第32話 『 これからもキミと―― 』
颯太とアリシア。これまで交わらなかった二人の影がようやく交わりました。
―― エピローグ ――
「準備できた?」
「はいっ。ばっちりです!」
靴を履いて待っていた颯太に、アリシアは階段から駆け下りながらピースを作った。
「お待たせしました、ソウタさん」
「ん」
アリシアもすぐに靴を履き終えると、敬礼のポーズで準備完了の合図を出した。
「それじゃあ、行こうか」
「はい」
日差しは眩しき、空気は咽るほどに熱い。陽炎が揺れる下り坂を、二人は歩幅を揃えて下っていく。
「なーんか、最近慌ただしかったせいで、こうやってのんびりするのも久々な気がするわ」
「そうですね。こんなに何も気にせず歩くのは久しぶりです」
「あーあ。こんな時間がずっと続けばいいのになぁ」
「ダメですよ、ソウタさん。来月から学校に行くんですから、それに向けてキッチリしないと」
「そうだけどさ。アリシア、本当に一人で平気?」
「子ども扱いしないでください。家に一人でお留守番するくらい、余裕です」
「ほんとにぃ?」
「はい。それに、学校が終わったら真っ先に帰ってくれるんですよね」
「当然。この世界において、アリシア以外に優先することはない」
「それは嬉しいですけど、でもあまり外では言わないでください」
「あ、照れてる」
「当たり前ですよ! 好きな人からそんなこと言われて、嬉しくない人間なんていません!」
「いていて、叩くのやめて。これからは気を付けるから」
「もうっ、反省してくださいね」
――ゆっくりと、時は流れていく。
嬉しい時も、悲しい時も、二人はこれからその時間を共有していく。
「今日はどんな出来事が待ってるのか、楽しみですね、ソウタさん」
「だね。もしかしたら、あそこからこーんな巨大な魚が跳ねるかもしれない」
「それは大事件です! いえ、大発見です!」
「はは。うそうそ。そんな魚、この世に存在しないから」
「ちょっと酷いじゃないですか⁉」
他愛もない会話が続く。けれど、それが堪らなく心地よかった。
二人の影が伸びていく。それはやがて、想いを重ねるように、交わった。
―― Fin ――
第一部完結!!
そして第二部のタイトルは『天罰のメソッド 紫惑の懺悔編~』 です!!
たぶん数カ月、投稿する間が空きます。理由は寒さで手がかじかんで上手くタイピングできないから。




