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【完結】宮廷占い師は常に狙われています! ~魔の手から逃げきってみせますよ~  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!


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100/100

100.最後まで逃げ切ってあげるわ(最終話)

 乳母にクートを渡し、ハンナに休憩を告げる。彼女も半年前に娘を産んでいるので、休憩時間は常に用意した。もちろん、乳母と一緒にこの屋敷に住んでいる。直ぐ会えるし、便利だよね。ただ、来年からはエサイアス様のお屋敷へ帰るのだとか。


 新しい屋敷を実家に強請ったエサイアス様は、ある意味、凄いかも。今の屋敷よりこの屋敷に近い、と同時にニスカネン侯爵家の領地も近くなる。孫に会いたい祖父母の気持ちを利用するところが、なんとも腹黒いが彼らしい。王宮は少し遠くなるけれど、自分の通勤時間より妻の利便性を選ぶところは評価高いよね。


 エヴァライネン子爵家の屋敷は、現在姪っ子の住まいになっている。適度に王宮と離れていて、直轄領で治安が良くて、使用人も顔見知りばかり。安心して暮らせると好評だ。代わりに国王陛下の用意したヴェナライネンの屋敷は、読み書き計算を教える場になる。平民も通えるよう、配慮してもらった。


 この国は今後も平和に、穏やかに、他国の干渉なく繁栄するだろう。これは占いの出来なくなった、元宮廷占い師の最後の予言。腕を組んだ夫を見上げ、私はふふっと笑った。こんなに素敵な人が宰相をしているんだもの。舵取りは完璧、国家転覆はあり得ないわ。


 庭の花を楽しみながら歩き、目の前に飛び出した見知らぬ男達に首を傾げた。この人達、盗賊みたいな格好しているわ。黒装束なんて、普段着にはしないもの。ルーカス様がさり気なく私を抱き寄せた。しっかりしがみ付く。


「宰相プルシアイネン侯爵夫妻、お命を頂戴す……」


 最後まで言い終わる前に、護衛が三人の賊を殴り倒した。一応、隠れて付いている。これでも宰相夫妻だし、屋敷の庭へ忍んだ努力は認めるけれど。


 剣を抜かず、鞘で殴ったのは貴婦人の私がいるから? 一応宰相夫人だもの……あ、自分で「一応」とか言ってはダメね。バレたら、ルーカス様やハンナに叱られるわ。


「君といると一生、誰かに狙われるだろうな」


「あら、私ではなくルーカス様のお客様でしょう?」


 だって宰相夫妻をターゲットに、あれ? 私もセットだったわ。宰相であるプルシアイネン侯爵閣下への襲撃なら、妻は巻き込まれるだけで名指しされない。知らない間に狙われているの?


「……そういうことにしておこう」


 気づかなかったことにしよう。にっこり笑ったら、美形の眩しい笑顔が返ってきた。これは「わかってるぞ」の合図ね。


  こんなやり取りも楽しい。この後の人生も全力疾走続きだけどね、あなた。最後まで一緒に逃げ切ってあげるわ。










   ――終わり――










*********************

 完結となります。最終話までお付き合いくださり、誠にありがとうございます♪ 常識外れの令嬢ですが、幸せになってくれました。皆様に何か残せていたら嬉しく思います。

4/1から新しい連載をスタートいたします。悪い人が出てこないハッピーエンド確定のお話。愛情が擦れ違い空回りしても、最後は確実に幸せになります。お楽しみに!





※※※新作のお知らせ※※※

【幼な妻は年上夫を落としたい ~妹のように溺愛されても足りないの~】

 2024/4/1公開

 12歳にして、戦争回避のために隣国の王弟に嫁ぐことになった末っ子姫アンジェル。15歳も年上の夫に会うなり、一目惚れした。彼のすべてが大好きなのに、私は妹か娘のように甘やかされるばかり。溺愛もいいけれど、妻として愛してほしいわ。

 両片思いの擦れ違い夫婦が、本物の愛に届くまで。ハッピーエンド確定です♪

 

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