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秘密結社ノッディン

作者: 青町

 秘密結社、謎の組織というものは存外そこら辺にあるらしい。

 灰色の空が広がる二月の初め。枝重駅のホームには寒風が吹き渡っていた。更新の期日が間近だと気付いた自分は、慌てて免許センターへ手続きをしに行った。初回講習は約二時間。滑舌のはっきりしないおっさんの説教と、雑な作りの教習ビデオは只々退屈だった。帰りの電車は三○分後。ペーパードライバーは自分だけだったのか、駅には他に人がいなかった。吹き曝しの寒いホーム。他には誰もいない。受付のおばさんに言われるがままに組合費を払ってしまったことを後悔しながら、半開きの目の免許写真の自分と睨めっこ……。惨めである。温かい飲み物でも買って心を癒やそうと近くのコンビニによる。買ったのは肉まんとホットレモン。女性店員さんの笑顔が心に染みる。レシートと共に渡されたお釣りの中から何気なく取り出した五百円玉に違和感があり、よく見てみると、縁にアルファベットが刻んである。NOddIN OOS。ノッディン? ノッディンとは?。もう一枚あった五百円玉には、そんな文字どこにもない。携帯で調べてみてもそれらしい情報は出てこない。ふと思いつく。これは偽造硬貨なのでは。何かこんな話を読んだことがあるぞ。ラノベで。中国かそこら辺りの秘密結社が、硬貨流通から日本経済を乗っ取ろうとしているに違いない。秘密結社ノッディン……、こいつは面白いことになってきやがった!。謎の興奮を抑えながらコンビニの自動扉をくぐると、駅のホームを電車が通り過ぎていった。

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