59話 仲間は助け合ってこそだ
白根さんと並んで登校し、玄関ロッカーで別れる。
廊下は寒いので、早いところ二年の教室がある三階まで上がろうとして、
「…………」
そのまま四階まで上がった。
行き先はひとつ、第二生徒会室だ。
すると案の定、南京錠が外されており、室内灯の明かりも見える。
やはりな。
俺は徐ろにドアを開けて入室した。
室内にいたのは、予想通り雪乃だった。
「こんな朝早くからお疲れさん、雪乃」
「えひゃぁっ!?あ、う、海石くん……?」
普通に声かけただけなのに、そんな驚かなくてもいいだろう。
「な、なんで第二生徒会室に?」
「勘、だな。もしかすると雪乃がいるかもしれないと思って来てみたら、ビンゴだった」
「そ、そうなんだ……?」
意外そうに瞬きを繰り返す雪乃を前に、俺は長机の椅子に腰を下ろす。
「さてと、残ってる仕事はどれだ?ホームルームが始まるまでに終わらせるか」
「え、で、でも……」
これは私の仕事だし、と言いかける雪乃を遮る。
「仲間なんだから大変な時は素直に言ってくれ。変に気を使われる方が癪に障る」
「う……ごめんなさい……」
しょんぼりと視線を落とす雪乃。言い方が少しキツかったか?
「いや、俺が触っちゃいけないなら、仕方ないか。手伝えそうなのはあるか?」
「うん……じゃぁ、こっちのこれ、お願いしてもいいかな」
雪乃は書類の束のほんの一部を俺に差し出す。
というか、なんだこの書類の山。雪乃はタブレット端末だって打たなきゃならないだろうに。
「この量を一人で片付けるつもりだったのか?いくらなんでも無茶だ……」
溜息は一度で十分。さてやるか。
「んじゃぁ、早いところやりますか」
「うん、ありがとう海石くん」
互いに頷いて、俺達二人は作業に集中する。
予鈴のチャイムが鳴り響いたところで、作業は終了。
……あまり片付いたとは言えないな。
「あっ、もうチャイム鳴っちゃった……海石くんは先に教室に行ってて。戸締まりと鍵を返すのは私が……」
「いや、鍵を返すのは俺が行こう。ホームルームには間に合わせる」
「え、あ、うん、じゃぁ……お願いね」
手早く荷物を纏めて退室、戸締まり。
雪乃から鍵を受け取り、彼女が三階へ降りるのを尻目に、俺は一足飛びに階段を駆け下りて職員室まで急ぐ。
鍵を返却したら、これまたピョーンピョーンと一足飛びに階段を駆け上がる。朝からちょっとしたトレーニングだ。
どうにか、先生が来る前に一限目の授業の用意をしてから席に着けた。曲がり角から先生の姿が見えた時はさすがに焦ったな。




