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トレンドにのろう FXの本

作者: 短期決戦

FXとは、欲望と恐怖が交錯する戦場である。ひとたび足を踏み入れれば、そこには祝福と絶望が交互に訪れる。そして、勝ち組と負け組という二極の世界が、日々、値動きの中で生まれては消えていく。


この物語は、かつてFXで2000万円という大金を失った一人の男「短期決戦」の実体験をもとに、トレンドという概念に出会うまでの苦悩と葛藤、そして転機を描いたものである。


本書には、単なる投資のテクニックだけではなく、人間がもつ「喜怒哀楽」という感情の揺らぎが丁寧に織り込まれている。人生そのものが、トレンドであり、そしてまた、私たちもその波の中で泳ぐ存在なのだと気づかせてくれる。


読者諸氏が、この物語を通じて、自らの「波」と向き合い、新たな視座を得られることを願って。

【プロローグ】


チャートの前で、僕は無力だった。

パソコンの画面には赤いローソク足が並び、資産を削り取っていく。

「まただ……」


短期決戦──それが僕のトレーダーネームだった。

名前とは裏腹に、相場に振り回され続けた数年間。

そして、今日、ついに累計の損失は二千万円を超えた。


FXは、知っているようで知らない世界だ。努力も勉強も、値動きの前では簡単に裏切られる。

そんな世界で、僕は勝とうとしていた。でも、勝てなかった。


だが──ある日、僕は気づいた。「トレンドにのろう」という、あまりにシンプルで核心を突いた考え方に。


これは、その気づきと再生の記録であり、感情と共に歩んだ僕の物語である。


【第1章 怒:刈られる日々】


2021年、ビットコインは急騰していた。

SNSは熱狂の嵐、インフルエンサーたちが口を揃えて「BTC、1000万円行くぞ!」と煽っていた。


僕もその熱にやられていた。「今乗らなきゃ、一生後悔する」と、自分に言い聞かせていた。


ロング、ロング、ロング……。


結果、700万円の損失。

ポジションを持てば逆行し、ナンピンすればさらに逆行。

損切りして安堵した次の瞬間、思っていた方向へ急反転。


怒りで手が震えた。相場が、僕を弄んでいるようにしか思えなかった。


だが、冷静になって振り返れば、全てのエントリーがトレンドに逆らっていた。下降トレンドにロング、上昇トレンドにショート。


相場は、僕の感情を知っているのか?──そんな風に感じていた。


SNSを開けば、勝っている報告ばかりが目に入る。

「朝起きたら+50万でした」「ビットコイン、また上がった!勝つだけの簡単なお仕事」


勝っている人間の言葉ほど、心をえぐるものはない。


僕の怒りは、相場ではなく、自分自身に向いていた。

わかっていたのに、同じことを繰り返す自分に。


なぜ、学ばないのか?なぜ、熱くなってしまうのか?


「くそっ……!」


机を殴った拳が痛かった。

それでも、損失の痛みに比べれば、ずっとマシだった。


【第2章 哀:底の底】


700万円の損失を機に、僕は引きこもった。

家族とも口をきかず、カーテンも開けず、時計の針の音だけが響いていた。


部屋の空気は淀み、食事もろくに摂らなかった。


口座残高は100万円を切っていた。

「これが無くなったら終わり」

そう思いながらも、再びチャートを開く自分がいた。


中毒のようだった。勝つことより、エントリーすることが目的になっていた。


「もう一度だけ……今度こそ」

何度も何度も、同じことを繰り返してきた。

でも、今度こそは──そんな言葉、信じる価値もない。


SNSを見ると、フォロワー数万のトレーダーたちが利益報告をしている。

「今日の利確、+80万!BTC最高!笑」


笑えなかった。

僕は損して、彼らは勝っている。

同じ相場にいるはずなのに、まるで別の世界。


友人にすら話せなかった。

「投資って、もうかった?」と聞かれるたびに、曖昧に笑うだけだった。


「まあ、ボチボチね」


そんな嘘を、何度ついただろう。


涙が出た。

悔しいというより、ただ、自分が惨めだった。

なにも信じられなかった。自分すらも。


夜が来るたびに、自分が消えてしまえばいいと思った。

でも、それでも、どこかで「やり直せるんじゃないか」と思っていた。


【第3章 喜:気づきの瞬間】


ある日、何気なく読んだブログ記事に、こんな言葉があった。


「相場とは川の流れのようなもの。無理に逆らえば溺れる。乗れば、楽に運ばれる。」


雷に打たれたような衝撃だった。


僕は、ずっと川に逆らって泳いでいたんだ。

勝てるはずがなかった。


次の日から、僕は過去のチャートを遡り、トレンドの形を研究した。

移動平均線の角度、MACDのクロス、ローソク足の連続性、出来高の変化。


全てが、トレンドを語っていた。

トレンドとは、生き物だ。息をして、うねりを持ち、向かう方向に力がある。


そう気づいた瞬間、世界が変わった。

チャートが語りかけてくるように見えた。


「ようやく、お前も気づいたか」


そう言われた気がして、笑ってしまった。


僕は手帳に書いた。

「トレンドにのろう」


この言葉を、朝起きたら必ず見るようにした。


それからの日々は、静かな熱狂だった。

トレンドを見つけ、乗るタイミングを待つ。

チャートの動きが、まるで音楽のように美しく感じられた。


勝ち負けよりも、正しい位置で乗れることが嬉しかった。

勝ち筋の中で、自分が泳いでいるという実感が、何よりの報酬だった。


【第4章 楽:トレンドにのる日々】


そして、僕はルールを作った。

「トレンドに逆らわない」「エントリーは押し目・戻り目で」「損切りは機械的に」


この単純なルールだけで、損失は激減した。

いや、むしろ勝てるようになっていった。


例えば、2023年のドル円上昇トレンド。

日銀の介入が入ると騒がれていた中、僕はじっと押し目を待った。


「ここだ」


押し目からロング、3回利確。合計で+120万。


あの時の喜びは、忘れられない。

勝ったことも嬉しかったが、それ以上に「正しくトレンドに乗れた」ことが嬉しかった。


相場が、自分を試しているように感じることもあった。

「本当にルール守れるか?」と。

でも、守れたとき、自分を少し好きになれた。


そして気づいた。トレンドは、FXだけじゃない。


SNSでの発信も、話題の商品も、全て「トレンド」の中にある。

人の心が集まる方向、それがトレンドなのだ。


インフルエンサーと呼ばれる人々も、トレンドを読み、トレンドを作っている。


僕は、ようやくその世界に足を踏み入れたのかもしれない。


今は、Twitterで小さな発信をしている。

気づいたこと、感じたこと、相場の中での学びを淡々と。


少しずつフォロワーが増えていく。

「あなたの言葉、心に響きました」

そんなDMが来たとき、泣きそうになった。


自分の失敗が、誰かの救いになる。

それも、また、トレンドの一部なのだろう。


【第5章 トレンドの正体】


トレンドには、始まりがあり、終わりがある。

永遠に続く上昇も、永久に落ち続ける下落も存在しない。


だからこそ、流れを読む力が必要だ。


トレンドの初動、押し目、加速、ピーク、そして反転。


これは相場だけでなく、人間の感情にも当てはまる。

怒りが膨らみ、悲しみに変わり、気づきを得て、喜び、そして笑う。


人生そのものがトレンドでできている。


過去の失敗も、怒りも、涙も、すべてはこの流れの中で必要な出来事だった。


そして、僕はこのトレンドを愛おしく思っている。


自分の物語の中に、ちゃんと意味があったと知ったから。


【エピローグ】


今、僕は穏やかにチャートを見ている。

ポジションは持っていない。

でも、チャンスが来たら、ためらいなく乗るつもりだ。


なぜなら、僕はもう知っているから。


トレンドに逆らわず、トレンドに乗れば、世界は優しい。


そして、人生もまた──トレンドの連続なのだ。


トレンドにのろう。それが、僕の生き方。


終わり。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


この物語は、著者「短期決戦」の実体験と内面の旅をもとに構成されています。FXという舞台はきっかけに過ぎず、根底にあるテーマは「流れに乗ることの重要性」と、それを無視したときに訪れる“喜怒哀楽”の波でした。


勝ちたい、取り返したい、あきらめたくない――その思いが空回りし、トレンドに逆らい続けて大きな損失を出した経験は、痛みとともに、貴重な学びとして心に刻まれました。


しかし「トレンドにのろう」というシンプルな考えに出会ったことで、世界の見え方が変わり、少しずつ、人生にも希望の光が差してきました。


投資の世界だけでなく、私たちの人生、ビジネス、人間関係、すべてにおいて「今の流れ」を読み取り、それに乗ることが、成功と心の安定に繋がるのかもしれません。


読者の皆さんが、それぞれのトレンドを見つけ、乗りこなしていく一助となれば幸いです。


ありがとうございました。


短期決戦


chatGPT使用!

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