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謎の建造物(ビルディング)
東ニャルベラ地方の民間伝承の一つに、こんな話がある。
人間は死んだ後、その魂が神の国に行くか、あるいは無間の闇の世界に堕とされるかの裁判にかけられる。
その際の判断を下す神である裁きの神ジャティスは、そのものの魂の有り様を絶対的な善悪でなく、そのものが社会に対してどれだけ善で、或いはどれだけ悪であったのかをはかるのだという。
もちろん、社会の改革に失敗し、失意のうちにこの世を去り、しかしながらその魂に汚れがない場合は、天国に行く魂も存在するのだという。
つまり、天国か地獄かはジャティスの眼とその魂がどれだけ美しいかで決められるのである。
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結論から言えば、レオンは死んだ。
しかしレオンが見たのは、噂に聞く神の国でも、何もない無県の闇でもなかった。
彼の眼に広がったのは、謎の遺跡。
その遺跡には、夥しい数の建造物が所狭しと建ち並んでいた。
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次回より、本格的に描き始めます。