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第4話

 皆さん信じられますか?私は、強引に婚約パーティーに連れてこられました。と言っても、信じたくない特等席です。

 ふっ……泣いていいですか?この歳になって、人様の膝上に座るなんて思いませんでした。

 どや顔のグレーザー殿下にうんざりしてます。その顔の根拠は何なんでしょうね?ひっそり暮らす方が、私には合ってるんです。

 微笑みながら見られても困ります。周りの人達の好奇心に満ちた顔と蔑みと嫉妬の嵐です。


「くくく、ここが1番安全だよ。降りたらお仕置きだ。パーティーの最後まで私の膝上にいなさい」


 それはそうですが……怖そうな令嬢の中に放り込まれても途方にくれそうですが、この場所も苦痛な事に変わりがないのでは?

 1度やりました仕置き。貴方にとってはご褒美になりません?エロ衣装の着せ替え人形って楽しいですか?

 私には罰になってますが!変態ですよ!変態!世の中の男の人は皆同じなんですか?

 侍女の皆さんが着せ替えしてくれましたが、全員が顔が残念だという表情していました。

 幾らお化粧をしても、普通の顔から変わりません。大丈夫ですよ侍女の皆さん、顔なんて殿下は見てませんから、ひたすら服に包まれるおっぱいを、ギラギラする目で見てただけです。


「……」


 この瞬間も見てるのはおっぱい。1におっぱい、2におっぱい、3、4、がなくて5におっぱいですよ!この殿下。


「ここからの眺めがいい、…他に見せたくはない」


 上を見上げると、いい笑顔です。眺め、眺めですか?……それって、もしかしなくてもおっぱいですか?私の胸は景色じゃないですよ。

 どうりで、ご令嬢様方達の殺してやる視線になってる訳ですね。下見てたら気付きませんよねー!

 私は無実です。ご令嬢様方、頑張って、おっぱい大好き王子様をゲットしてください!お願いします。1人くらい、私と同じ大きさ持ってる令嬢いないの?


「…あ!いた!」


 もしかしてこの立場を代わってもらえる!おっぱい殿下に教えなくては!


「…?」


 私の、嬉しそうな顔に驚いてるグレーザー殿下。無視しながら、おっぱい持ちの令嬢を探してる私。豪奢なドレスに私と同じ?……違う残念だけど偽物?持ってる私には分かる。上手く誤魔化しているけど偽乳だよね〜。それでもいいから王子様が騙されてくれないかなぁ〜。


「ん?どうかしたか?」


 一応言ってみるのもいいよね。騙されてくれれば私が自由になれる!偽乳でもいいわ。逃げられれば!


「素敵な方がいますね」


 ほら、と視線を向けると王子様もそちらを見ました。気付いた令嬢が、にっこりと微笑みを向けてきます。

 気合の入った笑顔です。流石生まれ持った気品ありの物件。


「あれはダメだ。偽乳は、私の美意識に反する。嘘で固めた物など赦せるか」


 ふん!と鼻で笑ってます。やはりダメでした。王子様は評価は厳しい様です。偽乳か本物か分かるらしい。本物の変態だ!外見は爽やかに演じながら、中身はおっぱい菌で犯されてる変態なのね。


「じゃあ、彼方は?」


 もう一方の令嬢を勧めてみた。チラ見してため息を吐いてる。気に入らないらしい。


「あれは形が悪い。大きいが、色も悪いし手入れが悪い粗悪品だ」


 そ、粗悪品。目がいいのか、拘りが半端ないのか理解に苦しむわ。自分の為に次々勧めてみた。厳しい目のまま令嬢観察半端ない。おっぱいに関しては妥協はしないようです。


「では、あそこにいる令嬢は?」


 次にあげた令嬢を見て批評している。じっと見つめただけで何故?どうしてこれ程分かるのかしら?変態の、変態ゆえのなせる業なの〜!おっぱいにかける情熱すごい!


「あれは、底上げしてある」


 私の顔が引きつりそうになったが、おっぱいしか見てない殿下が気付く事ない。懸命に探して勧めるが、いい返事が一度も無いのに落胆しそう。


「そっちは?」



 目に付いた、新たな令嬢を示して関心を持ってもらおうとしても、容赦ないおっぱい鑑定に涙が出そう。透けて見えるのー!と思える眼力に変態力高いのね〜と思った。


「誤魔化しているが垂れている」


 それでも負けじと勧めても、鑑定眼の評価は低い。そこまで分かるの?表面上見えないよね?


「正面にいる令嬢は?」


 魔法具で誤魔化した物まで分かるのは、仕掛けでもあるのかしら?この殿下の、おっぱいにかける情熱を他の所に使ってくれればいいのに。


「残念だが魔法具である様に見せてるだけだ」


「……」


 私の試みが敗れました。勧めてみましたが、詐称疑惑(さしょうぎわく)だらけの令嬢しかいませんでした。もっと怖いのが、それが分かる王子様ではないのか?って思った。誰か巨乳のお嬢様を紹介してください!お願いします!






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