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1話 転生したら知らない国の貴族令嬢だった

週1投稿して7話を目指します。

リワードのイベントに参加します。

都内某所にて派遣社員として日々事務作業に精を出している掛井さらは、仕事だけを生き甲斐とする世間でいうところのいわゆる喪女であった。普段から地味な眼鏡をかけており、自宅から職場までの移動の際には、なるべく顔を隠すようにマスクや帽子までつけている用心さだ。知らない人に話しかけられるとろくなことがないとこれまでの経験から知っているからだ。


マスクや眼鏡、帽子をつけているので、見る人がみれば、これから悪いことを始めます、あるいはしてきた後といわんばかりの怪しい見た目である。そんなことしないけど。目立たない為に、目つきが悪いのを隠しているだけです。人畜無害です。信じて下さい。


生まれた時から、ひとたび他人と目が合えば相手を威圧し怯ませる鋭い目つきをしていた。これは遺伝であり、両親の悪い所だけを受け継いでしまい、父親の目つきの鋭さ、母親の優れた知性と無駄口をたたかない性格が色濃く受け継がれた様だ。


気でも強ければ何とかなったのかもしれない。父親も目つきが鋭く、学生の時には歩いているだけで絡まれたり、「睨んでんじゃねぇ」と言われ不良に殴られた事もあったらしい。その後、報復したらしいが…。「前歯が実は差し歯なんだ。」と笑いながら言っていた父親が思い出される。


まったく笑い事ではない。父親も割と温厚な性格なので、本当に損ばかりしたらしい。やられたらやり返すことが我が家の教訓になっており、それは恩でも復讐でもだ。私の事を影で女ヤクザとか組のナンバー2とか変なあだ名で呼ばれていたのも知っている。悪口言うやつは、地獄に落ちろといつも思っていた。死んだ後の地獄なんてものはないんだろうけど。今が地獄だよ。


私も目つきのせいか仲良く話せる友達もおらず、勇気を出して仮に話しかけても逃げられてしまう。そのせいか次第に下を向いて歩く様になってしまった。「私の性格が明るければ、何とかなったのかもしれない」と何度も思うが、一度定着した性格はなかなか変わるものではない。というか無理。おそらく性格も遺伝だろうと思う。いや、努力が足りなかったかもしれない。これはもうミステリーである。


目つき以外は普通の見た目をしており、この普通というのがみそで、おそらくいいんだろうと思われる。夜、高校の剣道部の帰りに一人で歩いていれば、スケベそうな中年親父に声をかけられ、「3万でどう?」である。「何がどうなんだ。」と思う。竹刀でどつくぞ。どうやらこの世には、私の目つきの鋭さが通用しない相手もいるらしい。


仮にも現役の女子高生なわけで、処女で犯罪なわけよ。睨み付けて追い返したが、「10万なら…」と少しだけお金に心が揺れてしまった。ダメダメ。高校を卒業したあたりでは、体目当てでナンパされる事もあったが、すべてお断りである。この時には学生時代の様々なトラウマから他人を信用できなくなってしまった。


別の日には家電量販店からの帰りに歩道を歩いていると急に黒い車が私の横に止まり、窓を開けて中年の知らない親父が話しかけてきた。


「この時計あげるから遊びに行かない?」

見せられた時計は、異常なまでにピカピカ光っていたが、ただより高いものはないよね?私の何がほしいの?はっきりと言いなさいよ。本当は時計なんてくれるつもりはないでしょ?餌でつられると思うな。


「お気持ちだけで結構です。失礼します。」と言い足早に逃げる事にした。どうして私に知らない人が話しかけてくるの。私は友達がほしいのよ!そして信頼出来る恋人がほしいの。


まぁ、学生時代はそれでも何とかなりましたが、ここから先ですよね。とても厳しかったです。コミュ障がやっていけるほど社会は甘くはありませんでした。結局、何とか就職できたのが派遣社員である。新卒にも関わらず、派遣とは少し悲しい。雇う側も下を向いていて、ろくに口を聞けない目を合わせない子だからお互いに悲しいのかもしれないが…。お互いの利害は一致していた。「ありがとう、私を採用してくれて」と前向きに思う事にした。


派遣先は大手の有名な会社だったらしく、自動ドアの先の受付には綺麗どころが待ち構えていた。派遣元の先輩と共にいくつかあるブースに案内されて、いかにも仕事出来ます風な人から色々と仕事の話を聞いた。翌日から一人で寂しく作業になったが、単純作業なので黙々とこなすことが出来た。成果物はサーバーにアップして、確認して下さいとメールを送るだけだ。電話応対などはない。あれば地獄です。


簡単なプログラムを組んだ時でも、リリース作業は月に1回程度なので困る事はなかった。困る事としては、派遣先つまり私の所属する会社の取引先の社員達で、髪の毛は横を刈上げており、おしゃれなボタンをつけている。仕事が出来るがつがつの肉食系の人達なので、地味な私でもストライクゾーンは広いらしく、とりあえず若ければ食っとくか的な感じで、食事に誘われる事が多くあった。どう見てもあなた妻子がいるでしょ。2人でご飯食べて何を話すのよ?


休憩中に聞こえたのは、受付の女の子の体が良かったとか、誰々はアバズレでよくないとか不倫の話などを男性陣はしていた。普段は可愛いけど、イキ顔がブスとか、しまりが悪いとか、胸が小さい、腰が弱いとか色々である。声がな〜五月蝿いとか、俺が夏の間に彼女の胸を揉みまくってペチャパイを膨らませてやると大きな声で言っている人もいた。そんな風船みたいに簡単にふくらみません。男同士の会話はとにかく下品であった。肉食系の連中にとって不倫はばれなければ問題ないらしい。罪の意識はまったくない。ばれても気にしなさそうだ。そんな話の一時のネタにされたくないので、すべてお断りです。ふざけろよ!


魅力的な男性と仲良くなりたいが、不誠実な人間はお断りである。お前らの経験値アップの足しになるつもりはない。長期的にみて私が損すると思うからである。女性たちもそれに近い話はしているが、男のそれには及ばない。それとも人類の種の存続の為に必要な話なのか?誰とでも寝るのがいい事なのか?そして、子供だけ作られて面倒は女が見ろと言うの?少なくとも私はお断りです。そういえば政治家もよく不倫している。子作りなら猿でも出来るのに。猿だって子育てするか。猿に失礼でした。私の気持ちが混沌としてきた。


そんな感じで多少我慢しつつ、大きな変化もなく、健康に1年が過ぎて仕事にも慣れてきた頃である。いつもの様にお昼休みに外のコンビニにお昼を買いにビルから出たところ、大型トラックにひかれてしまった。強い衝撃を体に受けて、視界がぐるぐると回転して地面に叩きつけられた後からの記憶がない。


はっと、目を覚ますと前世の記憶と後でわかったけど鋭い目つきを引き継いだ状態で、貴族家の令嬢サラとして生まれ変わっていた。両親と思われる人達から、何度もサラと呼ばれていたので、間違いない。0歳からのスタートである。勘弁して下さい。両親は、前世の私と同じ位の年齢である。色々と疲れたので、もう一度寝ます。


目が覚めても当然0歳であり、考えても仕方ないと思い、今度こそ何とかして、お友達を作り楽しい生活を送りたいと思い、今から色々と挑戦出来る事はないか考える事にしました。私は少しづつ変えられると信じています。今度こそあきらめないぞ。よーし友達作るぞ!


お久しぶりです。よろしくお願いいたします。

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