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プロローグ 滅びの世界と転生の賢者
かつて世界のありとあらゆる魔法を極め、世界の叡智を極めた賢者がいた
様々な種族が戦火を交え、多くの命が失われる
種族の神々は自らが作り出した世界を失敗作とし
世界の滅びを決定した
人類最強の魔法使い
不可能は無いと言われた者は、赤い空、黒い太陽浮かぶ大地で溜息をつく
「私がいかに人類最強といえど人類種でしかない」
神々の決定は絶対だ
賢者は自らの魂に転生術をかける
世界の滅びが決定したということはこの世界に続きは無い
「転生術等・・・もはや意味をなさぬが・・・」
転生しても世界がないから意味はないが、死ぬ前のせめてもの願掛けだ
「この世の叡智を極めた、もはや死んでも構わぬが」
空から黒い太陽が降り注ぎ、大地は割れ、山は噴火し、一瞬の静寂の後
一つの世界が滅びた
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まどろみの中、淡い光が目に映る
これは・・・?
視界がぼやけてよく見えないが三人の人影が何かを言っているように見える
「天生さん!可愛い男の子ですよ!」
「よくやったぞ!翔子!」
三人の歓声を聞き
眠りの世界に誘われるながら確信する
転生が・・・成功した・・・