抗争ショッピング
(以下、VTR映像の様子)
通販番組ゲスト(以下、ゲスト)「本日は株式会社イタチさんにお邪魔しております!よろしくお願いいたします!」
イタチ担当者(以下、担当者)「よろしくお願いいたします。」
ゲスト「今回ご紹介するのは、こちらの『イタチ製最新超微粒子加湿器』です!これは今までの加湿器とはどこが違うのでしょう?」
担当者「はい、こちらは水蒸気の粒子を0.0000000001ナノ立方メートルまで縮小し、マッハの勢いで小学校の体育館並みの広さに潤いを届けることができます。」
ゲスト「凄すぎますね!今回はこちらを視聴者の皆様にお届けしていただけると?」
担当者「はい。皆様のご期待に沿うため今回は特別価格で提供いたします。」
ゲスト「特別価格で提供頂けるそうです!はたしてそのお値段は!?」
担当者「定価¥125,000のところ今回は¥100,000でご提供いたします。」
ゲスト「¥125,000が¥100,000とのことです。しかし!今回は『新年度新生活大大大応援スペシャル』ということで、イタチさん…新たなスタートを切る方々の為に…もっと頑張っていただけませんか…?」
担当者「我々イタチ、今回は物凄く頑張りました。こちらの超微粒子加湿器、イタチ60年の技術の結晶となります。今回は¥100,000での提供となります。」
ゲスト「いやいやいや!イタチさん!大大大応援スペシャルですよ!? 全国の新社会人や新生活を始める大学生さんたちの為にも、もっと手の届きやすい価格でなければ!」
担当者「お気持ち十分に理解いたします。しかし、こちらの超微粒子加湿器には世界初の最新式『ナノバブルバルブホースストロングノズルアクアエレクトロ弁』を搭載しております。こちらの部品は非常に高価格ですが、今回イタチ60年の信頼を武器に赤字ギリギリの値段で大量に入手し、入手した分の加湿器を生産いたしました。その為、¥100,000以下では語れない代物となっております。」
ゲスト「……なるほど、イタチさんの技術と信頼が詰まった代物であると…。ではこの60年の叡智を次世代を担う若い方々の為に、少しでもお値段を…」
担当者「¥100,000になります。」
ゲスト「なんでですか!テレビショッピングですよ!?大大大応援スペシャルですよ!? あと一つケタを減らすだけで、インパクトと好感度爆上がりですよ!」
担当者「ケタ一つで我々の60年は語れないんです!」
ゲスト「先週、紹介した他社の120インチ4K3Dテレビ、匂いと煙も出る仕様で¥440,000のところ¥200,000になりました。」
担当者「加湿器にテレビを引き合いにだされても困りますね~」
ゲスト「他社の方が懐が深いですね~24万の値下げとたった2万5千の値下げの差がもう…」
担当者「イタチは不動の業界ナンバー1です。技術も信頼も価値が高いです。」
ゲスト「それなら儲かってるんでしょうね~それなのにあとたった少しの値下げもダメ…器が小さいですね~」
担当者「さっき水を持ってくるのが遅いだけでマネージャーにキレてたあなたに言われたくないです~」
ゲスト「は(怒)? それ今関係無いでしょ?」
担当者「カメラ外では私に挨拶もしないし目も合わせない人の値下げ交渉には応じません~あなたはビジネスの世界では花粉以下です~」
ゲスト「私のSNSフォロワー50万人越えです~時代を彩っているのは私です~トレンドの世界ではマイナスイオンです~」
担当者「マイナスイオンならマネージャーやスタッフにそんな尊大な態度取りません~アンタどっちかといえばPM2.5でしょw」
ゲスト「ゴダゴダ言ってないでさっさと値段下げろや!」
担当者「あー手出した!痛い!痛い!目が痛いー!黄砂が来たー!」
ゲスト「ふざけたこと言ってんじゃねーぞ!金の亡者が!」
担当者「あー誹謗中傷だー!誹謗中傷されたー!開示だ開示だ!」
ゲスト「今のは批判だゴラ!!」
担当者「早く¥100,000で持ってけよこれ!」
ゲスト「¥50,000にしろよ!」
担当者「¥100,000!」
ゲスト「¥50,000!」
担当者「¥100,000!」
ゲスト「¥50,000!」
担当者「¥100,000!」
ゲスト「¥50,000!」
担当者「¥100,000!」
ゲスト「¥50,000!」
担当者「¥100,000!」
ゲスト「¥50,000!」
…………
(VTR終了後、スタジオにて)
通販番組の司会者(以下、司会者)「…えーーーーーっと…今回はこの加湿器を特別価格で提供頂いたと…。」
ゲスト(顔に絆創膏)「はい。今回は私頑張りまして、こちらの『イタチ製最新超微粒子加湿器』を特別な価格で提供していただけることになりました。」
司会者「とても頑張ってたね…。では、そのお値段は?」
ゲスト「こちらの加湿器、今回なんと・・・・・・・・・・¥300,000でのご提供になります!」
司会者「あー負けたんだ…。」
ー終ー




