【プロットタイプ】絶対に忘れないでね
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
就活の恨みつ辛みぶちまけ小説です。
でも、あの時のことがあったから、前より少しだけ強い輩になりました。
仲が良かった子達に置いていかれ、忘れ去られる恐怖というのは、私も味わった事がある。
丁度就活真っ盛りの時、周り皆が軒並み内定取って、私だけ取れなかった。『おめでとう』そんな会話を、涙を堪えて明るく返した。どれだけ頑張っても、面接の練習をしても、音沙汰もなく見過ごされた。
其れから月日は流れて秋になっていた。
何も知らない子が、私に向かって言った一言。
「え、まだ内定取れてないの? やばいじゃん」
その子は内定が取れていて、もうあとは卒業を待つだけの子だった。私の苦しみを知るはずもない子だった。だから、堪えきれずに叫んでしまったのだ。
「そんな無神経に言わないでよ!!」
その事は今でも分かっている。八つ当たりだったって。
「ごめん。今のは言い過ぎた。其れにただの八つ当たり」
何をやっても駄目。音沙汰さえ貰えない。そんな日々に嫌気が差して、私は信頼している無口な友人に声を掛けた。
「勝者は勝ち誇って良いんだよ。傲慢に、敗者を踏み躙る様に、高笑いでもしてれば良いんだよ」
勝利したのだから。その権利がある。此方がどれだけ苦渋を飲まされようが、羨ましかろうが、そんなのは勝者にとって何の関係もない事なのだ。
それだけの努力をして勝ち得たものなのだから、敗者である私が妬みを浴びせ掛けて良い訳がない。
「敗者が最もしてはいけないのは、勝者の栄光を穢すことだ」
私が言いたかった事を、彼はサラリと言ってのけた。
そう。その通り。どれだけ苦しくても、悔しくても、勝者の足を引っ張る訳にはいかない。敗者は敗者らしく、負け犬の遠吠えでも上げていれば良い。
でも……でもね。そうやって勝ち続けた結果、私の事なんてきっと忘れてしまうのだろうと思ったの。名前さえ思い出せなくなっていった小学生のクラスメイトの様に、存在まで亡くなってしまうと思ったの。
「……何があっても……私の事は忘れないでね……。どんなステージに居ても、何をしても……忘れないでね……」
其れがきっと辛かった本心なのだ。内定どうのとか以前の、恐怖だったのだ。
「誰が忘れるか」
視界が歪む。ボヤけて見えない。
私が書いた小説を読み終わった後、瑠衣が唸り声を上げた。
「忘れられる事こそが、本当の死だろうが。お前が何度も味わってきた死だろうが」
「……っ……ぐっ……ぅ……」
分かってるよ。忘れられない限り、人は死なないって。何処かで生きてるって。ずっとそう思ってるよ。だから瑠衣の肉体が亡くなっても、私は貴方を生かし続けるよ。
鏡花は感情移入しながら書くので、たまに泣きます。
感情移入の結果です。
でも諦めかなったから今がある訳で、そうした意味では鏡花も私もつえー女です。
※ここぞとばかりにドヤる。
そんな執念と強さは、瑠衣が敬意を示して、結婚する時の挨拶に使うぐらいには。
私、何時も一緒に居る面子の中で、最後に内定取ったんですよ。
私よりも大人しい子も沢山いました。
その子もサラッと内定取りました。
話、上手くやったはずなのに、全然上手くいかない。
お祈り通知も来ない。
そんな中でも周りに気を使わせない為に、あえて相手が受かった企業の話をし続けたのは、私の強さです。誇りです。
負けた私が勝った相手に気を使わせるのは癪に障る。
勝者はただ勝ち誇って笑っていれば良いんですよ。
それだけの事をして勝ち得たんだから。
敗者は敗者らしく、惨めに戦えば良いんですよ。
まだその境地に立ってないだけの話なんだから。
※この人生観、他の小説でもきっと出てきます。
この誇りを穢すのは、例え私であっても許しません。
でも就活受からなくて将来怖いのと同じくらい怖かったのは、周りに忘れられることでした。
仲良かった子が、
『昔仲良かった子のさー、名前思い出せないけどー』
って新しく仲良くなった子に話していたら、死んだも同然です。
全ての人が私を忘れてしまったら、それはもう、存在しないのと同じじゃないんですか?
そう思うから、瑠衣も鏡花も誰かの記憶に刻む為にものを書くんです。
私の子供のようなものなので、そこはちゃんと受け継いでます。
変わっていくのは当たり前。
私がいた場所に誰かが入り込む事もあるでしょう。
それもしょうがないかな。
って話がしたかったのですが、また今度になりそうです。
あと触られるのは苦手です。