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第四話 話し合い




 博麗神社にて、真っ夜中に紫から起こされて不機嫌な霊夢だったが、紫と一緒に来たレミリアと咲夜が真面目な表情で何かが起きたことを悟った。レミリアと咲夜の話を聞き…………






「……はぁ、アンタに妹がいて、力の制御が出来ていない為に部屋に監禁していたけど、その妹が誘拐されたと? 監禁について言いたいことはあるけど……今は置いといてあげるわ。紫が知らない人物ねぇ」


「えぇ、人間まで詳細に覚えていることはないけど、レミリア・スカーレット達と戦える程の力を持っているなら知らなければおかしいわ」


「だから、外から来た人物と判断した訳ね」


 外から来た人物だと予想したとしても、フランが何処に連れ去られたかまでは想像は出来ない。


「レミリア、咲夜。アンタらはネヤ? と言う人物と戦ったよね。何の力を持っていたかわかる?」


「では、私が説明しましょう」


 レミリアよりも長く戦った咲夜が戦闘に関しての話が始まる――――







「弾幕が当たらない能力ね……私にとっては天敵な奴じゃない」


 霊夢は遠距離からの攻撃が多い。戦い方を考えなければ、ネヤには通じないだろう。


「でも、その能力は完璧ではないわ。守りに入る場面もありましたから」


「接近戦なら攻撃は当たるわ。それよりも、フランを連れ去った男よ! どうやってバレずに紅魔館に潜入出来たのか? パチュリーの結界を壊されていたのに、気付くことも出来なかったわ!」


「気付くことが出来なかったと……」


 霊夢はそのようなことが出来る妖怪は何人か心当たりはあった。しかし、潜入はともかく結界を壊してもバレない程の力を持っているかは疑問だが。




「おそらくだが、他に協力者がいたんじゃねぇのか?」


 その言葉と同時に障子を開けて霊夢の部屋に入ってきたのは霧雨魔理沙。


「魔理沙。紫に呼ばれて来ていたのね?」


「あぁ、異変が起きたと聞いて。それに話も全てスキマを通じて聞いていたぞ」


 魔理沙も霊夢と同様に異変を解決する為に動いている。


「よう。久しぶりだな」


「貴女はパチュリーを倒した魔法使いだったわね」


「覚えているなら、いいか。魔理沙と呼んでくれ。ちょっと気になったことがあるんだが、何故フランを誘拐されたんだ? 目的は聞いていないか?」


「そんなの、私が知る訳が…………」


「あっ……お嬢様! 確か、ネヤが去る前に『解放した』と言っていました!」


「む? 確か……言っていたわね」


 ネヤが去る前に、「もうここまでね。主人様から連絡がありました。『もう解放した』と――――」と言っていました。そこからわかることは…………


「おそらくだけど、今回の目的はフランを解放すること。解放する理由はわからないけどね」


「成程。それなら、誘拐されたとは言い難くなったな」


「どういうことよ!」


「簡単な話だ。フランが自分から侵入者の誘いに乗った可能性があるってことだよ。何せ、部屋に490年以上も閉じ込められていたみたいだしな。外に出たいと思っても仕方がないと思うが?」


 魔理沙はフランのことを知っている訳でもないが、可能性はあると。レミリアと咲夜はその可能性はあるとわかった為、ショックから落ち込んで顔を伏せてしまう。




「あーあ、それでも探さない理由にはならねえよ。本当に誘拐されたかもしれないし、紫が異変と判断したなら動かない訳にはならないさ」


「そうね。レミリア、フランを見つけたら後はアンタの仕事よ。ちゃんと話し合いなさい!」


「霊夢……魔理沙……そうね。まずはフランを見つけないとね」


 レミリアは思うことはあるが、フランに出会わないと話にならない。だから、全力でフランを探し出すと誓うのだった。






「そういえば、魔理沙。協力者がいると言っていたわね?」


 話の区切りに良いと思ったのか、紫が魔理沙の言葉を蒸し返す。


「ん、あぁ。ネヤが主人様と言っていたし、アレだけの能力を持つ者が従うんだ。その主人様が単なる潜入に便利そうな能力を持っているだけとか違和感があるんじゃないか? もっと強そうな能力を持っていそうじゃね?」


「推測でしかないけど、確かに違和感はあるわ」


「あ、言い忘れましたが、消える前に第三者の声が聞こえました。『任せて~』と」


 咲夜が思い出したというように、顔を上げて第三者がいたという根拠を提示した。


「お、それなら間違いはなさそうだ。……って、姿を消すことが出来る能力に、その口調は……霊夢?」


「えぇ、まさかね……」


 聞いたことがあるような口調に、その能力からある1人の少女が浮かび上がった。いつも人里へ遊びに来て、イタズラをするような妖怪の少女が。


「一応、確かめに……「ごめんなさい、少しいいかしら?」何よ……どうしたのかしら?」


 話の途中に紫が割って入ってきた。その表情は少し考え込んでいるような感じだった。


「……私の可愛い式神にあらゆるの妖怪へ侵入者の居場所を探す手伝いをお願いして貰ったの。そして、ほぼの妖怪は協力して貰えることになったわ」


「……ほぼって、協力しない者がいたのね?」


「えぇ、それが永遠亭。八意永琳やごころえいりんと話をしたけど……『その程度では異変として判断するのは性急ではないかしら? 私達は忙しいので協力は出来ませんわ』と断られたわ」


「ん、んん? 永遠亭から誰1人も協力をしないってことか?」


「そうよ」


「おかしいわね……」


 私達の仲なら、鈴仙れいせん優曇華院うどんげいん・イナバぐらいは協力して貰えそうな気がするけど、まさかの1人も協力者を出さないことに気になった。


「まさか、あいつらが匿っているんじゃねぇのか?」


「……可能性はあるけど、推測だけで疑うのもね」


「うーん、今はしばらく泳がしておくか? 私達には先にやることがあるんだしな」


「そうね。あの子が協力しているなら止めないといけないしね」


 今は永遠亭よりも手がかりがある場所へ向かわなければならない。協力者である可能性がある少女へ出会って、話を聞くために。






「行くわよ。地底世界へ!」







まだ続きます!

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