良いレベルなのでは?




魔法はあったけど、あの状態では一度きりしか使えない魔法だし。

ホントに無属性魔法って面倒臭い。

それにしてもよくこんなのを何度も使うほどの魔力があったなあ。

絶対領域の魔女って人は。

あ、それは精霊の力を借りてだったっけ。


まあ何にせよ、常に魔力を吸われている状態だから魔力の回復には時間がかかる。

そんな大容量の魔力を削り取るクセに、記憶も持って行かれる。




それだけならまだいいかも知れない。

でもその魔力が足りない分の上乗せは記憶だけではなく、生命力も含まれてしまったのだ。

おかげで後少ししか生きることが出来ない。

まあこうして身を呈して人を守ってから死んでいくのだ。

どうせ残り少ない寿命だったからこそ、覚悟がついたと思いたい。





国内で、私は魔力量をそこそこの量を持っていた方なのに、一体どれだけ私の力を吸えば気が済むのだ。

クシャトリアという精霊は。





そしてその精霊との契約の最たると言っても良いデメリット。

それは記憶が入れ替わることがあるということ。



別の契約者がいたのだ。

クシャトリアはそんなこと一切言ってなかったのに。

私のように生命力を取られるまでではないものの、別の契約者も魔力の他に記憶を上乗せしてクシャトリアに吸われていた。

その記憶はあろう事か私の記憶と入り混じって、お互いの記憶を共有してしまった。






『オールシェア』

その時、それがクシャトリアの力なのだと知った。

長い期間それが続いた結果、気付けばお互いの身体を意識すらも行き来するようになっていた。





最初に私の意識が移った時、この身体の持ち主である別の契約者にはアスラという息子がいたのだ。

初めて身体が入れ替わったときは混乱した。

今までの自分の記憶と他人の記憶が入り乱れる。

当時4歳だった私の頭に他人の経験や知識が一気に入ってくる。

今までの自分というものを見失いそうになった。





その一瞬で様々な事を学び、その一瞬の間に色んな成長を遂げたのだ。

私の頭はオーバーヒート寸前だった。





でもそれで知ることができた。

私の中に流れ込んできた記憶の内容は、残酷なものだった。

別の契約者は、名をルースという。

この身体の持ち主。

目的はエアスリル王国の転覆。





この女は今は私の、10歳児の身体に意識を宿している。

今まで度々、不定期に入れ替わっていたけど今回の精霊祭が最後だ。





初めはアスラにどう接すれば良いのかわからなかった。

子供がいる。そのことに実感が沸かず、初めのうちは毛嫌いしていた。




ただ、見捨てられても努力をしている姿だけは、少しだけ愛おしく思えた。

その努力の姿勢は大切にして欲しいと思った。

不覚にも、そう思ってしまった。

本当に不本意だけど。





でも私には時間がないのだ。

記憶も共有したため、ルースと私の企みはお互いが知ってしまっている。

私にはルース程の魔力はないから、クシャトリアには魔力と記憶、さらには寿命を吸い取られる。

寿命は何故か身体から失うものではなく、あくまで記憶が宿っていると言われる魂から吸い取られている。

身体が入れ替わっても関係がないようだ。

私に残された時間も少ない。

この限られた時間とルースの記憶で、何とかアスラを守らなくては。





ルースの計画の記憶が共有できたのは精霊祭の直前だった。

頼りになるのは、ルースの身体にあるこの魔力と魔法と経験だけ。

そんなもので10年しか生きていない子供の私がどうこう出来る事ではないのは分かるが、それしか手はない。




アスラが屋敷を出るときに運良くルースの身体に私の意識があった。

私の記憶が城の私の身体にある時に使用人に頼んでギルドに預けさせた木箱。

それが私とアスラを今日引き合わせた。

木箱の中身はアスラを導く。

やがてすべてを知ることになるだろう。





国の危機を伝えることができる。

クシャトリアに会い、全てを知るのだ。




だからその時は――――――





剣で刺された胸が熱い。

血がなくなっていく。

冷や汗を掻き、身体が寒い。

なのに傷口が焼けるように熱い。




王都に来てしばらくしてから急に私の身体に意識が戻った時は驚いたけど、上手くいって良かった。

情に任せてアスラに恥ずかしいことも言ってしまったけど、これも気持ちを伝えられる最後の機会だと思う・・・・・・。






視界がぼやけてきて、やがて目の前は真っ黒になって、私はすべてを手放した。






―――――――逃げて、生きて。アスラ。






******








入国後、俺とガノシュタイン、シェフォードは1週間で国王の城に報告に上がった。

レオナルドとジュリアは王都の宿に待たせてある。

国王との話を聞かせるのは、もう少し期を見てからにしよう。





俺はガノシュタインとシェフォードと共に、謁見の間で玉座に歩み寄る。

3人で跪いて、報告をする。




「それで、今回の6年に渡るエアスリル王国の内政への干渉、上手くいったか?」




国王は座ったまま、私達を見下した形で口を開いた。

続いて俺が返事をする。




「恐れながら申し上げます。我々がネブリーナの身体を抑えるまでは、ルースの意識はルースの身体にありました。しかし途中でネブリーナの抵抗に会い、次に対面した時には既にルースの身体の中にはネブリーナがいました。ルースがラトヴィス国王の計画を聞き出すまでは計画が進んでいます。ただ、アスラが・・・・・・」




不定期に入れ替わる意識。

だが、実はそれにはある周期が存在する僅かな時間があった。

それに合わせて計画を進めたのに・・・・・・。


俺はそこで言い淀んでしまった。




「アスラとは、ルースの子か?」


「はっ、その時にはアスラが既にルースの身体を持ったネブリーナに接触してしまっていたのです」



それだけを俺が言うと、国王の顔はみるみるうちに険しくなっていった。

勢い良く立ち上がると、その場で俺達に罵声を浴びさせて見せた。




「なんたる失態!! では我が子(・ ・ ・)、ルースの身体は失われたと言うのか!!」


「はっ、申し訳ございません! しかしどうやったのかは分かりませんが、ネブリーナが『コロナの秘宝』をアスラに渡しておりまして・・・・・・」


「何だと!! クシャトリアの付与能力『オールシェア』を一時的に操作するという、あの・・・! ではルースはまだネブリーナの身体のままか・・・」


「その通りでございます。申し訳ありません」


「もうよい。ご苦労だった。そこの2人も・・・。ゆっくり休むがよい」


「「「はっ」」」




国王は疲れきってうんざりといった様子で眉間を押さえながら言う。

俺達は謁見の間から出た。

現在、こうなっている事の発端を思い浮かべる。





****





国王の提案から、俺とル―スは結婚した。

第3夫人だが気にしないと言ってくれた。

それは嬉しかったのだが、父親の言うことだからという理由なのだと思うと、無性に嫌気が差した。

だからなのか、俺もルースも息子には一切愛情を注がなかった。




それ以前、俺はこの国の姫であるルースの警護の仕事をしていた。

この国きっての魔力の持ち主だったルースは彼女が子供の頃に自らクシャトリアと契約していた。

そして後の絶対領域の魔女となる。

しかし、それは『オールシェア』を知らずにしたことであり、後になってネブリーナがクシャトリアと契約してから知ったことである。

途中からのルースの中身はネブリーナだったのだ。

屋敷に閉じ込めたくもなる。




『オールシェア』を知った時、俺はそのせいでルースはクシャトリアから手を引くと思っていた。

でもルースはその『オールシェア』をチャンスとばかりに利用し、父親である国王に計画を伝えると言い出したのだ。

国王は国王で、エアスリル王国への進軍を考えていた時期だった。

ルースの計画を俺の口から聞いた時、国王は迷っていた。

父親の手助けが出来ると嬉しそうに語るルースを思い浮かべたのだろう。





結果として、国王はルースの提案を受けた。



ルースがすると言うのなら、俺も加担する。

父親の意思は関係なく自分の意思で、第3夫人でも良い、と言ってもらうためだ。

俺はその事に溺れている。

そう分かっていても、どんな手段にでもすがり付いてしまう。

それが情けないことだということも、わかっている。




だが俺は決めたのだ。

ガノシュタインやシェフォード、ルースや解放軍メンバーとのただ一つの目的、エアスリル王国の転覆を目論む。




そして国王ザレイラス=レシデンシアと、この国レシデンシアに勝利を。







************









俺は王都の事件から1週間、ガラス球が放つ光の方向へただひたすら歩いた。

それ以外に何も目的がなかったからだ。

それしか出来ないとも言えるが・・・。





旅路の途中で出会う行商人から、食料と水分は可能な限り買っているが、何せ行商人とのエンカウント率が低い。

後1日ぐらい食料と水を入手できないと、俺は駄々をこねる。

おそらく後5日ぐらいで雑草を摂取し始めるだろう。

そうなる前に何とかしないと。





今は王都から東に歩き始めて、かなり距離を踏んできた。

霧○レイとの親密度もグイグイ上がると予想される長距離。

さすがは峠越えのバズーカだぜ。




そして俺のやる気を削ぐのが、この延々と広がって、一向に景色が変化しない草原。

遠くにうっすらと見える山には歩いても歩いても近付いている気がしない。

このままではキング・オブ・グラスランドの名を欲しいままにしてしまう。

主に俺の中でだけだが。




最初は靴越しに感じる草の感触や気化する汗が気持ちいいな、とか思って歩いていた。

でも多少の休憩を入れているとは言え、1週間も歩き続けていたら足が棒になる。

辛い。



今は国境付近まで来ている。

確か隣国の名前はレシデンシアだったと思う。

名前しか知らないが、確かそんな感じだったはず。

他国のことはよく分からないので、できれば国境を跨ぐ前に目的地に到着したいのだが・・・。






俺は草原で突如視界に入った小高い丘を目指した。

そこで休憩をしようと思う。

小高いと言っても、少し盛り上がっているだけだ。

丘の上に辿り着いて見ると、やはり見渡す限りの草原。




放牧とかしたら某アルプスの少女の気分が味わえそうだ。

そういやユ○ちゃんとか言うヤギがいたな。

美味そうな肉付きをしていた・・・・・おっと。

腹が減りすぎて日本人にあるまじき発想をしてしまった。


などと考えていると、ガラス球の調子がおかしい事に気付く。




「光を発していないだと?」




ガラス球は光線で方向を示すのを止め、ただのガラスの玉に戻ってしまった。



「もしかして、充電が切れたのか? なら俺の魔法で充電をっ!!」



俺はそんなありもしない事態を妄想しながら、必死に現実から目を背けた。

俺は馬鹿か?

一体これのどこが充電の切れたスマホに見える。

一昔前のガラパゴスでも充電切れはもうちょっと分かり易いわ。



「いや待てよ・・・」



俺はその小高い丘を下りて、来た道を少し戻る。




「ほ・・・。じゃないっ、思ったとおりだっ」



そこからは小高い丘に向かって光を指すガラス球があった。

充電切れではなかったのだ。

この丘が目的地なのだ。



俺はその事に安堵しかけて、その情けなさを振い落すために自分を鼓舞する。

充電切れとか言ったの、一体誰だ! 出て来いコラ!




何はともあれ、このガラス球のナビタイムは終了した。

回り込んで見てみると、この小高い丘の裏は洞窟の入口になっていた。



べ、別に混乱してて、そんな事の観察すら怠っていたわけじゃないしっ!

わかってたしっ! 最初から!



「ルースの言ってた洞窟か・・・?」




―――――とある洞窟へ案内してくれるわ。




そう言っていた。

そう言えばこの時のルースの口調が王都で会った時と違う。

記憶がなければ口調も変わるものなのかな。

まあいい。





俺は洞窟の入口と向かい合う。

中を覗き込むが、先が真っ暗で何も見えない。



ゴク・・・。




俺は固唾を飲んで、足を踏み入れる。

何が起こってもおかしくない。

ここはルースが示した最終地点なのだ。

ここに絶対何かがある。



大丈夫だ。

前世でヒッキーやってた時は昼夜問わずに部屋でパソコン画面と向き合っていただろ?

あの日光をカーテンに閉ざさせた、永遠にも思えた暗闇に比べたら、こんな洞窟・・・。

ちょちょいのちょいの、お茶の子さいさいのさいだ。





「さっきから何なんだお前。うるさいな」


「ッ!!!」



人間。

本当に驚いた時には、声を出すことも出来ずに尻餅をつくものなのだよ。

だから、こうして地面にしっかりと尻を固定している俺は何にも恥ずかしい事などないのだ。

むしろ人間の本来のあるべき姿とも言える。

そう、何も恥ずかしくないのだ。何も。




「お前、男のクセに尻餅なんかついて、恥ずかしいヤツだな」


「・・・・・・」


「ん、それは・・・『コロナの秘宝』・・・?」


「え?」




その洞窟から出てきた人影は太陽の逆光が眩しくてよく姿が見えないが、俺の手の中にあるガラス球を確かに『コロナの秘宝』と言った。











前書きの通り、変更したままの年齢で話を進めます。

アスラ6歳→10歳(ノクトア、ミレディもそれに伴い4歳年齢を引き上げました)

アスラの年齢を変更したのは十一話からです。

ネブリーナ8歳→10歳


以上を変更しました。

もし過去に投稿した話の中で、修正出来ていない箇所がございましたら、ご報告頂ければ、すぐなおします。


感想はすべて読ませて頂いています。

指摘を頂いた点の修正も即時行っています。

感想、指摘ともにありがとうございます。

ですが、仕事の都合で更新は3日に1度のペースがほとんどです。

そのため感想への返事が遅れてしまいますが、悪しからず。


感想は本当に嬉しいです。

指摘の嵐で萎えたのではありません(笑)

今後も指摘は絶えないでしょうが、これからもよろしくお願いします。

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