28話 絶望の果てに…
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花粉が辛いですが、皆様は大丈夫ですか?
王都には犯罪者を閉じ込めておくバストラと呼ばれる大きな監獄があり、罪の軽い者は1階か2階あるいは3階に集団で入れられており、盗みなどを行った者は鞭打ち100回で解放されたりする。棒で50回叩かれる者もおり、失禁や糞を漏らす者も複数いるくらい痛いらしい。中にはそれで死ぬ者もいるが、そこまでの人間という扱いらしい。2度と同じ過ちを起こさない様にするために痛みで覚えさせるようだ。
4階層、5階層、6階層になってくると次元が変わってくる。囚人は個室に閉じ込められており、窓も何もない。少ない食事を1日に一度与えられるだけで、盗賊や人殺し、誘拐、強姦、詐欺などの凶悪な犯罪者が入れられており、死ぬまで閉じ込められている。このフロアは環境が厳しいので、すぐに死んで人が入れ替わる。苦しい環境で自分の犯した罪の重さを身をもって理解する仕組みだ。
そして最上階の7階には例外なく貴族など立場のある者や軍の重要人物が収容されており、待遇はよいが見せしめに処刑されることがある。その牢の一室に元王女直属騎士団団長サラが虚ろな目をして座っていた。見回りの兵士が時々牢の前にやってきて、王女直属騎士団は、現在副団長だったシアが団長に就任したとわざわざ言いにきた。
王国第一騎士団団長メリッサが勇者に敗れて死んで、ウェイン公国は滅び、アトラス王国はアスラーン帝国の軍門にくだったと馬鹿な見張りが教えてくれた。アトラス王国にも平和が訪れたと。これもすべて、公爵家ザイール様とその護衛のロー様のお陰だと言っていた。
貴様は、大事な王都の門を破壊し、公爵家ザイール様、いや新国王に歯向かった罪でそのうち処刑されるだろうと言っていた。このフロアには王子、王女、国王、王妃、宰相などそれ以外にも王族派の貴族が捕らえられており、毎日の様にギロチンで処刑されているらしい。バーバラやルビはどうなったんだろうか?
夜遅くに見回りの兵士が、手枷をはめられて、両足には重い鉄の重りをつけられた私の牢の中に入ってきた。もちろん私は起きており、目の前で私の服に触ってきた兵士に尋ねた。
「今すぐに死にたいのか?」
「はっ、今のお前に何が出来るって言うんだ。いいから服を脱いで裸を見せろ!」と言い胸を触りだした。目で威圧したら、すぐに倒れたので重りで頭を叩き潰した。開いていた牢から外へ出ると、別の見張りの兵士が数名おり、威圧するも1人しか効かず袋叩きにあい牢に再度ぶちこまれた。死体だけ回収してくれてよかった。兵士に「今すぐ殺されないだけ有り難いと思え!」と捨て台詞を言われた。
それからどれだけ日が過ぎただろうか?同じフロアの人間の数がかなり減った気がする。まさか、処刑されたのか?時間だけが無駄に過ぎていく。そんなある日、一人の兵士が明日あなたの処刑が実施されますので、覚悟しておいて下さいと言われた。牢に入れられてから、ろくな食事をとっていないので随分と痩せたし、いつの間にか髪が白くなっていた。
翌日、迎えにきた兵士に連れられて監獄の外にある時計台に連れていかれた。ここは、来たことがないが、どうやら王都の民が集まっていたので、特別な所ではないのだろう。ロックやラム達と来れば良かったな。見物客は、これから処刑される私を見にきている。当事者でなければ、娯楽気分というのが気に入らない。
処刑執行人がおり、その前にギロチンが用意されている。ここから助かる見込みはないだろう。処刑台に上がり、首を抑えつけられて木の輪っかにはめられた。
「最後に何か言いたい事はあるか?」
「あ~くたばれ!公爵家、ザイール!!」
私が言った途端に観客の民が拍手して、そうだそうだと言っている。兵が拍手した民衆を捕まえに動き出したので気をつけてほしい。その後斜めの形をした重い刃が私の首を斬り落とした。
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「サラ、サラ、目覚めなさい!あなたは2度すでに死にました。残念です。非常に残念です。今からパラレルワールドに移動して、あなたがサラの人生の分岐点を変えなさい。一応、自分には会わない様にしなさい。何が起こるかわからないからね。そして、過去を変えれば、進む未来も必ず変わります。サラには幸せになってもらいたかったのです。目つきが悪くても友達を作り、そして恋もするのではなかったのですか?さぁ、右手にはめた時空の腕輪を使い、過去をやり直すのです。あなたがサラをそして仲間を救うのです。さぁ、行きなさい!」
「もう疲れたけど、仕方ないわね。そうさせてもらうわ!まずは、どこに戻ろうかしら?」
時空の腕輪を神?からもらい、念じると移動したい私の0才から死ぬ15才までの年齢を細かく選択出来る。手始めに9歳の頃にした。場所は指定出来るから子爵領の領都にした。眩しい光に照らされて、目を開けると首と胴が繋がった状態の処刑直前のサラがいた。どうせなら元気な頃のサラがよかった。歩くだけでとても辛い。
髪がすべて白髪になり、肌だけが若く綺麗な事に違和感を感じる。アイテムボックスの中の食事しか取らなかったせいで、痩せこけて目つきが異常に際立つ。まわりを見渡すと昔過ごした記憶と繋がり懐かしく感じた。ひとまず休める宿屋に移動する事にした。正直な所、体に力が入らないので早く休みたい。何とか宿屋にたどり着き、お金を払ってから部屋で休んだ。
部屋の鍵を閉めて、泥のように眠り、目が覚めたのは翌日の夕方であった。とても体がだるく、アイテムボックスから保存食を取り出してかじり、今後の動きについて考えた。まずは、体調を整えるところからだ。
1階に降りると、宿屋の女将から声をかけられて夕食をかるく頂いた。白髪なので、私の事を最初老婆と思っていたのかもしれない。女将が目を丸くして、私を二度見していたので面白かった。その後、部屋に戻りクレイモアとバスターソードとみかわしの服を取り出した。部屋でトレーニングを繰り返して、1週間が過ぎた頃にはある程度調子を戻した。まだ何となくおかしい気がするが…。
「さて、C級盗賊団でも肩慣らしに討伐してくるかな。」
独り言を言いつつ、領都から北東に歩いて進み、2日後に小さい集落に到着した。馬に乗らなかったのは、運動不足の解消のためだ。ずっと牢の中だったからな。ここは、昔盗賊に滅ぼされた集落であり、討伐の際に私の実家の子爵軍も大きな被害を受けている。盗賊がくる前に私が先に来て待ち構えてやろう。そろそろ来るかな?
集落の人にお願いして民家に泊めさせてもらっている。お人好しの人が多く、ずっと住んでくれてもいいと言ってくれた。まったく、他人に優しすぎるよ。子供も数こそ少ないが、未来を作るという意味では宝である。子供が木で作った手作りのおもちゃを見せてくれた。過去の私が助けられなかった命を必ず助けると誓った。
2日後の昼過ぎに外で子供達と遊んでいると馬の走る大きな音が聞こえたので、子供達には家に戻るように伝えた。急いで集落の入口付近を目指した。前方数百メートル先にこちらに向かってくる集団が見える。数分後、すぐ目の前までやって来た。
「なんだ貴様は〜、お前ら!殺せ、奪え!」
「馬鹿はわかりやすくていいな。」
念の為、身体強化発動。スラッシュを放った。叫んでいた男が丁度縦に二分割できた。かなり上手く斬れたな。その後、スラッシュを連発して、残り3人まで数を減らした。私より後ろには進ませない。正直なところ雑魚すぎてつまらない。
「ばっ、化物だ〜」と言い逃げ出した盗賊もスラッシュ一撃で首がとんだ。目の前に残った一人が親玉だろう。以前、私が倒したリーチが伸びる攻撃をしてきた奴だ。たぶん。
「チクショー、やりやがったな!死にやがれ!」
振り下ろされた剣は、やはりリーチが伸びてみかわしの服を少し掠めた。私は、盗賊に対して敬意をもってカウンターからの一刀両断で斬り殺した。その後、金目の物、死体を回収して集落には迷惑もかけたのでお金を少し置いてきた。
子爵領に戻り、冒険者ギルドで盗賊を始末したと伝えた。死体を引き渡すと指名手配中の盗賊ということで金貨500枚頂いた。受付嬢やギルマスがとても驚いていた。仮にも個人でB級冒険者だからね。そして、王女直属騎士団団長だからね。王国でもトップクラスの実力だよ。それにしても調子が全盛期の7割位な感じがする。一度、弱った体を治すにはしばらくかかりそうだ。
読んで頂きありがとうございます。
厳しい展開が続きましたが、サラの逆襲に
期待下さい。ちなみにストックなしです。
明日も仕事で頑張るです。そして寝る。




