第5話
時間が取れず短いです。
パーティーも終盤に入った頃、威厳たっぷりのお偉いさん(私には誰だか分からない)らしき人が騎士数人伴って来ました。王子様であるグレーザー殿下の緊張感が伝わってますので、本当に偉い人なんですね。
「久しぶりだな、グレーザー。膝の上の、素晴らしい持ち物の主を私に譲れ!」
またです。威厳たっぷりの御仁の視線は、おっぱいに注がれてます。横にいる美女が鬼の様な視線を私に向けてきます。視線で殺せるなら何回死んでるかわからない。私の所為じゃない!濡れ着です。そしてどうでもいいですが、いい加減おっぱい人間が増えるのはやめて欲しいです。
「なっ⁉︎無理です!グリンゴール陛下!私の婚約者です」
焦ったグレーザー殿下の声が会場に響きます。周りの視線が私達に集まりました。ひそひそ声で、こちらの様子を伺っています。
「姉上の息子になるグレーザーと争いたくない。国同士の喧嘩より、女を譲る方がいいぞ」
ジーと私を見てない!視線が始めから今までおっぱい に釘付け!まさか、甥と言ってたけど…この人もおっぱい好き!顔もろくすっぽ見ず譲れ⁉︎国同士の喧嘩を仕掛ける?目眩がしそう!唇を噛み締めてるグレーザー殿下の顔が見えます。私にはどちらでも変わらないと思うのですが。
「グリンゴール!」
私達の元に、殿下の両親のフランシス陛下とグレイス王妃様が駆けつけて来ました。顔色が悪い2人を見てもグリンゴール陛下は素知らぬ顔をしています。
「これは、姉上お久しぶりです。良い物を見つけました。グレーザーに譲る様に言って頂けませんか?」
困った顔を王妃様がしています。えーと、もしかして私……今度はこの新たなおっぱいフェチに譲られる?
「グリンゴール、分かってると思っていますけれど今日はグレーザーの婚約披露なのよ」
王妃様の言葉など、何処吹く風のごとく無視の方向ですか!厳しい顔のままだ。撤回する気のない様子。
「諦めては貰えないだろうか?」
フランシス陛下が冷や汗ダラダラで息子の為に頑張ってます。陛下でも怖いんだ〜。私だって関わり合いになりたいタイプじゃないわ〜。
「分かってないな。姉上が貴方を婿にと言わなければここにはいない。大国である我が国に逆らうつもりなのか?」
ひー!脅してるよ!こわ!おっぱいフェチに権力持たすとこんなに酷い事になるんだ。戦争が自分のおっぱいで始まる何て嫌だ〜!
「そうです。フランシス陛下、我が国の王グリンゴール陛下のお言葉に逆らうつもりなのですか?」
グリンゴール陛下付きの騎士が陛下に逆らうなんて!と言って怒っています。怖くても何か言って置かないと後で後悔しそう!
「ら、乱暴な人は嫌いです」
あ!思わず本音言っちゃったー!やばい!これからもどうなるんだろう?おっぱい小さくならないかなぁ〜。ため息が果てしなく溢れてきた。私の苦行はまだまだ続きそうです。