異端
私は今、驚いている。
モニターに映る彼の頭の回転、機転の早さに驚いている。
嫉妬すら覚える。
「すごい……素晴らしい理解力ですね」
「あぁ、彼はやはり特別な存在だよ」
「では、このまま彼でプロジェクトを進めてもよろしいでしょうか?」
「そうだな、じゃあ計画通り進めよう。レイチェル君、社長にも伝えておいてくれ」
「わかりました」
社長に報告しに行こう。
今回は成功したのだと。
きっと喜んでくれる、そうに違いない。
コンコンと2回ノックを鳴らす。
「誰だ」
「レイです」
「入れ」
ドアを開け椅子に座る。
社長の椅子は柔らかいが、あの方を目の前にすると威圧感やプレッシャーで緊張してしまい、固く感じてしまう。
「例の計画、彼で問題ないようです」
「ほう……、やはり適任だったか」
「そのようです」
私がそういうと不意に立ち上がり、社長は震えだした。
「どうか……しましたか?」
「……ふっ、やはり彼は……俺の……」
「思った通りの!!駒だったなぁあああああぁぁあああぁあああああっはっはっはっはっはああああああああーっはっはっはっは」
社長が……笑っている。
こんなこと入社してから一度もなかったのに・・・彼は一体何者で、社長とどんな繋がりがあるんだろうか。
私は何もわからぬまま、その場を後にした。
「君はこの状況でパニックにならないんだね」
それは喋りかけてきた、さっきから同じ内容の事しか聞いてこないが。
「君は……リーンだね?」
「そうだよ!もしかして君は僕のこと知ってるの?」
「知ってるも何も、俺のやってるネットゲームに出てくるキャラクターじゃないか」
「理解が早いね~」
やはり……俺はどうやらゲームの世界に来てしまったようだ。




