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第十七話 吸血鬼姉妹



 フランとこいしに足止めをされているレミリアと咲夜の方ではーーーー




「あははは、『弾幕ロールシャッハ』!」


「気配が上手く感じ取れない! 『エターナルミーク』!」


 こいしと咲夜が戦っていた。こいしは弾幕も無意識に感じ取れなくさせることが出来るようになっており、咲夜は苦戦していた。

 無意識に感じ取れなくなっているので、ナイフを全方向へ投げることで防ぐしか出来ない。


「霊夢みたいに勘で避けるのは難しいみたいね」


「あの理不尽と一緒にしないで下さい」


「理不尽、確かにね! ゴメンね!」


 戦ったばかりのこいしは霊夢の力をよーく知っているので、笑いながら同意をしていた。


「さぁ、私を見つけられるかな?」


「ッ、停止!」


 身体が完全に感じ取れなくなる前に時間を停止しようとしたが、少し遅かったようで感じ取れなくなっていた。

 それでも、咲夜は元にいた場所を中心にナイフの弾幕を張っておく。


「これで当ればいいですがーーーー」


 停止した時間を動かし出したが…………ナイフはこいしに当たった様子はなく、その空間を通り過ぎるだけだった。




「寸前までに見えていた私が無意識にいると思い込んだら駄目だよ♪」


「いつの間に!?」


 こいしの『無意識を操る程度の能力』は相手が無意識に感じ取れなくしたり、姿を見つけなくなるだけに留まらない。

 今、やったようにこいしの姿をいるように無意識に思い込ませることも出来るようになっている。だから、咲夜が姿を無意識に感じ取れなくなる前から既に本物のこいしは咲夜の背後を取っていた。


「キャァァァ!?」


「私の勝ちだね!」


 背後を取られた咲夜は時を停める暇もなく、弾幕を受けてしまい、空中から落とされて地へ伏せてしまうーーーー















「咲夜!?」


 レミリアは咲夜が落とされたのを目撃し、声をあげるがーーーー


「お姉様、今はこっちを無視する余裕はないでしょ?」


「ッ、フラン……!」


 フランの『レーヴァテイン』が振り下ろされ、それに対してレミリアは『グングニル』で受け止める。

 続いて、空中を飛び回りお互いが弾幕を張り続けていく。


「ふ、フラン! 私は貴女に謝りたいことが……!」


「私を閉じ込めていたことで? それなら別にいいよ。お姉様達がどうしてそうしていたのかは理解しているから」


 フランはレミリア達に対しては怒っていなかった。実は、集一達からレミリアがフランを結界に閉じ込めていた理由を聞いていたのだ。

 フランを想ってのことで、レミリア達が能力をなんとかする為に努力もしていたことをーーーー


「私の能力で苦労していたのはお姉様達も同じだったし、閉じ込めたのも仕方がなかったのはわかっているから」


「それでもよ。もし、私達が他人に助けを求めていれば、もっと速く自由になれたかもしれないんだから!! だから、私は貴女に謝らなければならないのよ!!」


「本当に頑固だよね〜。お姉様は」


 フランはレミリアの頑固に呆れるが、すぐ笑みを浮かべるのだった。


「お姉様には見てもらいたいの。お兄様によって制御が出来るようになった私の力を!!」


「……えぇ、私はもう逃げないわ。全てを受け切ってみせる!」


 ここからは制御が出来るようになった力を見せたいフランと姉としての矜持を見せる為に全てを受け切る覚悟を持ったレミリア。




「私の力を受け止めて! 『ダイナミック・レーヴァテイン』!!」




「受け止めるわ! 『スピア・ザ・グングニル』!!」




 フランは新たなスペルカード、『ダイナミック・レーヴァテイン』は制御が出来るようになった能力を乗せたレーヴァテインを相手に投げ付けるだけの技だが、その威力は絶大だ。そのレーヴァテインを受け止めたり、触れるだけでもありとあらゆるものを破壊する程度の力が発揮して、周りへ膨大な破壊が吹き荒れる。勿論、制御が出来るようになっているので、相手が死なない程度にだ。

 レミリアは受け止めると言ったので、その言葉を反せずに『スピア・ザ・グングニル』で貫いた。

 レーヴァテインとグングニルが接触した瞬間に破壊の嵐が吹き荒れた。中心にいるレミリアも無事には済まないがーーーー




「貴女の姉の力を舐めるんじゃないわよ!」




 レミリアは破壊の力を受けようが、倒れることもなくフランの前まで飛び切った。服がボロボロになり、血だらけになろうが、凛と背を伸ばしてフランの前に浮き続ける。そして、フランへ抱き着いた。




「私は貴女を離さないわ」




「あははは、やっぱり私のお姉様は凄い人だよ。死なない程度には制御したといえ、突き破って私の前にいるんだから……」




「貴女も凄かったわ。正直言えば、すぐ倒れたいモノ。でも、フランはこうなるのを望んでいたでしょ?」




「……そうだね」




 制御出来るようになったといえ、フランの能力は危険であることは変わりにない。しかし、受け切って私の前に立ってほしいと思っていた。




「ありがとう。お姉様が私の姉でいてくれて」





「フランが私の妹でいてくれて、私もありがとうと言いたいわ」




 空中でお互いが笑顔で抱き合う、レミリアとフランーーーー







「良かったね! 仲直り出来て!」


「……そうですね。貴女にやられたのは悔しいですが、良い結果になれたならいいでしょう」


 離れた場所でこいしと咲夜が並んで抱き合う2人を見続けるのだったーーーー









次回は明後日に投稿します。

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