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駆虎呑狼の計

 司の指差す方を見ると一キロぐらい離れた所を4体のドラゴンが編隊を組んで、こちらに向かって飛行してくるのが見える。


「はいコレ持って、早く逃げるわよ!」

 司は俺にロケットランチャーを渡す。


「な、なあ、俺こんなの使えないぞ……」


「別に、あんたにそんなこと期待してないから、それよりこっち」


 そうですか……

俺たちはドラゴンに追われる様にドラゴンの反対方向に向かって逃げる。


 しばらく走ると司は携帯電話の地図アプリを確認し言う。

「たしか、この辺に……」


「いたぞ! 捕らえろ!」

 後ろから声が聞こえ確認すると、すでにドラゴンとの距離が百メートルも無いほど迫っていた。


「ヤバイ! 追いつかれる!」


「そこの車庫に隠れるわ!」

 司は近くの民家にある車庫を指差す。


「逃がすか!」

 ドラゴンは口に火炎を溜め、それを球状にして俺たちに向けて放つ。


「今だ!」

 車庫に飛び込む俺たち。

 球状の火炎は俺たちをかすめ道路に当たり、その炎を拡散させ退路をふさぐ。


「……見失ったか――各自、散開して周辺の捜索を続けろ!」

 火炎を放ったドラゴンに乗るリーダ格の男が指示を出す。

 他のドラゴンたちはその指示に従い各自、車庫周辺の捜索を始めた。


「……だ、大丈夫か?」


「……なんとかね」

 苦笑いを浮かべる司。


「これからどうする?」


「そんなの決まってるじゃない、アイツら倒すわよ!」

 司は自信満々で俺にそう宣言した。


「どう考えたら、その発想に行き着くんだよ……」

 そんな俺をよそに司は車庫にあるダンボールを物色し始める。


 無視ですか……


「……なあ、何やってるんだ?」


「たしか……この辺に隠した無線機が……あるはず」

 司は無線機を探しながら話を続ける。


「この世界では、大きな三つの勢力があって互いに対立し戦闘を繰り広げている。それを利用すれば反撃ができるはず……あった!」


「……利用する?」

 困惑する俺を放置し司はどこかに無線を掛ける。


「司令部応答せよ。」


「……こちら司令部」


「四体編成のドラゴン部隊を発見。至急、増援を要請する。」


「……了解――位置を確認した。増援を送る」


 無線を切り、司は言う。

「移動するわよ」


「移動するって……外はドラゴンの連中が俺たちを探しているんだぞ」


「ドラゴンは〝増援〟が何とかしてくれるわ」


「やっぱり、さっきの無線の相手、仲間だったのか。なら、そう言ってくればよかったのに」

 これで少しは安心できるな……


 司は呆れ顔で言う。

「……そんなわけ無いでしょ、敵に決まってるじゃない」


「これ以上事態を悪化させて、どうするんだよ!」


「敵って言ってもただの敵じゃないわ。あたし達にとっても敵だけど、あのドラゴン連中にとっても敵。だから、あたし達は奴らが戦ってるスキに安全に移動するって作戦よ。どう? 完璧でしょ!」


 司は携帯電話の時間を確認する。

「そろそろ時間ね。移動するわよ」


「ま、待てよ。どこに行くんだ?」


「そういえば、まだ言って無かったわね」

 司は携帯電話を取り出し地図アプリを起動させ俺に見せる。


「今からここに移動するわ」

 携帯電話の画面には水門大橋と書かれていた。

 ここから走って十数分のところにある川に架かる橋で、その名の通り水門が橋に沿って十一箇所に設けられている全長、八百メートルにも及ぶ大きな橋だ。


「橋に行けば何とか、戦闘に巻き込まれずに済む――」

 司の発言を遮るかのように、乾いた銃声が鳴り響く。

 同時にドラゴンの悲鳴のような声が聞こえ、隣の民家に落下し直撃するドラゴン。民家は轟音を立て崩れ去り、その上を武装ヘリ六機が飛び行く。


「始まったわ、私たちも早く橋に向かうわよ」


「そうだな……」

 安全に移動するって――全然、安全じゃないだろ……


 しかし、俺の考えは杞憂に終わる。

 移動中は戦闘に巻き込まれることも無く、司の言った通り安全に移動でき、時間も十数分もかからなかった。


「この辺でいいわ」

 俺たちは、橋の中腹に差し掛かったところで足を止める。


 司は俺たちの来た方向を指差し言う。

「見て、いい眺めでしょ」


 確かにここは、ドラゴンと武装ヘリの戦闘を眺めるには絶好のポイントだった。

 少々ドラゴン側のほうが、押されてる気が……

 俺が戦いを眺めるのに夢中になっていると、司はとんでもないことを言い立てる。


「そろそろ、武装ヘリの連中もあたしの無線で騙されたって事に気づく頃ね」


「……司さん、今なんて?」


 司はそれが、当たり前かのように言う。

「だから、武装ヘリの連中が勝てば、あたし達を追ってくるって事よ」


「じゃあ、早く逃げるぞ!」


「その必要は無いわ」


「は!? 何言ってる!?」


「あのドラゴンと武装ヘリの連中はもうすぐで消えるわ」


 司は近くにある乗用車のボンネットに腰をかけ話す。

「あたしの作戦は、まだ終わってないわ、ここからが最後の仕上げ。秀、あたしは三つの勢力を利用するって言ったはず、一つ足りないじゃない」


 その時だった。

 三機の戦闘機が、ドラゴンと武装ヘリの方に向け、凄まじいジェット音と共に俺たちの頭上を飛び去って行く。

 戦いの決着は、ものの十数分でつくことになる……その力差は圧倒的な物だった。

 まず、武装ヘリ六機があっという間に叩き落され、それを見たドラゴン達は、一目散に逃げ出すもスピードでは戦闘機に勝てず、こちらも数分とたたず三体全員を迎撃、ドラゴンを全て地面にたたき付け、戦闘機三機は何事も無かったように、もと来た方向に去って行った。


「一体……何が起きた!?」

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