「追憶」
ねぇルカ。私、時々思うの。
「なぁに? サン」
私ね、あなたや皆のことが大好きなのよ。愛しい、って意味がやっとわかったの。私きっと、あなた達と一緒にいたいんだわ。ずっと、これからもずっとよ。
「私も大好きだよ」
それからね、ルカには感謝してるの。私に“生”をくれた。幸せをくれた。捨てかけた命を拾い上げてくれて、存在理由と世界をくれた。
生きてて良かった、そう思えたのは初めてだったの。毎日が殺し合いでも、全てが綺麗で幸せ。嬉しくて堪らなかった……だから、
「……サン?」
ルカの為なら死んでも良いな、ってずっと思ってた。あの日から決めてたのよ、私の命はあなたの為にあるの。あなたとあなたを取り巻く世界に私の命を捧げる。素敵だと思わない?
「私の為に死ぬの?」
そうよ。そして皆の為。
「ダメだよ。皆の為に死ぬのは私の役だもん」
あら、そうなの?
「そうだよ」
ふふ、ルカには敵わないわね。じゃあ私はどうすれば良いのかしら。
「じゃあ――皆の為に生きるのが、あなたの役目」
「……やだ、サンったら何て顔してるの」
ルカ。
一つだけ、お願いがあるの。あなたに頼みたいこと。あなたじゃなきゃ駄目なの、約束してくれる?
「……なぁに?」
私はね、怖いのよ。いつか突然殺人鬼に戻って、仲間に、あなたに刄を向けてしまったら
「サンドラ」
わかるのよ、だって私は人間には戻れない。いつか必ず終わりが来るの。
……それは、皆の為に生きてることにならないから。私が嫌なの。私の自己満足の為の、お願い(貴女のせいじゃないから)。
「……うん」
我儘でごめんね。
ねぇルカ、その時は――
(その時はきっと――……)