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【休載中】天罰のメソッド〜処刑天使。ひきこもりの少年に恋をする〜  作者: 結乃拓也
第二部 【 紫惑の懺悔編 】
57/234

第53話 『 アリシアの企み 』

本日は二話連続公開です。そろそろ投稿ペース怪しくなります。

登場人物紹介~


宮地颯太 (みやじそうた) 本作主人公。お風呂の平均入浴時間は十五分。

アリシア 本作メインヒロイン。入浴時間は本編でご確認してね☆


【 side アリシア 】


 ―― 16 ――


 お風呂上り。アリシアは湿った髪を拭きながらリビングへ戻ると、テーブルでノートを広げているソウタを目にした。


「あ、お風呂出たんだ」

「はい」


 足音でアリシアの存在に気付いたソウタはノートから視線をあげた。


「なにを勉強されていたんですか?」

「勉強ってほどじゃないよ。ちょっと筋肉をつけられる良いトレーニングの方法を見てて、軽く纏めてただけ」

「それはもう立派な勉強ですよ」


 アリシアは苦笑すると、椅子に座るソウタの傍まで寄っていく。まだ湿っている髪のでノートを濡らさぬよう注意して覗き込めば、一ページまるまる文字やイラストで埋まっていた。アリシアがお風呂に入浴したのは三十分前なので、その時間でこれだけの内容を纏めたソウタに思わず感嘆の息が零れた。


「スゴいです。何を書いてあるのかはぜんぜん分かりませんけど」


 正直に感想を言えば、ソウタは「だろうね」と苦笑い。


「専門的なものだからね。アリシアが分からなくて当然だよ」

「私も勉強すれば分かるようになるのでしょうか」

「興味があれば貸すけど、アリシアはそのままで十分だよ。むしろ、俺としてはアリシアに筋肉はついてほしくない。柔らかいアリシアの方が好きだな」

「ソウタさんが言うのであればこのままでいいです」


 好きな人にそのままでいて欲しい、と懇願されれば要求を呑まざるを得まい。アリシアはこくりと頷いた。ただ、運動は好きなので今度そういう関連の本を借りようと思った。


「本当に、ソウタさんは頑張り屋さんですよね」

「俺が頑張れるのは、信じてくれる人が身近にいるからだよ」


 それが自分を指しているということは、声音と視線で分かった。ソウタの力になれているのだと理解すれば、堪らず頬が緩んだ。


「私はいつだって、ソウタさんを応援してますからねっ」

「知ってるよ。いつも、俺を支えてくれてありがとう、アリシア」

「いえ、私の方が沢山支えてもらってますよ」


 優しい笑みに、アリシアはゆるゆると首を振った。


 ――本当に、あなたからは沢山のものをもらってます。


 居場所も、思い出も、命も――数えきれないくらい、ソウタには沢山もらった。ソウタはアリシアの恩人であり、この恩は一生をかけても返しきれないほど大きかった。だから、ソウタが手を繋いでくれる限りずっと恩を返していくつもりだ。


「さてと、俺もお風呂入ってくるかな」


 ノートを閉じたソウタがゆっくりと立ち上がり、天井に向かって腕を伸ばした。

 アリシアは万感の思いを胸にしまうと、風呂場へ向かおうとするソウタに道を開けた。


「どうぞ。あ、少しお風呂冷めてしまったかもしれないので、温めて入ったほうがいいかもしれないです」

「そうする。段々寒くなってきたからなー」

「ですね。夏の暑さが、少し名残惜しいです」


 アリシアは日本の四季を初めて体感していく。天界には、季節はおろか気候も一定だったので、日本の移り行く季節は楽しみで仕方がなかった。それを大切な人と過ごせるから尚更だろう。

夏の暑さの次は、紅葉の秋。ご飯がさらに美味しい季節だ。


「それじゃ、お風呂行って来るね。お風呂から出たら、寝るまで一緒にテレビでも見ようか」

「はいっ。……ゆっくり入ってきてくださいね」

「分かってるって」


 苦笑しながら風呂場へ向かうソウタに、アリシアはその姿が角から消えるまで手を振り続けた。

 やがて廊下から足音が聞こえなくると、アリシアは閉じたノートを見つめた。


「何か私にも手伝えることがあればいいだけどな」


 ソウタから既に力になっていると明言されたものの、それだけで満足するアリシアではなかった。とはいってもアリシアは陸上の専門的な知識がなければ勉強だってソウタに遠く及ばない。アリシアがソウタの力になれているのは、精々、精神的な部分でしかないのが現状だ。


「うーん。私にできること、かぁ」


 腕を組んで考え込めば、無意識のうちに辺り右往左往していた。


「私にできるのは、お家の留守番とお掃除。あと、料理くらいだなー」


 どれもこの家でのみ発揮させる能力で、日中学校にいるソウタには対して役に立てないのが不毛だ。このままではアリシアは家の守り神になってしまう。


「考えろ私。家にいてもソウタさんの元気に一役買えるようなものは何かないか」


 元気、元気、と唸りながら考え込むこと実に五分。


「あ!」


 頭の上に電球が灯ったように、アリシアに閃きという名の衝撃が奔った。

 一つだけ、アリシアが家にいてもソウタを元気付けられる方法があった。

 思い立ったが吉日。特に、明日はそれを実行するには絶好の機会だった。


「むふふ。ソウタさん、喜んでくれるといいなぁ」


その時、ソウタがどんな顔をするかは見れないけれど、想像するとニヤニヤが止まらなかった。


 ―― Fin ――

 


執筆の呼吸。一の型――惰眠。

次回からまた舞台は学校に戻ります! ……戻るのか?


↓↓↓

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