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第十三話 妖怪の山




 時間が経ち、次の夜になった。




「見つけた。今度は妖怪の山に現れたわ!」


「よし、行くわよ……妖怪の山? 封印されている者はいたかしら?」


「さぁ?」


 七神達が現れた場所はわかったが、目的がわからない。妖怪の山に西行妖みたいに封印されている者がいる訳でもなく、解放出来そうなモノは何があるか霊夢達には思い付かなかった。思い付かないが、向かわない理由がないので妖怪の山へ向かって飛んでいく。


「私達が知らない天狗が持つ封印された秘宝とかあるのでは?」


「秘宝ね……違うんじゃないかしら? 思い出して。解放されたモノは何かを」


「……フランと西行妖。あ、救援も含めるならこいしもか?」


「人物?」


「西行妖は人物とは言い難いけど、そうなるわね。秘宝とか言われてもピンと来ないよね」


「余計にわからなくなったな。まぁ、行けばわかるだろ」


 とにかく、何をしようとしているかは着けばわかることだ。妖怪の山なら天狗に早苗達がいるから霊夢達が着くまでには時間を稼いで貰えるだろうーーーー














「…………おや? もうここまで来るとは。天狗達がいたと思うが?」


 守谷神社にいる神の一人である八坂神奈子やさかかなこが少し驚きの表情を見せる。


「いたよ。でも、こちらにも頼れる仲間がいてね。その仲間に任せたのさ」


 守谷神社の前で立っていた八坂神奈子の前に現れる七神集一と冥界で一緒にいた仲間達。


「仲間ねぇ……。紫の奴から聞いた話では後ろにいる奴らだったが、まだ他にもいたのか」


 守谷神社も紫から協力を頼まれており、情報を共有している。西行妖を解放された時にいたその仲間が全員ここにいることから他にいたとわかったのだ。


「で、ここに来た目的は? 解放出来そうなモノや人物はここにはないが?」


「確かに僕が解放したいと思えるモノはここにはない。だが、その解放をするために必要な過程があってね。それが、貴方達と戦う理由になるのさ」


「ほう……。戦いに来たのなら、相手になってやろう! 場所は変えさせて貰うが」


「構わないよ」


 神奈子は集一が自分と同じ神の存在だと見破っていた。どんな神まではわからないが、そこにいる存在が神であると本能で訴えていた。

 弾幕ゴッコといえ、神と戦うとなれば神社を巻き込んでしまう可能性があるから場所を変えることにした。

 神社の裏にある大きな湖。諏訪湖すわこで戦うことに。諏訪大社もあるが、そこから離れていればいいだけなので諏訪湖を戦いの場に決めた。


「神奈子様!」


「へぇ~、あいつらがねぇ」


 諏訪湖に着くと、諏訪大社には東風谷早苗こちやさなえ洩矢諏訪子もりやすわこが待機している姿があった。


「早苗、諏訪子。予想していた通り、戦いになるぞ」


「任せてください! 私達の奇跡があれば負けません!」


「ふぅ~ん、あれは神だね。全員で掛かってくるとなれば厳しいけど博麗の巫子が来るまでの時間を稼げればいいだけだったよね」


 神が二人いるといえ、集一側には神クラスが二人に強力な仲間が数人いることから勝つのは厳しいと感じていたが、守谷側の目的は勝利ではなく、あくまでも時間稼ぎなので無理をせずに戦えばいい。そのつもりの心構えだったがーーーー


「こちらが戦うのは僕とネヤの二人だけでやるよ」


「む!? それは私達を馬鹿にしてない?」


「馬鹿にはしていないさ。他の仲間には体力の温存をして貰いたいし、ついでに神である貴方達と戦ってみたい僕の我儘さ。ネヤは巫女同士で遊んできて」


「了解しました」


 なんと、集一は一人で神奈子と諏訪子を相手すると言っているのだ。流石に戦況が不利だと思ったのか、妹紅が集一に問い掛ける。


「本当に大丈夫なのか……? 不死身の私ならニート女と三日三晩も戦い続けたこともあるし手伝えるが?」


「バカ鳥、姫である私をニート女と呼ぶんじゃないよ。バカ鳥より私の方が役に立つわよ?」


「あぁん?」


「何よ?」


 妹紅と輝夜が手伝うと言ってくれているが、余計な言葉を織り交ぜている為、お互いが睨み合うことになった。


「こらこらー! 喧嘩は駄目だよ!」


「私より大人なのに、子供っぽいよね〜」


「…………」


「またですか……」


 喧嘩しそうになる二人に呆れるこいし、フラン、西行妖。ネヤがため息を吐きつつ、腕力で止めに入ろうとしようとしたが…………


「二人共、喧嘩はしない。手伝いは嬉しいけど、僕の力を見せる良い機会だから任せてくれないか?」


 ネヤにぶっ飛ばされる前に集一が二人の頭をぽんぽんして止めた。


「むぅ……わかったよ」


「……申し訳ありませんでした」


「ほう。迷いの竹林にいる不死鳥、月の姫を大人しくさせるとは。喧嘩早い不死鳥に我儘な姫をな……」




「誰が喧嘩早いだと?」




「私が我儘な姫だと?」




「貴方達、本当はとても仲良しでしょ……」


「だね~」


「……はぁっ」


「ねー、早くしないと邪魔が入っちゃうよ?」


「そうだね。二人共、落ち着きなさい。皆が呆れているよ」


 話が長引くのは集一達にとっては良くない。二人を宥めて、皆から距離を取って神奈子と諏訪子の前へ向かう。


「すまないが、勝たせて貰うよ」


「はっ、どんな能力を持っているか知らないが、私達に勝つと言うか!」


「私達と戦ったことを後悔するなよ?」


 これから神と神の戦いが始まる。









 妖怪の山に向かっていた霊夢達だったが、予想外の存在が現れて、妖怪の山に着く前に足を止められていた。


「……貴方達もね?」


「意外だったな〜」


 霊夢と魔理沙は驚いていた。霊夢達を止めていたのは…………




「うはははっ! ここからの先は行くことが出来ないぞ! 何故なら…………サイキョーになった私に倒されるからな!」


「もう! チルノちゃんだけじゃなくて、私達だよ!」


「あは〜、倒せたら楽しみなのだ〜」




 霊夢達がよく知る妖精と妖怪。チルノ、大妖精、ルーミアが邪魔に入ってきたのだったーーーー







次回は明後日に投稿します。

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