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現代に帰還した"元"邪悪な魔女は平穏に暮らしたいけど、駄目そうなので周到に準備して立ち回りながら無双します  作者: 忘八


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現地入り

長々としてるが未だ潜入開始じゃないんだ


申し訳無い


 金曜日の放課後。

 独りノンビリとソロでゆるキャンする名目で土日をフリーで動ける様にした正樹は、涼子と共に異世界へ現地入り。

 それから現地に溶け込む為に当時の風俗を詳しく知る生き字引とも言える涼子のコーディネートで現地の装いをして、傍から見れば誰もが流れの旅人か冒険者に見えぬ姿となった。

 そんな姿で監獄のある島から近い港街であるシャブールへ旅人の姿をするトランクを手にする涼子と共に足を踏み入れた正樹は、涼子に言う。


 「歴史好きとしては当時の世界の人々の息遣いや言葉を聞いて肌で感じる事が出来て感動してる」


 歴史好きとして、文献でしか知り得ない当時の世界の息吹を感じる事に正樹は本心から感動していた。

 そんな正樹に涼子は言う。


 「そりゃ良かったわね。機会があれば、観光ツアーでも組んであげても良いわよ?」


 「それはガチで魅力的だ。だから、それは俺の問題が全部片付いてからの楽しみにしておく」


 本心からやんわりと拒否する正樹に涼子は「なら、その時まで死なないでね。私の予定が台無しになるから」そう返せば、正樹と共に現地協力者が用意してくれた隠れ家へと歩みを進めていく。

 尾行者の有無を然りげ無く確認しながら歩みを進めて行く内に、涼子と正樹は一軒のアパルトマン(共同住宅)の前立った。


 「此処か?」


 「そうよ。此処の1室を提供してくれたわ」


 涼子が協力を恩義を盾に取り付けた際に用意してくれた事を言えば、正樹は「現地にコネあると捗るな」と暢気に返した。

 正樹と共に中に入ると、涼子に(いざな)われるままに部屋へと向かう。

 部屋に入ると中は広々としており、綺麗に清掃されていたのか?清潔感に満ちていた。

 部屋の空気を入れ替える為に窓を開けた涼子に正樹は尋ねる。


 「船の手配は?」


 「既に済んでる。指定された時間に港へ行けば、目的地から近い所まで出港してくれる」


 「それなら良い。帰りの船は?」


 正樹が潜入工作のプロとして大事な帰りの船の事を尋ねれば、涼子は答える。


 「明日の深夜。トラブルが無ければ、指定された時間に指定された所を航行するわ」


 「ソレで良い。それまでには所定を完結させる」


 正樹はそう返すと、涼子に創美を出す様に命じた。

 「了解」の言葉と共に涼子はトランクを備え付けのベッドに置くと、トランクを開けて中から正樹が準備した各種装具をベッドに並べていく。

 そうして、涼子が全ての装具類を出して並べ終えると、正樹は1つずつ手に取って確認も兼ねた点検をしていく。


 「そう言えば、長物(小銃や短機関銃等)は持って行かないみたいだけど良いの?」


 涼子が装具類の点検をする正樹に尋ねれば、正樹は点検作業を進めながら返す。


 「戦闘する訳じゃない。そりゃ、確かに自衛用に火力のある武器は欲しいさ。でも、戦闘は極力避ける方向に徹したいから余計な荷物は持ち込みたくないんだ」


 「成る程ね。因みに戦闘になったら?」


 当然とも言える涼子の質問に正樹はアッケラカンに答える。


 「その時は一目散に逃げて撤退するに決まってる」


 億面も無く堂々とアッサリ逃げる事を正樹が宣えば、涼子は呆れ混じりに返すしか無かった。


 「大概の"坊や"は逃げる事すら考えないのに、サラッと億面も無く逃げる事を選べるのは流石と言うべきかしら?」


 皮肉も混じった涼子の言葉に正樹は堂々と言葉を返す。


 「そりゃ、見た目はガキだけど中身は50過ぎのジジイだからな……いやぁ、若い身体って良いわ。ピーク時(全盛期)に最も近いパワーとスタミナ使えるんだから」


 開き直りとも言える正樹の言葉を聞くと、涼子はふと気になった事を思い出して尋ねる。


 「そのパワーやスタミナ抜きの状態で魔導扱える奴にどうやって勝って来たのよ?」


 涼子の問いに正樹は正直に答えた。


 「ただ運が良かっただけだ」


 正樹の答えに涼子は呆れ混じりに吐き捨てる。


 「要するに答える気は無い訳ね」


 「いや、マジで本心だぞ。そりゃ、対策とかしたりはしたさ?でも、大概が余裕で勝った訳じゃねぇからな……てか、最後の勝負ではボロ負けしてるし」


 本心から答えた正樹に涼子は益々呆れてしまう。


 「そんな運だけで魔導使える奴に勝てたら苦労しないわよ」


 「そうか?組み付いて首をへし折ったり、毒盛ったり、無防備な所を狙って狙撃や爆破したりすれば簡単ではあるぞ」


 サラリと卑怯な手段を口にすれば、涼子は呆れ混じりに言う。


 「それ、何処の衛宮切嗣?」


 とあるキャラクターの名前が出ると、正樹は不愉快そうに返した。


 「辞めてくれ。俺、アイツがガチで嫌いやねん」


 「あら?意外ね」


 心の底から意外そうに感じている涼子に正樹は言う。


 「意外じゃねぇよ。ただ、正義の味方を目指してたんなら両方救うくらいの気概とヤル気を見せろよ……って思うだけだ」


 そんな正樹の答えに興味が湧いたのか?

 涼子は問うた。


 「貴方の言う正義の味方ってどんなの?」


 「そうだな……救おうとする者を最初から見棄てない奴。そう言うべきか?」


 正樹の答えを聞くと、涼子は沈黙と共に続きを促していく。


 「最初から見棄てて切り棄てる事なんざ、誰にでも出来る。だからこそ、正義の味方を目指すならこそ、可能性が低くても最後の最後まで助ける手段を模索し続けて一縷の望みに賭け、相手を助けようと尽力するべきだ」


 語られた言葉に少しだけ悲痛な面持ちになった涼子は言う。


 「耳が痛いわね」


 虐殺した時の事を思い出し、少しだけ悲痛な面持ちを浮かべる涼子を気にする事無く正樹は言葉を続けていく。


 「医療関係者初めとした人を救おうとする人達を例に取るなら、患者を救う為に過労死上等。時には嫌われるのも承知で患者にコレを絶対にしろ、アレはするなって言って患者を救う為の準備した上で治療に尽力する。確かに時にはトリアージして取捨選択する事だってある。だが、ソレでも救える限り救おうと尽力している事に変わりはない」


 正樹の言葉を受け止め、納得した上で涼子は問うた。


 「えぇ、その通りね。なら、貴方はあの時、何で40名近くの子供を見棄てたの?」


 同じ帰還者の若者達を殺害した事を問われれば、正樹はアッケラカンに答えた。


 「決まってる。俺が正義の味方とは程遠い対極に位置する糞なロクデナシのクズな悪党で、連中を殺す事が仕事だったからだ」


 アッケラカンに答えた正樹の言葉には、明らかに「バカバカしい」そう言える侮蔑的なモノが含まれていた。

 そんな正樹に涼子は尋ねる。


 「貴方風に言うなら、糞なロクデナシのクズな悪党が人の為に尽力しようって言ったら笑う?」


 真剣な眼差しと共に問われると、正樹は真剣な表情と共に答えた。


 「笑う理由が無い。俺の好きな曲にアメイジンググレイスがあるが、アレの作詞者で当時の奴隷貿易に従事していたジョン・ニュートンの例を踏まえるなら、珍しくも何とも無い話だ」


 「貴方がアメイジンググレイスが好きなんて意外ね」


 「そうか?まぁ、言える事はどんなクソ野郎であっても人を救わんと尽力するのをバカにする理由は無いし、してはいけないと思っている」


 「ソレが俺のスタンスだ」そう締め括った正樹に涼子は「ありがとう」と、感謝した。

 そんな涼子に正樹は尋ねる。


 「神話レベルで語られる悪逆非道な魔女様にしては偉く殊勝な事を聴くな?どうしてだ?」


 正樹の問いに涼子は答える。


 「別に……ただ、好奇心から聞いてみたくなったのよ」


 はぐらかす様に答えた涼子に正樹が追及する事は無かった。


 「そうか。まぁ、イデー(イデオロギー)やらポリシーを変えたくなってもソイツの自由さ」


 そう告げた正樹は「だが……」と、前置きしてから更に言葉を続ける。


 「仕事に持ち込むのは無しにしてくれ。俺は目的を果たす前に死にたくないんでな」


 正樹の言葉は涼子に対して釘を刺す者をであった。

 涼子は正樹から刺された釘を受け入れた。


 「解ってるわよ」


 涼子が己の言葉を受け入れると、正樹は親切な笑みと共に告げる。


 「まぁ、愚痴りたくなったら何時でも言え。一応、聞いてやっから」


 「なら、貴方はクソムカつく仕事とか気分悪くなる仕事をする時はどうしてるの?教えて貰えるかしら?」


 その問いに正樹は涼しい顔で答えた。


 「簡単さ。他人事だと思えば良い」


 シレッと他人事。

 そう言われると、涼子は「参考にならねぇわ」と、呆れる事しか出来なかった。

 そうして会話が終わると、正樹は潜入に用いる各種装具の点検に黙々と没頭。

 各種装具の点検が終われば、持ち込んだ軍用無線機の点検。

 それから、暗号キーも含めた周波数合わせもした。

 こうして、潜入の為の支度が済めば、正樹は涼子と共に腹拵えの為に夕食を食べに行くのであった。

 夕食を済ませて部屋に帰った後。

 正樹は潜入の為の体力を温存する為、ベッドに横たわって仮眠した。

 そんな正樹の寝顔に涼子は「暢気ね」そう呆れると共に何処か心強さを感じてしまう。


 「ふっつー、命懸けの危険な作戦する前って緊張とかで落ち着かない様子になると思うんだけど、私の勘違いかしら?」


 涼子がボヤくと、何時の間にか部屋に居たエレオノーレは言う。


 「休める時には徹底的に休み、その時が来るまで英気を養えるのは良い兵士の証拠だ」


 「だとしても、緊張感無さすぎるわ」


 「ソレは否定せん」


 流石のエレオノーレも正樹の緊張感の無さに呆れてしまう。

 そんな正樹を前に涼子とエレオノーレは会話をしていく。


 「それで?守備は?」


 「貴様に指示された通り、設置してきた」


 涼子は現地であるこの異世界に先行させていたエレオノーレに幾つかの準備を任せていた。

 勿論、正樹が要望した内容である。

 そんな準備が完了した事をエレオノーレから直接聞けば、涼子は安心した様子で返す。


 「なら、大丈夫そうね」


 「それで?貴様等の勝算はどれほどだ?」


 唐突なエレオノーレの問いに対し、涼子は何の事か?察していたのだろう。

 正直に答えた。


 「そうね。限りなく不可能に近いわ」


 涼子の答えにエレオノーレは意外そうに言う。


 「貴様らしくないな」


 「だって、あのクソ師匠に私は勝った事が無いんだから仕方無いでしょ」


 可能性が不可能に近い。

 そう答えた理由を聴くと、エレオノーレは更に問うた。


 「ならば、この男の復讐に付き合ってる?昔の貴様ならば、捨て置いてるだろう?」


 エレオノーレの問いに涼子は面倒臭そうに答える。


 「クソ師匠からやれ言われたから挑戦するだけよ」


 永い付き合いがあるからこそ、エレオノーレは涼子の答えが嘘だと即座に看破した。


 「嘘を吐くならもっとマシな嘘を吐け」


 嘘を看破されると、涼子は素直に降参したのだろう。

 本音を語っていく。


 「やっぱ、付き合い永いからバレるのね……先ず第一に負けっぱなしなのは腹立つ。次にあのクソ師匠がくたばる様を特等席で眺めたい。コレが理由ね」


 涼子の言葉は本心からのモノであった。

 だが、エレオノーレは語られた2つの理由とは別に理由がある。

 そう感じていた。

 だが、ソレに触れようとはしなかった。


 「そう言う事にしといてやろう」


 己が語った本心とは別に理由がある事をエレオノーレが察している事を涼子は察すると、感謝した。


 「ありがとう」


 「礼は要らん。私には関係無い話でしかない」


 「貴女のそう言う線引きをキチンとしてる所、私は好きよ」


 「ふん。それで、あのクソアマが蘇らせた(正樹)の身体をどう思う?」


 エレオノーレが話題を変えると、涼子は「未だ詳しく解析してないから具体的な事は言えないわよ」そう前置きしてから答える。


 「とんでもない材料で構築された特別なアンデッドなのは確か……その影響で魔力が視えてたんじゃないか?って感じもしなくもない。貴女は?」


 答えた涼子から水を向けられると、エレオノーレは答える。


 「アンデッドだとするならば、定期的な手入れ(メンテナンス)が必要な筈だ。だが、その手入れ(メンテナンス)がされた痕跡が見当たらん」


 蘇ったアンデッドは定期的なメンテナンスが必要である。

 特に寸分の狂いも無く完全な人間を再現したならば尚更、高度なメンテナンスが必要となる。

 しかし、涼子はそのメンテナンスをしていない。

 その点をエレオノーレから指摘されると、涼子は意見に同意する様に返した。


 「あぁ、ソレは私も疑問に感じてる。今回の偵察が終わったら解析してみるけど、私でもお手上げの場合は絶対に頼りたくない相手に頼らざる獲ないわ」


 頼りたくない相手に頼る。

 その答えにエレオノーレは確認も兼ねて問う。


 「フィリアに頼るのか?」


 「えぇ、私が知る限り死霊術に於いて最高の腕を持った奴はあの腐れ死体しか居ないから……」


 己の問いを肯定する涼子にエレオノーレは言う。


 「本気で挑む訳か……過去の禍根を呑み込んで」


 「用が済んだらこの手で地獄に送って(ブチ殺して)、2度と現世に現れない様にしてやるんだけどね♡」


 そう答えた涼子の笑みは邪悪な魔女のソレであった。

 そんな涼子にエレオノーレは笑みを浮かべる。


 「やはり、貴様はその邪悪な笑みが似合う」


 「辞めろ。"そっち"もイケるけど、アンタは趣味じゃない」


 エレオノーレに吐き捨てると、涼子は確認の為に問うた。


 「あの腐れ死体(フィリア)は今もあの辛気臭い所に居るの?」


 「あぁ、奴はここ100年以上。あの沼地に引き籠もってる」


 エレオノーレが肯定すると、涼子はやれやれと言わんばかりに言う。


 「そうなると……奴のホームグラウンドで殺り合う事も念頭に入れないといけないし、下手しなくても奴に付き従う死霊騎士共とも戦闘になるわね」


 「その前に教会の連中があの沼地周囲に巨大な壁を構築して隔離してるがな……」


 「マジで?なら、"エルフの枢機卿"は?」


 エルフの枢機卿。

 その呼び名を聴くと、エレオノーレは答える。


 「奴は枢機卿の任から降りて教皇の相談役と言う名目で隠居している」


 エルフの枢機卿の現況を聴くと、涼子は都合良いと言わんばかりに言う。


 「なら、運が良ければ権力借りれそうね」


 「借りれなかったらどうする?」


 「そうね、魔女らしく無理矢理押し通る。それだけよ」


 涼子は邪悪な魔女らしく。

 邪悪な笑みと共に返すのであった。




当時の正樹も非道なブラックオプスやらウェットワーク命じられた最初の頃は滅茶苦茶葛藤したし、自己嫌悪にも陥ってたよ(本当に

でも、非道を繰り返す事に慣れた。と、言うよりは諦観する様になって「他人事でしかない」と実行した当事者でありながら他人事として扱う様になって、胸糞悪い気分を飯食って酒飲んで煙草吸って女とヤッて糞して寝るで忘れる様にもなった


あ、因みにだけど涼子に答えた言葉は全て本心だよ(マジ

正義の味方すんなら全部救うぐらいしろ、出来ねぇなら出来ねぇにしても救う努力しやがれ、最初から見棄てて正義の味方名乗るなクソボケって考えの持ち主


後、悪人が善人になろうとしたり、他者を救おうと尽力したり、奮闘する事に関しても尊重するし、敬意も抱くよ


自分がそう言うのの対極にある極悪人であるのを理解してるからこその無い者強請りみたいな羨望なんだけどね←


バッドエンドばっか見続けてるからある意味で、ハッピーエンド厨と言っても良いかも知んないね←


最後に…

感想とか評価とかくれると嬉しいから頂戴♡

後、カクヨムとアルファポリスの方はこの更新を最後に更新停止する事にした

悪しからず

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