文字列から零れ落ちる命の暗号
UAA
私で打ち止め
私の終わり
UAG
君で打ち止め
君の終わり
AUAUGGCCAUUUAAACAUGGGUGUCGGCGCGCCCAGAACGUAGCACGAGAUCAAAUACUCCUUCUGCUAATG
イソロイシントリプトファンプロリンフェニルアラニンリシンヒスチジングリシンシステインアルギニンアルギニンアラニングルタミンアスパラギンバリンアラニンアルギニンアスパラギンサングルタミンイソロイシンロイシンロイシンロイシンメチオニン
三つの塩基からなるトリプレット
私を構成する暗号
頭の「A」をとってみる
するとそれは 今までとは全く違った私の暗号になる
UAUGGCCAUUUAAACAUGGGUGUCGGCGCGCCCAGAACGUAG
チロシングリシンヒスチジンロイシンアスパラギンメチオニングリシンバリングリシンアラニンプロリンアルギニントレオニン終止
たったひとつの欠落が 私の意味を変えてしまう
たったひとつの欠損が 私の存在を消してしまう
だから私は 君の存在でこの欠落を埋めようとする
君の細い脚に歯を立て啜る
紅い流れとともに あふれ出す君の暗号
AUAU GGCCAUUUAAACAUGGGU
A
U
G
U
A
UAG A U C UG
心はとても深いことろにありすぎて 誰ものぞき見ることができないけれど
A G UA G G
心臓はそれよりもずっと浅いところにあって A
AA G
だからこそ こうやって重なり合えば U
C
私は君の左胸の振動を この右胸に感じることができる
A
君は私の左胸の鼓動を その右胸に感じることが できる?
U
心臓が命を送り出す 生の血が体を廻る
重なり合った心臓が不連続な鎖を繋ぐ
G
君の暗号ATGCATCGGCATCATACG
私の暗号TACGTAGCCGTAGTATGC A
君と私 C
相補的な一本鎖 T
二つの命の暗号 G
二本の鎖が絡み合う A
T
そして生まれる二重螺旋
ATGCATCGGCATCATACGT
TAGCTAGCCGTAGTATGCA
T
G
ここから生まれる A
T
G