21話 ウェイン公国に軍を率いて向かうぞ!
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今日も風が強かった…いい日ある?
システィアの騎士になってから、私は子爵邸を離れて現在は王宮の離れに住んでいる。王女の行動に合わせて動くが、それ以外は自由に訓練などしている。私は部下を400名ほど預かっていて、王女直属騎士団団長としての肩書をもつ。
王国第二騎士団がウェイン公国に派兵されてから、既に2週間経つが戦況は芳しくなく、籠城戦が続いているらしい。アトラス王国がさらに援軍を出すか検討しているという噂を聞いた。特にウェイン公国の首都以外の周辺の町や村では、アスラーン帝国の略奪や蹂躙が今も行われているらしい。ウェイン公国が滅べば、次はアトラス王国が狙われるので、何とかしなくてはいけない。
王の間にて、大貴族達による激論がなされている。王女の護衛として後ろについているが、結論が出ないで時間だけが過ぎていく。何が問題なのか?どうすればよい?
「王国第一騎士団を派兵すべきでは?」
「王国の切り札をきるのか?」
「王国第三騎士団は蛮族の激しい侵略に手一杯だそうだ。」
「教会騎士団は動かせないのか?」
「ウェイン公国が滅べば、アトラス王国一国で帝国の侵略を防ぐことは出来ない。」
「…」
不毛な議論が続いているが、王女システィアが話し始めて場が静かになった。
「副団長のシアを私の護衛に残して、団長のサラが団員400名を率いて遊撃として向かわせるのはどうかしら?敵軍の背後からの牽制になるし、危険ならすぐに撤退させるわ。実際にウェイン公国の様子を目で見て、確認してもらう目的かしら。」
結局、それ以外の案がまとまらず国王と宰相の最終判断で王女直属騎士団が向かう事になった。副団長シアも連れていく事になり、代わりに私の友人であるルビとバーバラが王女の護衛についた。2人は騎士団に配属されていない。
「出陣!」
翌日、私は大きな声を上げて王都を出発した。期間は、およそ2週間で戻ってくる予定だ。2日もあればウェイン公国に入れるので、ひたすら西に進み近くの町や集落から確認するつもりだ。頼りになる副団長のシアがいるので、基本的には軍の指揮を任せている。というか私よりはるかに指揮は上手い。
シアは、元は王国第一騎士団の四席にいた強者であり、私を支えるために側近につけられた。軍には5年くらい所属しているらしい。他に選ばれた兵士も第二、第三などから選ばれているが、中には一般兵から這い上がってきている者もいるそうだ。ちなみに私にアイテムボックスがあるため、リスクは高いが全員が馬に乗り軽装で大移動である。とても移動が早く、そして400名が走れば大地が大きく揺れて、個人的には先頭を走り楽しかった。
「シア、ここから一番近いところはどこかしら?まず、そこから確認するわよ。」
3日目に入り、国境を越えてすぐの所にある集落にたどり着いた。何名か兵士を送り確認したが、戦争が起こる前と変わらず平和であった。アトラス王国の軍が通過した事は知っていたらしく、遠くで戦争があるのだろう位は知っているようだった。ここからは、効率の為、兵を2つに分けて進めようか。途中で合流しよう。
団長の私、副団長のシアで半分に分けた。集落から私は南西に向かっている。南西側には首都があり、実際に戦争があるので、危険な方を私が選んだ。可能ならちょっかいをかけるつもりだ。シアは真っ直ぐに進み、ウェイン公国の端で合流して、北に進み帝国側を通りアトラス王国に戻ってくる。
シアには盗賊や帝国兵の討伐、危険なら引き返して王国に先に戻っても良いと伝えた。5日後に合流して、1週間かけて戻る予定だ。ないとは思うが、帝国の援軍にぶつかる可能性も少しあるが大丈夫だろう。フラグとか立ってないよね?
シア達と別れてひたすら南西に向かう。途中に集落や村があれば兵を班単位20名で向かわせている。私は先に進み比較的大きな町に着いた所で、外で陣をはり町の中に兵を向かわせて安全を確認させている。現在は、60名ほどが町の外におり、食事やテントの準備をしている。もちろん部下がすべてやっており、私は自分の着替えを終えたところだ。
アイテムボックスから備品を渡しており、報告を待っている。A 〜Gの班が出払っており、そろそろ戻る頃である。王女直属騎士団4席のミレイが確認をしてくれている。ちなみに3席のラルフは、シアの隊にいる。
「サラ様、C班以外は戻り安全が確認出来ました。ここから3時間程戻る事になりますが、確認に行かせましょうか?」
「明日の朝までに戻らなければ、日の出と共に私が数名で確認に行くわ。ミレイは、残りの軍を率いて先に進みなさない。危険ならすぐに王国に引き返すこと。いいわね?」
「…承知しました。サラ様、実はC班には素行の悪い成り上がりの兵が数名混ざっておりました。どうかお気をつけ下さい。」
翌日になってもC班が戻らない為、5名で向かう事になった。ないとは信じたいが、不測の事態が起きており、死んでいるとか?一抹の不安を感じつつ、C班に割り当てた村に近づいてきたが、煙がいくつか上がっており、悪い予感がまさにあたりそうだ。馬から降りて、歩いて中に入りすぐに違和感を感じた。
首と胴の離れた老人の死体、子供の死体が道端に転がっていた。近くの建物の中を兵士に確認させて荒らされていることがわかった。中央まで行くと私の軍の兵士が複数倒れており、ズタズタに切り裂かれていた。状況がわからないが、帝国軍の仕業か?
奥に進むと大きな建物の入口に私の軍の兵士が2人おり、こちらを見て一瞬驚いた顔をした。
「団長、こんなところで何を?先に進まれたはずでは?」
「お前達何をしている?そこをどけ?」
扉を開けて中に入ると、一人の兵士が紐で縛られ、裸にされた男女に対して、ナイフを投げて人間ダーツをしていた。裸にされた人の中には私の軍の女兵士もいる。こちらに気づいた大柄の男が笑顔で近づいてきた。
「団長〜待ってました。一緒に面白いダーツをやりませんか?コイツらは、村人と同じで班長の私の命令を聞かない愚かな兵士達です。早く殺しましょう。さぁ、さぁ。」
こいつの仲間は入口の所にいた2人と奥に隠れている奴、目の前の男の4人だろう。13名が先ほどの所で殺されていた。捕らわれている人が、目の前に5人いる。
「わかった。ナイフを貸しなさい。」
手渡されたナイフを奥に隠れている奴の頭に投げつけた。どかんと人が倒れた音がした。たぶん、死んだな。
「どこ狙ってるんだ、このクソアマが~!」
横の大柄な男が鉈を私にむかって振り下ろした。後ろに半歩下がりかわした。
「死ぬ前に言いたい事があれば聞いてやるぞ?」
「元々、気に入らなかったんだ。女が団長なんてな。死にやがれ!くそが!」
「遺言にしては汚い言葉だ!死ぬのはお前だ。」
スキル一刀両断を使い、目の前の大柄な男が縦に半分に斬れた。汚いゴミが増えてしまった。外にいた2人はわたしについてきた4人に既に殺されていた。理由は襲いかかってきたらしい。中にいる5人を助けてから、村の片付けをやる事になった。
村長と村の若い女性、兵士が3名助かり、残りは死亡していた。C班が村に着いてから、村人を攻撃すると言い出した班長と意見が割れた兵士がどうやら殺されたようだ。助かった兵士3名と村人、幾人かの兵士を王都へ向かうように指示した。ウェイン公国に責任を追及されても仕方ない案件だ。これは下手をすれば私の首までとぶ可能性が出てきた。
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