第60話 『 ロンリネスリング 』
登場人物紹介~
宮地颯太 (みやじそうた) 本作主人公。アリシアと恋人関係になれたものの、いまだ進展はない。
アリシア 本作メインヒロイン。いつも元気で明るい天真爛漫な少女。かつては天界に住む【純大天使】
優良三津奈 (ゆらみつな) 颯太の姉でありアリシアの頼れる姉貴。二人の恋仲を微笑ましく見守る一
人。
三崎朋絵 (みさきともえ) 颯太の親友でありアリシアの友人。アーちゃんと愛称で呼び始めたのは朋
絵です。
倉科陸人 (くらしなりくと) 颯太の親友で陸上部員。今日も授業はぐっすり寝てました。
神払聖羅 (かんばらせいら) 颯太のクラスにやってきた謎多き美人転校生。お昼ご飯を食べてるシー
ンないけど??
【 side アリシア 】
―― 23 ――
――ソウタさんに酷いことしちゃった。
ぐるぐると、頭の中にそれが回る。
今朝はどうにかやり過ごすことが出来たが、夜はそうはいかない。このぎこちない雰囲気がいつまで続くのはアリシアも避けたかった。
「自分から拒絶したくせに、ずるいな、私」
テーブルに頬を擦りつけ、口に入った髪も吐かずに吐息した。
どうして、ソウタを拒絶してしまったのか。体は受け入れてたはずなのに、心が直前にそれを拒んだ。――理由は、もう分かっている。
「私、まだソウタさんに言ってないんだよね、天界で犯した罪のこと」
唇が触れ合う寸前。あの時アリシアの意識に介入した影は、きっと自分だ。
『――咎者が!』
糾弾したのは紛れなく過去の自分。地球に堕ちて、ずっと目を背けていた『罪科』だ。
「ソウタさんはどんな私でも受け入れるって言ってくれた。でも、私は、私を受け入れてないんだ」
段々と肌寒くなって、アリシアは白ワンピースからブラウス調の服へと衣替えされた。長袖になったことで、左腕の烙印は見えなくなった。
日常的に烙印が見えなくなったことで、周囲からの好奇な視線を受けることも減った。アリシアも結果的に見る機会が減ったおかげで『咎者』であることに必要以上に気に掛けることは無くなったが、それでも、必ずこの印を見る時間がある。お風呂の時間だ。
体を洗っている時も、湯船に浸かっている時も――気づけば視線はこの烙印を見ていた。
「私が天界で犯した罪が消える訳じゃない。それは天帝様に忠告されたから解ってる。でも、ソウタさんたちといると、忘れてしまう」
皆と過ごす時間が楽しくて、幸せで、心に忘れぬと誓った記憶を忘れてしまいそうになる。この烙印を見るたびに現実に引きずり戻されるのが、唯一の救いだった。
「神様……私は、人なんですか、それとも、天使なんですか」
空虚のように吐いた言葉は、誰も拾ってはくれない。ただシャボン玉のように宙に舞って、そして儚く消える。
人としては未熟で、天使としては反逆者。
じゃあ、私は何者なの?
ずぅっと、頭から離れない。何度も自分に問いかけては、答えられないまま終わる。
「分からない。分からないよ――ソウタさん」
運命に翻弄される天使は、ただ救ってくれるかもしれない大切な人の名前を叫んだ。
―― Fin ――
今日も無事に上がったぞー!
最近、少しずつ天メソが色々な方に読まれています。本当に嬉しい限りと同時に、アリシアを貧○ネタで弄ってきました作者ですが、颯太のおかげで彼女もまた魅力的な女の子なんだと再認識することができました。これからもどんどんアリシアを弄っていきます! 覚悟しろよ東映版! ←素敵な半袖小隊に出会えました。めっちゃ面白くておススメです。




