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5-10(逆転)

 だが2戦目は、戦う前から勝敗が見えていた。もうすぐ停泊というネロウェンの足を止めようにも、こちらには小型の投石機しかない。しかも固定式だから、狙われたら終わりだ。相手も少しは痛手を負ったが、まだまだ球も弓もある。

 降ってくる弓に肩を掠められて、マシャが投石機から転がり落ちる。すぐに起きて、次の武器を探して走る。兵らが無事に町へ逃げ込むまでは、港を死守しなければならない。砦からは一本、逃走用に、町に向かってトンネルが掘ってある。

「っていうか手前ぇも逃げないか、こらぁっ!」

「!?」

 ぶつかられて胸倉を掴まれた。“ピニッツ”の一人、ソンバである。ガキがと笑っていたはずが、いつの間にか見おろされていてムッとした。手も振りほどけない。これだから年功序列を知らない若造は厄介だ。

 舌打ちしてソンバを睨んだが、「そうだ。逃げろ」と加勢する声が上がったので、顔を跳ね上げる。

 先ほどマシャが落ちた投石機に、ナザリが登っている。投げようとしているのは、球ではなく壺である。

「危ないよ、ナザリ!」

「戦争だからな」

 場にそぐわない呑気さで、壺を跳ばす。ネロウェンの船底にぶつかって海面が黒く汚れた。甲板にまで垂直に高く飛ばすとなると芸当の域らしい。今の投石機では叶わないようだ。だが、それで充分なのか、ナザリの指示で火矢が飛ばされた。港までもが巻き込まれそうなほどに、海の表面が燃え上がる。

 近くでガコンと音がした。とうとう船を寄せたネロウェン軍が、港に橋をかけたのだ。と同時に板を踏み抜かんばかりの足音が洪水のように響く。

「ほら、早く行け」

 ナザリに即され、ソンバに引っ張られ。マシャは、ソンバの腹に拳を入れた。

「ぐっ」

「マシャっ」

 “ピニッツ”が自由になったマシャを囲む。兵らのほとんどは逃げおおせて、後は“ピニッツ”がしんがりとなっていた。

「ナザリも! もう、もたないよ。ここへもネロウェン兵が来る。早く、」

「俺は、もう一仕事ある」

 矢継ぎばやにわめくマシャを制して、ナザリが頭上から微笑む。結局、矢の雨には当たっていない。悪運が強いにも、ほどがある。彼の強運には危うい予感が漂う。まるで、ロウソクが尽きる直前の炎にも見える。

「一緒じゃなきゃ嫌だ」

 マシャは故意に、妹に戻った。

「でなきゃ逃げない。一緒にいる」

「副船長」

 都合のいいものだ。呼び名を変えて表現するとは。そんな意図を汲み取ってやれるほど、こっちは大人じゃない。

 泣きそうになった。

 ナザリが投石機を降りて、マシャに向き直る。周りには叫び声と足音、ぶつかる音や金属音。囁き声など聞こえない。耳元でもない限り。

「すまん」

 ふわりと抱きしめられた。腰をかがめたナザリの横顔が頬に寄せられる。今までに一度も味わったことのない近さだった。マシャから抱きつきはしたものだったが、ナザリから顔を寄せられた記憶など、ない。

 血と汗と埃に、むせそうになった。咳をして深呼吸すると、ナザリの香りに満ち溢れた。皮紙とインクと潮の香りだ。船長室にこもって航海日誌を書く姿が、脳裏に浮かび上がった。楽しい日々だった。“ピニッツ”の思い出が次々に引っ張り出されてしまう。

 ギムが腕相撲をしていた甲板。黒も悪くねぇもんだな、クソガキが――と、頭を撫でられた。狭い食堂に詰めかけて、鍋底まで舐める勢いで、皆で食事を楽しんだ。マシャの好物がヒチの実だと知られてからは、マシャのトレイに「ほらよ」と実が山積みになる事態もあった。

 海賊行為とて、今となっては懐かしい。命がけだったし人も殺したが、海兵団としての正義と誇りを得られたことは、何より大きかった。

 正義を示してくれた、ルイサ。

 彼女の恩義に報いたい一心で、“ピニッツ”はここまで来たとも言える。

「ルイサが待ってるよ」

 反則かなと思いながらも、言わずにいられなかった。今は妹の涙より、女神の面影でないと、この頑固な男は動かない。案の定、マシャの肩に乗せられている腕が硬直した。だが返答は早かった。

「俺の凱旋をな」

 尻尾を巻いて逃げたくはない、という意味だ。やはり頑固である。マシャの顔が歪んだ。好きなくせにと呟きかけたが、言葉にすると薄っぺらで、2人の関係を言い表していないように思えた。従順な部下であると言うにも違和感を覚えるが、恋愛感情だけでは不足だ。

 だが先の大戦で騎士の称号を得たナザリは、口にこそ出さなかったが、確かに何かの意識を変えた。

 サプサには、あるお触れがある。領主ルイサ・エヴェンとの結婚条件である。例え無名でも貧乏でも、騎士の称号を持っている男であることが条件の一つなのだ。ただし、エヴェンの名を継ぐこと。エヴェン家の家宝を当てることと続くのだが、そうは言っても、結婚の条件としては異例の低さだ。難易度だけで見れば。

 自らの家名を捨てて、落ち目も同然のエヴェンを名乗る度胸を持つ者。サプサの現状を見て、これを統治する度胸を持つ者。有名すぎても無名すぎても超えられない、一介の騎士には勇気のいる条件であった。志はあっても実力が伴わない騎士もいた、そういう男は婚儀に至らず消え失せた。失せるよう、ルイサ自身が取り計らっていたためもある。

『ミ・ルイサを明かせなきゃ、本当の夫婦にはなれないから』

 ルイサは苦笑して、教えてくれたものだった。売春宿での踊り子だという秘密。明かす必要なんてないじゃんと言いかけたが、ルイサの気持ちは痛いほど分かる。

「危ないっ」

 声と共に突き飛ばされる。砦の柱に隠れるようにして押し付けられた2人の上に、“ピニッツ”の数人が覆いかぶさった。ぐわっと声を上げて、ソンバが肩を押さえてうずくまった。肩には矢が刺さっていた。すぐに矢は止んだ。剣を持った兵たちが、そこまで迫っていた。

 砦はもはや、穴だらけだ。中にもネロウェン兵が詰め寄っており、砦たる役割を果たしていない。

 ソンバが、仲間に矢を抜いてもらいながら、わめいた。抜いて大丈夫ということは、深い傷ではないらしい。

「ほら見ろ、さっさと逃げないから怪我しちまったじゃねぇかよ、どうしてくれんだ!」

 窮地になっても威勢だけはいい、こんなところだけ充分“ピニッツ”の一員だ。マシャは緩みそうになる顔を引き締める。だが先に口を開いたのは、ナザリだった。

「命令だ、マシャ。全員を無事に町の第3区画まで連れて行け。でなきゃ副船長失格だ、“ピニッツ”から出て行け」

 今ここを去るぐらいだったら、一生“ピニッツ”に戻れなくて構わない。そう言おうとしたが、言葉が喉に詰まって出せない。命令だ失格だと煽るナザリの、何と穏やかな表情か。慈愛に満ちた目を注がれて、妹でもあるマシャに何を言えというのか。

「……絶対、凱旋してよ」

 先ほどからナザリはマシャの肩を抱いたままである。その手に自分の手を重ね、そっと外してマシャはナザリの頬にキスをした。

「ナティの加護がありますように」

 蒼い瞳を覗き込んで、満面の笑みを贈る。一生分の感謝をこめた史上最高の笑顔で兄を送り出し、覚悟を決めたマシャは素早く身をひるがえした。

「行くよ」

 兄妹のやり取りを見守っていながら、ためらう“ピニッツ”はいない。送り届けるべきは、マシャだ。全員がナザリに触れて、走り去る。

「ご武運を」と、手を握る者。

 ソンバは「船長、また後で!」とナザリの背中を叩き、船員に殴られていた。

 次々に爽やかな挨拶をしてくれる、仲間の笑顔がありがたい。必ず勝たねばと身が引き締まる。

「ぬん!」

 感慨にふける暇はなかった。

 ナザリは背後に押し寄せているネロウェン兵に向き直った。皆を見送った後の通路を遮って立ち、剣を抜いて威嚇する。砦は狭い。一度に数人から、多角的に襲われることはない。ナザリに有利だ。

 一人また一人となぎ倒し、刃こぼれした剣を投げつけ脅かして、投石機に乗り込む。飛距離がないと威力も弱いが、炎上している海へ投げこむ分には充分だ。連鎖反応で沖まで燃えそうな勢いとなった。船は巻き込まれ、沈まないにしても使い物にならない。

 ナザリに向けて、下方から矢が迫る。ナザリは新たな武器を腰から外し、ブンと振った。飛んで来る矢を叩き落す。細く長くしなり、空をうねって足下の兵らを引っぱたく。

「うわっ」

「退け!」

 剣より遠い間合いにまで攻めてくる不可思議な武器に、ネロウェン兵がひるんだ。隙をついてナザリは、どんどんと球を投げる。退路のトンネルがある位置以外なら、港にも投げこんだ。もうロマラール人はいない。ひしめくネロウェン人を駆逐するためなら、港の破壊も致し方ない。

 黙々と仕事をしながら、先の言葉を思い出し、確かになと自嘲した。

 エヴェン騎士団長に対しても、ミ・ルイサに対しても、後悔は尽きない。言いたいこと、やりたいことは沢山ある。だが、それらをもし実行しても、きっと次の欲望が生まれて尽きることがないだろう。時間があったとしても実行されたか定かではない。現状が必然なのだ。

「面白いオモチャじゃないか」

 ひゅんとうなる武器の先端を避けて、ネロウェンの一人が突進してきた。寸前で投石機から飛び降りて助かったが、男の体当たりが投石機の足場を崩したため、使えなくなった。彼の勢いはグールさながらである。体躯もいい。小脇に球を一つ抱えるのが精一杯だった。

 体勢を整えて見てみると、相手は一介の兵ではなかった。皮の胸当てにも装飾が施してあり、マントまで着けている。体当たりの際は肩をマントで包んで、かばったのだ。年の割によく動く――と、ナザリは苦笑しかけてしまった。

 大御所にも、ほどがある。

 よりにもよってネロウェン国王の右腕たる男が出現してくれるとは、この上もない大収穫だ。先ほどマシャが、ディナティが来ているかも知れないと言ったが、彼が来ているなら、それも頷ける。

「わしは、」

 名乗りかけたのを制して、ナザリはネロウェンの敬礼をした。

「存じております。右大将シハムエル・アッジェラダーナ」

 ナザリの流暢なネロウェン語に、シハムがほうと口をすぼめた。通称がシハムだというのは、マシャから聞いた。直接会うのは初めてだったが、彼の人となりはマシャからの情報を筆頭に、色々と聞いている。

 豪快ながらも戦いに関しては慎重かつ勤勉で、左大将のアナカダと共に綿密な戦略を立ててくる、という。海での戦いは一進一退で引っ張ることができたが、シハム率いる白兵戦が主流となると、今後はさらに苦しくなるだろう。

 そんな闘将が、ナザリの持つ武器を知らないはずがない。

(むち)で威嚇とは、我が軍も馬鹿にされたものだ」

「滅相もない。野獣などより、よほど貴軍らの方が獰猛であられると心得ておりますよ」

「貴様」

 シハムの横から飛び出そうとする血気にはやった兵の鼻先を、鞭の先で叩く。兵は鼻血を出して、もんどりうった。おそらく、鼻の骨が折れたのだ。

「次は目を潰すぞ」

 凄むと、兵らが足を止めた。未だに抱えられている球の存在も、気になるのだろう。シハムが腰に手を当てる。

「失礼をした。まだ貴君の名をうかがっておらなんだな」

 鞭を振って手元に戻し、胸を張る。

「ロマラール国騎士団長ルイサ・エヴェンが配下、騎士ナザリ・キャロウ」

「エヴェンか。あの美女は元気なのだな」

 シハムの口元がほころんだ。

 いつしか爆発音は止んでいた。球が尽きたか、船が壊れたか……沈みはしていないだろう。海が燃える音と熱、臭いが港に充満している。シハムから目が放せないので探せないが、ディナティやオルセイがどこにいるのかも気になる。

 ナザリは「外へ」と話しかけた。

「外で、お手合わせ願いたい。豪腕で知られる右大将シハム殿と戦えるなら、騎士の誉れというもの」

 通称で呼びかけたのが、功を成した。読み通りだ。少しでも関わりを感じると、無下にできない性格である。できれば彼の情にまで訴えたいものだが、おそらくは不可能だ。

 互いに、とうに変わってしまった。

「では剣を」

「私はこれで」

 鞭を掲げて見せるとネロウェン兵だけでなく、シハムまで気色ばんだ。だが一振りすると、表情が変わった。

 砦の壁を打ち壊したのだ。

 元々すでに崩れて弱くなっているとはいえ、兵の鼻先を折った力といい、あなどれぬとは思われたようである。シハムの視線は、腰の短剣(ダガー)にも向いている。

「それも込みか」

「願わくば」

「それでも騎士か!」

 ネロウェン兵が騒いだが、ナザリは相手にせず外へと飛び出した。外も、すでにネロウェン軍で埋めつくされている。港と町の境界では、逃げ切れていないロマラール兵がネロウェンと剣を交えている。

「待て貴様っ」

 追って飛び出してきたシハムに見せ付けるように、ナザリは球を投げた。四つに折った鞭の真ん中に球を挟んで、勢いをつけて振り回し、鞭を放したのだ――柄だけは放さずに。手で投げるより、よほど飛距離が上がる。港の端まで届くほど。

 砦に背を向けているネロウェン兵は逃げ遅れたが、飛んで来る球の光景に見慣れたロマラール兵は、無事に逃げおおせたようである。爆音と地響きが止まないうちに、ナザリは鞭を振ってシハムに向き直った。

「勝負!」

 ナザリの叫びに応じたのは、周囲のネロウェン兵の方が早かった。うわぁと歓声が上がり、円形の空間が空けられたのだ。もちろん、ナザリのためではない。すべての褐色が右大将コールをして、白いロマラール人を蔑む。

 ナザリは気にせず、設けられた舞台の中で黙々と働く。まるで作業のように。まるで、踊っているかのように。

 動きに合わせて、鞭が舞う。上下左右にと揺れ動いてシハムを翻弄し、体勢を崩したところを襲うのだ。流れるように走り、突進して刺す。シハムが横に薙ぐ半月刀から、鞭はひゅるりと逃げる。慣れない間合いに戸惑うシハムを、ナザリは遠くから様子見できる。

 しかも美しい。踊るようなナザリの華麗さと、うなるシハムの剣技とが、まるで打ち合わせたかのように息を合わせ、観衆を魅了する。罵声は止み、純粋に応援する声のみが高まっていく。港に降りたネロウェン兵すべてが2人の戦いを見守っていると言っても過言ではなかった。右大将が亡くなるような大事に至りはしないかと不安なのだ。いくら、ありえないとタカをくくっていても。

 という、ネロウェン兵らの思いが通じたかのように、初めてナザリの動きが乱れた。

 どよめきと歓声が上がる。

 ナザリは苦し紛れに鞭を振る。意外に半径が広い攻撃なので、当たりそうになったネロウェン兵が退く。また一振りされて、また下がる。ナザリ自身も、半月刀から逃れて下がる。一方シハムには、まだまだ余力がある。

 当然だ。ナザリは投石合戦からずっと前線に立っていて、しかもネロウェン兵ら何人もと対峙した後である。シハムは司令室から出てきたばかりで、力が有り余っている。仮に年齢差を考慮したとしても、鍛え上げてある54歳では、若僧と変わらない。ナザリより若いかも知れない。

「降参か?」

「死ななければ負けじゃない」

「ならば、やむなし」

 言いながら、剣を振る。ナザリが飛びすさる。その背中に、砦の柱が当たった。ナザリは柱に体を沿わせて、素早く中へ逃げようとした。が、それは叶わなかった。

 砦の中にも、すでに沢山のネロウェン兵がひしめき合っていたのだ。砦の中には物資も蓄えてあった。ネロウェンがこれを見逃すはずがない。

「ここに来て逃走を図るか? 正々堂々と戦って死ぬが良い」

 そうだそうだと周囲も同調して、ナザリに詰め寄る。ナザリはなおも鞭を振り、鞭は、油断していたシハムの首に絡みついた。

「ぬ!?」

 シハムが慌てて体勢を崩した隙を引っぱって、砦の柱に叩きつける。首の鞭を外そうと足掻き、周囲もシハムを助けようと押し寄せた。

「貴様」

 睨まれた時には、ナザリは別の武器を手にしているところだった。

 いや。武器だとは、誰も見抜けていなかったに違いない。手の中にすっぽりと納まるほど小さな、小さな銀の球だ。鞭以上に、子供のオモチャかと言われそうな見掛けである。思わず呆けた褐色の面々に、ナザリが不敵な笑みを見せる。

「悪いな」

 それは、勝利の笑みだった。

「俺は卑怯者なんだ」

 間髪入れずに砦へ投げこんだ小さな球に向けて、ナザリは魔法を唱える。ラウリーに猛練習をさせた火花の魔法の変形である。火花の衝撃をもっと大きくして、球が破裂する瞬間に叩き込む。

 このための訓練は、もちろん何度もした。にわか仕込みではできない。魔法習得の日々を過ごす中で体得した技だ。呪文は頭に入っているし、威力のほども心得ている。

 今までは自分に魔力が足りなかった。それをソラムレアの球で補えた。投げつけた鉄骨部分には細工がしてある、これも狙い通りである。そこをさえ壊せば爆発が連鎖して、砦は木っ端微塵になる。砦の中からでないと手が出せない位置に仕込んだ、そこへ向かってナザリは手合わせを誘導していたのである。

 魔力を調整する必要はない。疲れることを心配しなくていい。魔力を放出し尽くす。最後の一滴まで。

 一人でも多く、道連れにせんがため。

 右大将は、大きな収穫だった。

 最期にシハムが何かを叫んだようだったが、爆音にかき消された。ナザリの笑みも爆風と共に飛んで消えた。連続してドンドンと打ちあがっていく爆発に合わせ、人が空を舞う。阿鼻叫喚すら呑み込んで、港すべてが破壊に包まれる。やもすれば町をも呑み込みそうなほど、サプサが黒煙に覆われた。

 町の片隅からは少女の絶叫が、細く長く響き渡った。


 ~6章「絶望のダナ」に続く~

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