#3 あれからどうなった?
なんとかこの作品の連載は保ってくれたみたいですね。
今回は先週の続きです。
◇◆◇
あれからどうなったか気になった者が多くいると思われる。
「…………(作者から詐欺師って言われてもな……)」
僕は何回か電話をかけたが、切られてしまった。
黒川先生は仕事をこなしながら小説を書いているため、今は仕事に戻ったのだろうか?
いや、今日は日曜日だから、家かどこかで執筆中だろうか……?
それとも、消費生活センターや警察に問い合わせているのではないだろうか……?
せめて、前者であってほしい。
少なくとも後者は避けてほしいところだ。
「彼女は本当にあちらに伺っていそうだな……」
僕は苦笑するしかなかった。
このことは僕の推測に過ぎないけれど――。
◇◆◇
あれから数時間が経ったあと、僕の携帯が鳴った。
その画面を見て、僕はギョッとする。
『もしもし、黒川です』
「く、黒川先生でしょーか?」
『そうですよー。ジャスパー先生から何回も電話をかけたみたいだったので。さっきまで、出かけてたんですよー』
まさかのここに書いていなかった第4の選択肢があったのだ。
「出 か け て い た」という選択肢が!
「よかったー……よかったです……」
『ハイ? どうしたんです?』
「黒川先生が警察署か消費生活センターに問い合わせに行ったのかと思いました」
『えっ!? さっき、私が言ったことを純粋に信じていたということですか? 冗談で言っただけなのにー』
僕が純粋に涙をこぼしかけて(注・実際は泣いておりません)いたところに「冗談で言っただけ」という答えはいくらなんでもショックが大きい。
「ところで、要件はなんでしょうか?」
『出かけた時に友梨奈達にあって、例の薬のことを話したら「面白そう!」とか言われて……。実験の件はOKですよー』
「本当ですか!?」
『本当じゃなかったら電話はかけませんよ? 私も実際に興味ありますしね……その薬に』
「こんなにすぐに連絡をいただけるとは思わなかったです! ありがとうございます!」
「いえいえ、とんでもないですよ。作者として立ち合いたいだけですしね」
友梨奈さん達が興味を示してくれた模様。
これで実験をする準備はほとんど整った。
僕は彼女に実験実施日時を告げ、電話を切った。
2016/10/15 本投稿