一話 日常の始まり
夢を見ていた。
謎の記憶の知らない記憶の者たちが戦い続けている記憶の夢。
涙を流している女性が頭から離れることができなかった。
それはなぜなのかはわからない。
それはまるで、自分自身のことに対してのようであり、どこか他人事のようには思えなかったのだ。
起き上がったのは高校生ぐらいの少年の名前は『神天零真』。
その少年が立ち上がり、着替えをする。
いつものような道を歩いて行こうとする。
すると、そこに立って待ってた一人の美少女がいた。
「あ、来たんだね。零真」
「ミリシアか…(なんだろうな……あのへんな夢のせいなのか、こいつを見ていると、あの涙を流したあの女性を思い出す。)」
彼女の名前はミリシア・アマガミ・セレスタイト。
『セレスタイト財団』と呼ばれる大財閥の娘であり、神天零真とは幼馴染である。
そんな彼女であるが、零真は考え込むようにしてミリシアを見る。
そして、悲しそうな顔をしていることに気がついたミリシアは零真を見て聞く。
「どうしたの?そんな悲しそうな顔をして……」
「いや、なんでもない……変な夢を見ただけだ。」
そう言って零真は歩き出す。
ミリシアは少し不思議そうな顔をしてみており、一緒に学園に登校する。
歩いていく中、校門の前に着く二人。
この学園の名前は『エクセシオン学園』。
世界最高峰の財団や大富豪や各国が協力しあって作ったマンモス校。
学園の維持には国そのものが関わっているため、優れた卒業生がいるとされているが、零真はそれには興味なく、ただ単に近場だったからである(ミリシアがこの学園に入るように圧をかけていたというものあるが……)
「今日もつまらない学園生活の始まりか……」
「そんなこと言わないの!」
「ここにいたって俺は全てわかるんだ。そう思っていたっておかしくないだろう。」
「もう……」
ミリシアは淡々とつまらない顔をする彼をみて呆れてしまうと同時に悲しくなってしまっていた。
ミリシアがここに入れたのは彼が優れているが故に誰にも分かりあうことができていないことを憂いてしまったがためだったのだ。
子供の頃はいつも笑顔でミリシアはそんな零真が大好きであったのだが、大人になるにつれて、だんだんと優れていく彼に笑顔がなくなっていったのだ。
そして、決定的になったのは彼の両親が何者かに殺されてしまったからだ。
そんな彼のことをずっと見守っていたのはミリシアだったのだ。
だからこそ、ミリシアは零真に必要以上に関わってしまっているのだ。
それが愛なのか、家族愛なのか、それはわからないが、この関係をずっと大切にしたいと思っているのだ。
「(いつか、彼が笑顔になってくれる時が楽しみだなぁ…)」
そう未来を楽しみにしながらミリシアは零真と一緒に門を潜り、学園に入っていくのだった。
そして、二人は知らない…
遠くない未来、この平穏が終わることを……
その未来まで後……少し……
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