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現代に帰還した"元"邪悪な魔女は平穏に暮らしたいけど、駄目そうなので周到に準備して立ち回りながら無双します  作者: 忘八


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魔女の要求

大変申し訳無いのだが、

コレを更新した後は何日か休むのでよろしく


 茶番の報酬を受け取ってから2日後。

 月曜日の夕方前。

 新しい"犬小屋"へエレオノーレと共に来た涼子は本題である作戦の打ち合わせに入る前に、正樹にある事を問うていた。


 「貴方の復讐に手を貸した事への報酬を請求したら、貴方は怒るかしら?」


 涼子の問いに対し、正樹は理由すら聞かずにさも当然の様に快諾した。

 条件付きで。


 「良いぜ。要求が俺に出来る事で、"ヤボ用"が済んだ後に俺が生きてたらの前提で要求すんならな……」


 死して魔女へ支払う報酬を踏み倒そうとする様に返す正樹に対し、涼子は気にする事無く要求内容を告げる。


 「それでも構わないわ。貴方に頼みたいのは訓練教官。他者達に貴方の持つ知識と技術を与え、その者達が独り立ちして1人前になれる様に手助けをして欲しい……勿論、私も可能な限り手を貸す」


 涼子の要求が何の為なのか?

 普通ならば、要求された当事者であっても首を傾げるだろう。

 だが、正樹は涼子の思惑が何か?察していたのだろう。

 思惑を察した上で、確認も兼ねて問う。


 「君の考えてる事は魔導やらチート持ちを()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事か?」


 正樹の問いに蚊帳の外にあったエレオノーレは首を傾げると、何を話しているのか?

 正樹に問うた。


 「どう言う事だ?」


 エレオノーレに問われた正樹は具体的に答えず、必要な前置きを置いていく。


 「貴女も知っての通り、この世界では魔法と言うのは物語、空想の中でしか存在しない事になっている」


 正樹の前置きから何が言いたいのか?

 察したエレオノーレは確認も兼ねて問う。


 「つまり、魔導を修めた者を相手にする為の技術が実質的に無い……そう言う事か?」


 エレオノーレの問いに正樹は肯定する。


 「その通りです。どんな形であれ、魔導と言う強大なを持ち、ソレを行使出来る者はこの世界では怪物以外の何者でもない。特に黒き魔女(涼子)戦争の魔女(エレオノーレ)……貴女達レベルに至っては、自然災害と並ぶ厄災と言っても良い」


 正樹の言葉は正論と言えるだろう。

 極端な例であるが、身近ながらも解りやすい一例を挙げるならば、"涼子とエレオノーレ"が良い例と言える。

 2人の魔女が日本にて行使した力はどれを取っても、魔導を持たぬ人々に向けて使われれば厄災と言わざるを得ない。

 無礼極まりない発言であろう。

 しかし、涼子とエレオノーレは顔色を一切変える事無く、涼しい顔で沈黙と共に続きを促していく。


 「そんな怪物達によって被害が齎されようとする時、被害を最小限に食い止める為に必要な戦力が()()()()のが現状……その現状を解決する為にその手の連中を対処する事が出来る人材を育成。ソレこそ俺に対して黒き魔女様が要求するモノ……違うか?」


 皮肉を込めて締め括った正樹から問われれば、涼子は肯定。

 同時に白羽の矢を立てた理由も答えた。


 「その通りよ。貴方は恐らくだけど、魔導を用いずに魔導を用いる相手と戦い、殺す事に最も長けている。それと同時に貴方は現代地球のメジャーな戦い方と相性が良い」


 正樹が積み重ね続けて来た知識と技術を必要。

 否、必須とした理由を聞かされれば、正樹は少しだけ面倒臭そうに感じてしまう。

 思わず、ボヤいてしまう程に。


 「要するに訓練教官をしろって事か?」


 面倒臭そうにボヤく正樹に対し、涼子はさらなる要求を告げる。


 「同時に育成プログラムやその手の対応システムの構築もして欲しい」


 涼子の要求はとてつもなく非常に面倒臭い。

 その上、無理難題とも言える厄介事とも言えた。

 だが、そんな面倒臭い無理難題を聴いても正樹が驚く事は無かった。


 「()()()()()


 「驚かないのね」


 「"今"の比較的善良な君と、"文献内"の君を見れば予想の範疇でしかない」


 涼子のしたさらなる要求を聴いても驚かず、寧ろ既に察していた正樹の答えにエレオノーレは好奇心と共に尋ねる。


 「貴様はこの女(涼子)の性格や考えが読めるのか?」


 その問いに対し、正樹は素っ気無く答えた。


 「彼女の性格や考えを読める訳じゃない。それと過去に関しては、当時の文献でしか知らないので実質解らない」


 「ならば……」


 「単純な話だ。人材育成をするだけでは()()()()()()()()()。可能な限り完璧に対応させる為、人材が邪魔されずに動ける様にする為に必要なモノが山積みでやる事も挙げたらキリが無い」


 正樹の言葉は正鵠を得ていた。

 そんな正樹に涼子は感心と共に肯定する。


 「その通りよ。流石は叩き上げの将校ね」


 過去に軍で叩き上げの将校(中尉)として仕事をして来た正樹は、煙草に火を点しながら茶目っ気タップリに返した。


 「すぅぅ……ふぅう……書類仕事は大嫌いだけどな……そうなると、あのクソ野郎2人の尽力も必須だ」


 2人のクソ野郎。

 当然、島津と鮫島の事だ。

 クソ野郎2人の尽力も必須。

 そう紫煙と共に告げれば、涼子は少しだけ不快に思いながらも同意する。


 「あの2人はムカつくし、不愉快極まりない。だけど、私の目標の為には欠かせないのも事実ね……」


 「連中に持ち掛ければ、喜んで手を貸してくれるだろうぜ?ただし、同時並行で面倒の処理にも駆り出される」


 煙草を燻らせながらシニカルに「過労死確定だな」と、締め括った正樹に涼子は仕方無い。

 そう言わんばかりに返した。


 「だって、健全かつ穏便にあのクソ野郎共と円満に()()()()為には他に無いんだもん」


 最初の始まりによって、血と死臭に満ちた邪悪な世界へ出戻ってしまった。

 そんな邪悪な世界から抜け出す為には、自分が御役御免となる形で"退役"する方が穏便かつ健全。

 そして、円満と言えるだろう。

 だが……


 「確かに素行の良い俺達の代わりが産まれれば、俺達みたいなゴロツキは御役御免になって、晴れてお払い箱になる。だが、ソレを成功させたと同時に人生の終わりに差し掛かりそうだけどな……」


 そう。

 正樹の言う通り、涼子の目指す場所は果てしなく遠い。

 それこそ、普通の人間ならば人生を(なげう)って尽力しても成功するか?

 怪しい程に果てしなく遠く。

 同時に険しい。

 だが、涼子はアッケラカンに言う。


 「大丈夫よ。人間の人生程度の年月なんて大して長くないから」


 魔女としての面を大いに見せる涼子に正樹は大いに呆れてしまう。


 「俺は人間だから其処までの年月付き合えねぇんだわ……このクソボケがよ」


 「大丈夫よ。その前に終わるかも知れないしさ?」


 そう暢気に宣った涼子は思い出した様に蚊帳の外にあるエレオノーレに対し、笑顔と共に告げた。


 「安心して良いわよ?コレは貴女と()()()()()()()()()()の話だからさ♡」


 涼子の告げた言葉が意味する事は、ただ1つ。


 『お前を殺して先に進む』


 コレ以外に無かった。

 そんな涼子の挑発も兼ねた言葉にエレオノーレは思わず、そんな歓喜と共に獰猛とも言える満面の笑みを浮かべてしまう。


 「その時を愉しみにしているぞ"小娘"」


 「アンタの葬式はどう挙げれば良いのかしら?"お婆ちゃん"」


 互いに濃厚な殺気と魔力を込めて挑発すれば、正樹は即座に間に入って仲裁した。


 「ハイ!ストップー!!此処で殺し合うのは無しな!!殺し合うんなら、向こう(異世界)でね!!それだったら俺も止めないし、邪魔もしないから!!」


 正樹が捲し立てるかの様に矢継ぎ早に言葉(マシンガントーク)を浴びせれば、2人から醸し出されていた濃厚極まる殺気と魔力があっと言う間に霧散する。

 2人の魔女は興が削がれた。

 なれど、怒りを感じずに少しだけ愉快に思っている様に見えた。

 そんな2人の間に入った正樹にエレオノーレは問う様にして告げる。


 「モラの件はどうするのだ?」


 話題を変えてくれたエレオノーレに正樹は内心で少しだけホッとしながらも、答えた。


 「何時だったかも言った様に、先ずは偵察して情報の収集に当たる事が必須だ。幸いにも、君達のお陰で現地に協力者を確保出来ている訳だが……現地の協力者を利用する事は可能か?」


 言葉の締め括りに問えば、涼子が答える。


 「トゥーレ商会の力次第としか言えないわ。でも、トゥーレの資金力を利用すれば良い人材は揃えられるんじゃない?」


 「運が良ければね」そう締め括った涼子に正樹は思案しながらボヤく。


 「現地民に偵察。つーか、監獄周囲や軍艦の写真を撮らせる事が出来るだけでも負担は減る。メッチャ減るんだが……偵察である以上は直接見た方が確実なのも否めない事実」


 「実に悩ましい問題だな」そう他人事の様にボヤいた正樹に涼子は言う。


 「船は手配出来るわ。勿論、船乗りも込みよ」


 涼子の言葉に正樹は決定する。


 「なら、乗組員込みで船を借りて其処から写真撮影する事にしよう……勿論、フィルム式のカメラで望遠レンズもセットしてな」


 「なら、周辺の偵察はソレで解決ね……次の問題は?」


 涼子に問われると、正樹は次に取り掛かるべき問題を口にした。


 「次の問題は()()2()()だ」


 正樹が涼子とエレオノーレを問題点として挙げると、エレオノーレは問う。


 「問題というのは魔導を用いない時の身体能力か?」


 エレオノーレの問いに正樹は補足と兼ねて肯定する。


 「後、長い距離を装備運びながら泳げるか?って言う点もな……まぁ、そう言っても、泳ぐか?否かに関しては未だ保留だから急ぐ事でも無い」


 「何せ情報が少なくてな」そんな言い訳にも聞こえる締め括りをした正樹であった。

 だが、実際問題として現状はヤマを踏む為の()()()()()()()()()()()()()()()()

 ソレが現状である。

 そんな状況にエレオノーレは呆れ混じりに言う。


 「まどろっこしいな」


 エレオノーレに正樹は「申し訳無いがね」そう言いながら申し訳無さそうな気持ちが皆無な前置きすると、反論していく。


 「先ず、俺は君達"魔女"と違って強大過ぎるデタラメ極まりない力を持っていない貧弱極まりない人間だ。貧弱だからこそ、勝つ為に手筈や作戦を立てて準備してから挑まざるを得ない」


 嫌味を交えて1つ目の反論を叩きつけた正樹に涼子は心の中で「アンタも充分にバケモノよ」と、ボヤいてしまう。

 そんな涼子を他所に正樹は「次に」そう前置きしてから、2つ目の反論をぶつける。


 「当該作戦区域では魔法が使えるのか?不安視せざるを獲ない。何せ、確保対象である君達クラスの魔女を縛り付けられるだけの何かを監獄は有している。それ故に君達の持つ強大でデタラメな力が行使出来無い可能性が棄てられない。寧ろ、濃厚である可能性と言っても良いくらいだ」


 2つ目の反論にエレオノーレは納得せざる得なかった。

 そんなエレオノーレに正樹は「最後に」そう前置きすると、ハッキリと最後の反論を叩き付けた。


 「この作戦の指揮官は()()。そんな俺に貴女は指揮下に入り、俺の命令に従うと宣言した。宣言した以上、俺の指揮に従って貰う」


 向こう(異世界)でエレオノーレを知る者ならば、正樹の傲慢不遜な発言に顔を青ざめさせるだろう。

 だが、エレオノーレは愉快そうに笑みを浮かべて正樹の言葉を受け入れた。


 「貴様の言う通りだ。私は貴様の指揮下に入ると宣言し、貴様の命令で動くと認めた」


 「なら、言葉を違えないでくれると助かる。だが……」


 「何だ?」


 「文句や質問なら何時でも受け付ける。勿論、作戦を円滑に成功させる為に意見する事も認める……寧ろ、作戦成功の為に意見する事は何時でも歓迎する」


 正樹の言葉に沈黙していた涼子は笑い出した。

 一頻り心の底から愉快そうに笑うと、涼子はエレオノーレに問う。


 「一本取られたわね。それで?どうする?」


 「謝罪しろと言うならするが?」


 エレオノーレの言葉に正樹は笑顔で返す。


 「謝罪は要らない。君の言葉を俺は"まどろっこしい事をせずに一気に片付けられないのか?"と、言う質問として受け取ったのでね」


 正樹の言葉にエレオノーレは思わず言ってしまう。


 「貴様の指揮下で戦争するのは愉しそうだ」


 エレオノーレの言葉にエレオノーレをある意味で深く知る涼子は驚いてしまう。


 「珍しいわね。コイツが最大級の称賛するって……」


 そんなエレオノーレに正樹は答える。


 「美人の誘いは嬉しいし、貴女の協力には心から感謝している。だが、生憎と俺は全てが片付いた後は戦いを棄てるって決めたんでね……貴女の御誘いには応じられない」


 丁寧ながらも強い拒絶を示せば、エレオノーレは残念そうにしてしまう。


 「それは残念だ。実に残念だ」


 心の底から残念そうにするエレオノーレに正樹はハッキリ「この話は此処で終わりだ」と、斬り捨てれば、話を本題に戻すのであった。


 「さて、話を作戦に戻そう……何処からだっけ?」





涼子の目指すモノはブッチャケ滅茶苦茶面倒臭く、果てしない道のり。

その上、成功する保証も一切無い上に協力してくれるかもしれない連中はとびきりの汚いクソ野郎2人と言う点←


でも、誰かが涼子の考えるソレをヤラないと後々、とびきり面倒臭い事に発展する可能性濃厚

対応出来そう奴も捜せば他に居るかもしれない

しかし、捜さないと居ない時点で居ないのと変わらないので、実質自分達だけ←


そんな過労死待ったナシの糞溜めから抜け出す為に正樹が悲願達成したら手を貸せって要求した

実際問題として、現状で確認出来る魔導使えるのを相手にして魔導抜きで殺せる専門家が正樹しか確認出来てない

何れにしろ正樹は絶対にリクルートせざる得ないのである←



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