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第八話 白玉楼




 こいしが言った次の夜になった。




 異変をいち早く察知出来るのが紫であり、様々な場所にスキマを散らせていた。スキマを散らせてしばらくして…………


「ッ!? 冥界……白玉楼はくぎょくろうに現れたわ!」


「よし、今から行くわ。アンタ達もいいわね?」


「問題はねぇよ」


「大丈夫よ」


「はい。行きましょう」


 博麗神社に集まっていた魔理沙、レミリア、咲夜が霊夢の問いに問題ないと答えた。

 青年とネヤが白玉楼に現れる。冥界は空を飛ばないと行けないが、今は紫が手を貸してもらえているからスキマを通ってすぐ向かえるがーーーー


「紫、スキマを……」


「あ……駄目だわ。白玉楼に展開していたスキマを全て破壊された」


「スキマを破壊……? そんなことが……?」


「新しく作ろうとしても、邪魔が入って出来ないわ」


「これで相手も空間を操ることが出来るとわかったわね。スキマで行けないなら直接に飛んで行くだけよ!」


 霊夢はそう言い、神社から飛び出して行った。魔理沙達も慌てて着いていく。




「冥界、白玉楼ねぇ……何が目的だと思う?」


「さぁ? 宴会で1回は行ったことはあるけど、白玉楼には何があるまでは詳しくは知らないわ」


「すいません、助けの1つにもなれなくて」


「……霊夢は気付いているわよね? だから、慌てて飛び出したでしょ?」


 一緒に飛んでいる紫はまさかと思いながら、霊夢に尋ねてみる。


「あいつらの目的は何?」


「ええと……解放だったかしら?」


「そうよ。紫は気付いているみたいだけど、白玉楼には何があったか? 魔理沙、わかるよね?」


「解放出来るモノって……、アレか!? 西行妖さいぎょうあやかし!!」




「「西行妖??」」




 レミリアと咲夜は西行妖のことを知らないようで、ハテナを浮かべていた。


「白玉楼にある枯れた木は見たことがあるでしょ? アレがただの桜ではなく、紫でさえも手が出せない大妖怪……西行妖よ」


 西行妖、年中桜を咲かない木であるがその正体は白玉楼の管理者である西行寺幽々子さいぎょうじゆゆこ亡骸なきがらによって封印されている大妖怪なのだ。


「アレが解放されたら、幻想郷がどうなるかわからない程にヤバい奴らしい」


「えぇ、倒せなくて封印するしか術がなかったわ」


「霊夢でも倒せないの?」


「無理ね。霊夢でも不可能よ」


 西行妖はただの大妖怪ではなく、多くの人間や幽々子の父親から精気を吸い取ったことにより、巨大な力を得ている。その力が強すぎた為、意思らしきのは感じなかったらしい。

 つまり、対話で解決出来るような相手ではないということ。


「そんな大妖怪を解放しようとしている訳!?」


「かもな。白玉楼で解放出来そうなモノといえば、それしか思い付かん。だから……」


「それだけはさせてはならないから、さっさと止めに行くのよ」


 この間のフランを解放した時のと違い、周りに迷惑を掛けるほどの異変だと言える。解放させる理由はわからないが……




「見えた!」


 厚い雲を突破すると冥界への入口が見える。そこに入り、長い階段を歩くこともなくそのまま飛んでいく。スピードを落とさずに飛んでいると…………




 霊夢達がいる空中より、更に上の方から弾幕が降り注いだ。




「敵! 誰よ!?」


「あはは、私だよ〜。ここは通さないよ」


「こいし!」


 霊夢達の前に現れたのはこいしに…………


「ッ! お嬢様!」


 レミリアの背後から突然に知らない弾幕が現れ、咲夜が咄嗟にレミリアを庇う。咲夜の弾幕でギリギリ相殺し、弾幕を放った敵を探し出そうとするが…………すぐにそんなことをする理由がなくなった。何故なら、弾幕を放った本人がレミリア達の前に現れたからだ。


「ちゃんと防いだねー。でも、お姉様は油断し過ぎじゃない?」


「ご、ご妹様!?」


「フラン…………」


 こいしの能力で姿を隠し、レミリアに攻撃したのは妹であるフランだった。


「お姉様なら対応すると思ったけど、駄目駄目だったね?」


「フラン……私は……」


 レミリアはフランと話をしたい、謝りたいと思っているが、あっさりと対面したことですぐ言葉にすることが出来なかった。


「情けないね。これじゃ、私の遊び相手には物足りないかなー。だから、お姉様は私の分身と遊んでいてね」


 フランはそう言い、禁忌『フォーオブアカインド』を使った。このスペルカードは本物に近い分身を作ることが出来る。




「「「「遊ぼう! それとも、破壊されたいかな??」」」」




「お嬢様! やるしかないです!」


「ッ、わかっているわ! 本物は……!」


 フランはレミリアと咲夜は分身に任せて、本物は楽しめそうな相手へ向かっていた。


「こいしは霊夢と紫と言う玩具とやると言っていたわね! 私は魔法使いで遊ぼう♪」


「おや、お前が私と戦うのだな? いいぞ! 魔法使いの霧雨魔理沙が相手になろう!」


 フランは魔理沙の方へ向かい、弾幕を展開していた。霊夢と紫の方では…………




「邪魔をするんじゃないわよ! そっちが何をしようとしているのか知っているの!?」


「うん、知っているよ〜。だから、私とフランちゃんが足止めを頼まれたの」


「退くつもりはないの? このままでは幻想郷に被害が行くのよ?」


「被害ね。それはどうかなー」


 こいしは詳細を話すつもりもなく、霊夢達を白玉楼へ行かさないつもりだ。


「……仕方がないわね。なら、無理矢理に押し通るだけよ!」


「私と霊夢を抑える自信があるのかしら?」


「さぁね、やってみないとわからないよ♪」


 白玉楼へ向かう途中で足止めに合い、霊夢と紫はこいしが。魔理沙はフランが。レミリアと咲夜は偽物のフラン4人で止めに入っていた。

 その頃、白玉楼ではーーーー














「紫ちゃんが言っていた、2人組は貴方達のことよね?」


「特徴は合っているので間違いないかと」


 白玉楼には管理者の西行寺幽々子と庭師の魂魄妖夢こんぱくようむがいる。その2人の前に現れた青年と少女の2人。









次回は明後日に投稿します。

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