表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/13

ある侯爵令嬢の大いなる野望中編その2

明日の後編でこの侯爵令嬢の話は終わりです。

意気消沈した私にマナが試してみますか?と尋ねます。だから(わたくし)はお願いします、と言ってしまいましたわ。


「本当にできますの?」


破れかぶれになって荒んだ(わたくし)は、どうにでも慣れと思っていたのです。


「一応大丈夫だと思います。ですが、失敗する時もありますので期待はしないでください」


失敗してしまうかもしれないとマナは言ってますが、試さないで負けるのは許せません。


「構わないわ。できる事は全部やりますわ」


「そうですか。この秘蔵の魔方陣シーツの上にお眠りください。それでは、お嬢様お眠りください」


マナに言われた通りに眠りました。頭の中に願いは叶うが悪夢も呼ぶぞと(ささや)く声が聞こえてきましたが、眠くて眠くて答える事はできませんでした。




「お嬢様おはようございます。魔方陣は成功しましたね」


マナに起こされ夢が叶ったと聞いてすぐ見てみますと、今までなかった胸が信じられないくらい大きくなってますわ。


「……マナ、これは夢ではないの?本当に大きくなってます?」


信じられなくて、思わずマナに聞いてしまいましたわ。


「お嬢様、大変です。ドレスを全て作り替えないといけません。すぐ旦那様にお伝えしないといけませんね」



ああ!嬉しい〜!これでグレーザー殿下に振り向いてもらえますわ!


「お嬢様、私が念の為にドレスを直してます。着替えをして旦那様に報告しましょう」


マナの渾身のドレスを着てお父様達との朝食に向かいました。皆の驚く姿が目に見えるようですわ。マナが開けたドアを通りお父様達の側に行きます。


「⁉︎エヴァ!!それは…どどど、どうしたんだー!」


お父様の取り乱した声が響いたと思ったら、私の胸に指差ししながら顔を赤くしたお兄様がいます。


「エヴァ!!その怪しからん物は何だ!!捨ててこい!」


お兄様の心無い言葉に、マナから聞いた一族の性癖を思い出しました。チッパイ好きだという事を!


「お兄様、これはグレーザー殿下を射止める為の物。捨てる訳にはまいりません」


そう!これはグレーザー殿下をあの乳娘から取り戻すための手段。地位も教養も兼ね備えて、大きい胸を手に入れた(わたくし)は無敵ですわ!


「そ、そうだった。グレーザー殿下はでっかい物をお望みだったな。……我が家とは正反対だな」


お兄様!聞こえましてよ!チッパイが好きなんですね!


「エヴァちゃん!お母様も大きい胸が欲しいわ!教えて!」


お母様も大きい胸に憧れてましたのね。横のお父様の顔が青ざめてます。


「や!やめてくれ!リーヴァ!今のままの君を愛している!」


お父様がお母様に縋って巨乳計画阻止に懸命です。


「…フリーズ、私も貴方を愛しているわ」


お母様はお父様に愛していると言われて涙ぐんでいます。普段は、そんな事を言わないお父様でしたので喜んでますね。


「そうだ!君が前から行きたがっていた場所に旅行でも行こう!」


お母様のご機嫌とりに必死なお父様。ちょっぴり不憫ですわね。


「お仕事が忙しいのでは?」


「母上、仕事は私が代行します。心置きなく父上との旅行を楽しんで来てください」


お父様の為にお兄様は、お母様の巨乳計画を阻止に力を貸しています。


「お父様、(わたくし)ドレスを新調してもいいかしら?」


「好きにしなさい」


「今度の夜会に着て行くドレスを新調させてもらいますわ。お兄様、パートナーになってくださいね」


そう!今度の夜会で、絶対に(わたくし)がグレーザー殿下の心を掴んでみせますわ。見てなさい!乳娘!負けませんわ!















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ