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ルルヴァニアの戦い

戦争はもう少し続きます。

 まず、戦いの舞台となったルルヴァニアのことを軽く説明しよう。



 空から俯瞰すると、ルルヴァニアという土地はそこここに小高い丘のある地形で、陣を敷くには非常に都合の良い土地であった。


 北には、アヤド山という自然のカーテンがあり、北国ルジャイロ帝国の介入も防ぐことができる。

 また、東、スベンノ王国側に広がるシャヴィ平原は見晴らしの良い真っ平らな地形で、馬を走らせるにはもってこいの平原である。


 西、ニファーナ王国側は、シャヴィ平原から見ると少し山形やまなりで、戦況を捉えるにはちょうど良い高さになっていた。


 南には不可侵を表明しているスルピ自由国の長城が遠くの方に見える平野があった。






 東に、スベンノ王国軍12万。西にニファーナ王国軍20万の大軍がそれぞれ陣を敷き、開戦を今や遅しと待っていた。


 言うまでもなくこれは最終決戦であり、両軍の士気は高かったのだが、数に劣るスベンノ兵の士気の方がそれでもはるかに高かった。


 それには一人の男に、理由があった。



 現在まで語り継がれる猛将、魔法騎士ドレイクの存在である。





 *****






 8月



「隊長、まもなくですぞ」


 我が王国のナショナルカラーである薄い青色で縁取られた鎧兜に身を包んだ副官、ディムルが俺に話しかける。

 どことなく、厳かな気配が陣をつつみこむ。


「第二、第三隊も布陣完了とのことです!」


 陣に来た伝令に軽い褒美を与え、了解の意を首肯と視線で伝えると、俺はおもむろに立ち上がった。



「聞け、皆の衆。かの国との戦い、思えば沢山の死人を出した。きっとお前たちの家族にも少なくない影響があっただろう。だが、それも今日勝てば! 全てが報われる!


 こんな若輩者に二万五千の大軍を与えてくださった陛下に報いるために、我々は勝たねばならない!


 あの悪魔に取り憑かれた女によって引き起こされた戦で死んだ者たちの鎮魂のためにも勝たねばならない!


 我らスベンノ王国第一隊! 出陣だ!」




 《うおおおおおおーーー!!!》




(参考)『百人斬りドレイクの最期』(ディムル・バンザン著)

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