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【休載中】天罰のメソッド〜処刑天使。ひきこもりの少年に恋をする〜  作者: 結乃拓也
第二部 【 紫惑の懺悔編 】
65/234

第61話 『 デートをしよう 』その1

一話に纏めようとしたら意外と長かったので、何話かに分けてデートの様子をお送りします。


【 side 颯太 】


 ―― 24 ――


「アリシア。今日デートしない?」

「え、でーと、ですか?」


 朝食の最中。颯太は唐突にそんな提案を持ち出した。目を丸くするアリシアは「でも」とたじろぐと、


「ソウタさん、今日は普通に学校ですよね」


 呆けた風に言うアリシアに、颯太は思わず苦笑い。


「あはは。やっぱり忘れてる。今日は祝日だよ。秋分の日」


 颯太に言われて、アリシアは後ろ振り向く。立てかけれたカレンダーを見て、彼女は「本当だ」と呆気に取られたように呟いた。

 それからアリシアは向き直ると、また「でも」と頬を固くした。


「今日は部活じゃないんですか?」

「うん。だから休んだ」

「どえぇ⁉」


 さらりとサボったことを伝えれば、アリシアは驚愕に目を剥いた。余程の衝撃だったのか白米が喉の奥に詰まり、苦しそうにせき込んでいた。


「ほら、お水」

「けほっ……あ、ありがとうございます」


 差し出したお水を受け取って、アリシアはこくこくと音を鳴らして飲んでいく。ふぅ、と一息つくと、アリシアは颯太を睨んだ。


「なんでお休みしたんですか。体調、優れないんですか」

「別に全然元気だけど」

「じゃあ、おサボりはよくありません。ちゃんと部活に行ってください」

「オカンか……そんなに怒った顔しないで。俺が部活休んでも、特に困る訳じゃないし、先生にもしっかり許可もらってるから」

「どんな風に言い訳したんですか」

「カノジョとデートするので休みますって……いたた」


 勿論冗談なのだが、アリシアは顔を真っ赤にして颯太を叩いた。ただアリシアの手がぎりぎり届くかの距離なので、颯太が意図的に当てられにいっている形だ。だから、威力もない。


「まぁ、それは冗談だけど。アリシアが怒るような嘘は言ってないし、朋絵からも「行っていいよ」ってゴーサイン貰ってるから平気だよ」

「それとこれとは話が別な気がします」

「まぁまぁ、細かいことは気にしないで」


 あっけらかんと言えば、アリシアは呆れた風に吐息した。


「なら、今回は見逃してあげます。でも、次からは不用意に休んじゃダメですよ?」

「それはうんとは頷けないかな」

「頷いてくださいっ」


 頬を膨らませたアリシアに、颯太は微笑を浮かべた。


「とにかく、アリシアは変な心配しなくていいから……それとも、デートしたくない?」

「それは……」 


 意地悪く問えば、アリシアは口を尖らせた。体をもじもじさせる仕草も破壊力抜群で、颯太はにやつきを堪えながら返事を待った。


「行きたい、です」

「よし、決まり」


 やがて喉の奥から振り絞ったような声が、そう照れくさそうに肯定した。それに、颯太は内心で安堵する。


 ――気分転換には丁度良いし、いつまでもぎくしゃくしてるのも嫌だからな。


 顧問や朋絵、聖羅に頭を下げた甲斐がこれだけであった。

 胸中の喜びを抑えながら、颯太はアリシアに言った。


「それじゃあ、ご飯食べて、洗濯物だけ干したら行こうか」

「でも、他のお掃除が……」

「それは家に帰ってからもできるから後回し。今日は、家事のことも忘れて目一杯楽しもう」

「分かりました。ソウタさんの判断にお任せします」


 朗らかな口調で諭せば、アリシアはもう反論することはなかった。彼女も、何か思うことがあったのだろう。こうして素直に頷てくれたのは重畳だった。


「よし。そうと決まればささっとご飯食べて、デートしに行こう」

「はい」


 久しぶりに見た、アリシアの微笑み。笑えるくらい元気になったのは、颯太にとっても喜ばしいことだった。


 ――今日は、嫌なことも悲しいことも、全部忘れられるくらい楽しい一日しよう。


 そして、アリシアが胸裏に抱える苦悩を明かしてくれるならば、それを背負う覚悟はとっくにできていて――。

 今日のデートがアリシアの胸襟を開けることを願って、颯太は密かに拳を強く握った。


  ―― Fin ――


今日は何話か上がっていくので、更新状況を要チェックだ―!

※ 颯太はアリシアといると100パーセント甘々なオーラ出します。これもアリシアのことが好きなのと、信頼しているからですね。朋絵たちとの会話で比較するのが一番参考になりマッスル。

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