表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代に帰還した"元"邪悪な魔女は平穏に暮らしたいけど、駄目そうなので周到に準備して立ち回りながら無双します  作者: 忘八


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/114

給料日

コレで面倒なサブクエ( 終わり


次回からメインクエになるよ←


 実につまらない結末とも言える一方的な虐殺を実行が成された後。

 虐殺は翌日の朝にはニュースとなった。

 寄宿制の学園でガス爆発。

 生徒全員と教職員全てが死亡した痛ましい事故と言う事で処理され、殺人のさの字も出る事無く世間には事故と言う形で。

 その時。

 事故のニュースをお茶の間で目の当たりにした涼子と正樹は「やっぱ、国家権力恐いわ」と、他人事の様にボヤいてしまった。

 そんな痛ましい事故のニュースは報道されたが、翌日にはワイドショーの話題にすら挙がる事無く世間の人々の記憶から直ぐに忘れ去られた。

 それこそ、世間話の話題にすらならぬ程に。

 沢山の人間が死んでも、被害の当事者とならぬ限りは世間の人々にすれば日常が変わる訳では無い。

 それこそ、他人事と言う奴だ。


 閑話休題(話を2人に戻そう)


 虐殺を実行した涼子と正樹は翌日の金曜日には、何事も無かったかの様に涼しい顔で登校。

 放課後を迎えれば、正樹は古くからの友人と共に寄り道して遊んだ。

 勿論、涼子も陽子と共に遊んでから帰った。

 そうして、日常に戻った翌日の土曜日の昼下り。

 涼子と正樹はビジネスマンこと島津 涼介に呼び出される形で、渋谷区松涛某所に来ていた。


 「こんな所に呼び出されるとはな……良い話じゃ無さそうだな」


 「奇遇ね。私も同じ事を思ったわ」


 正樹と涼子は互いにボヤくと、目の前に聳え立つマンションへと足を踏み入れて行く。

 エントランスのインターホンで指定された部屋番号を押せば、沈黙と共に固く閉ざされていたガラス扉が開いた。

 まるで、さっさと来い。

 そう言わんばかりにも思えた。

 2人は開いたガラス扉の向こうへ足を踏み入れると、通路を進んでエレベーターへと赴いた。

 ボタンを押して、エレベーターが来るのを待つ間。

 2人の間に沈黙が支配する。

 だが、そんな沈黙を破る様に涼子が口を開いた。


 「カネの使い道って考えた事ある?」


 涼子から唐突に問われると、正樹は思案しながら答えていく。


 「そうだな……ジョーカーみてぇに札束の山を燃やして眺め……結構前にやったけど、意外とツマランかったし、勿体無い気持ちになったな」


 映画の様に札束の山を燃やした時の事を思い出し、その時の思った事や感想を暢気に答える正樹に涼子は呆れながらも好奇心から尋ねる。


 「何で燃やしたのよ?」


 「とびきりのクソ野郎にクッソ嘗めた真似されて、ムカっぱら立ってカッとなってやった……燃やす前までは最高に楽しかったんだけどな」


 当時の事を振り返って答える正樹に涼子はもう1つの疑問をぶつけた。


 「そのクソ野郎は何したのよ?」


 当然の疑問を問われれば、正樹は少しだけ不快そうにしながらも答えてくれた。


 「仕事の報酬踏み倒された。オマケに俺の生命を獲ろうとして来やがった。そればかりか、俺のケツ()に弾ブチ込まれてケツ()に孔が増やされた」


 当時の恥ずかしい失敗談とも言える燃やした理由を聞けば、涼子は意外そうにする。


 「貴方って失敗しないタイプと思ってたけど、間抜けな失敗もするのね……意外だわ」


 正樹は涼子から見れば、冷徹な凄腕のプロ。

 だからこそ、正樹自身が語った失敗談が正直な所として信じられなかった。

 そんな涼子に察した正樹はやれやれと言わんばかりに言う。


 「プロだって失敗するさ。言うだろ?"猿も木から落ちる"ってよ……だから、人はその失敗から学び、同じ失敗をしない為に次に活かす」


 「まぁ、この手の商売は失敗したら死ぬから次が無い可能性の方が高いんだけどな」そう締めくれば、涼子は納得した。


 「確かにその通りね。生きていれば次が有るし、学べもするわ……」


 涼子の言葉に対し、正樹は言う。


 「だが、俺達はその未来を奪った」


 未来を奪われたのは当然、あの夜に2人の手で殺され、死んだ者達。

 そんな殺した者達の未来を奪った事実を涼子が否定する事は無かった。 


 「えぇ、その通りよ。それで?貴方は何が言いたいのかしら?」


 涼子の問いに対し、正樹は問う。


 「撃った時、何か思ったか?」


 その問いに涼子は平然と当たり前の様に返す。


 「()()()()()()()()わ。貴方は?」


 「俺も()()()()()()()()


 2人は互いに未来有望な子供達を殺した事に対し、何も思わなかった。

 そう口にした。

 その問いを投げた正樹は他人事の様に言う。


 「普通なら滅茶苦茶苦しむんだろうな……因みにだけどさ、文明が若くてファンタジーな時代だと少年兵って当たり前に居たりするん?」


 最後の問いに対し、涼子はアッケラカンに肯定した。


 「そこら辺にゴロゴロしてるわよ。つーか、児童の権利条約なんてもんも無いから、労働力として児童労働が当たり前の時代よ?少年兵が居ない方が逆におかしいんじゃない?」


 涼子の身も蓋も無い答えに正樹は「デスヨネー」と、返した。

 そんな正樹に今度は涼子が問う。


 「貴方の時代でも少年兵は居たんでしょ?」


 涼子の問いに正樹はサラッと肯定した。


 「沢山居た」


 「なら、撃った事もあるの?」


 普通であれば、触れられたくないだろう内容だ。

 だが、涼子が同じ穴のムジナとして気にする事無く問えば、正樹は平然と肯定する。


 「ある」


 「初めて撃った時はどうだったの?」


 「最初は罪悪感とか自責の念やら何やらでゲロ吐いた。だが、撃たなかったら誰かしらが殺されて死ぬし、時には爆弾抱いてカミカゼもして来たりもするから自分に言い訳して他責しながら撃ったよ」


 正樹は軍人として少年兵と初めて接敵した事を語った。

 例え、可哀想な子供と言えども殺さなければ、自分か戦友が死ぬ。

 そんな狂った世界に初めて直面した時の事を語った正樹に何処か悲痛なモノを、涼子は感じてしまう。

 涼子は何かを言おうとした。

 厳密に言うならば、謝罪だ。

 しかし、涼子が言うよりも早く正樹は告げた。


 「謝るなよ?時代が違えど、戦場を知る仲間から憐れまれるのは正直言って不愉快だし、惨めな気持ちになるから……」


 正樹の言葉に涼子は返す。


 「悪かったわ。そう言えば、貴方の居た所って()()()()()()()もあったりするの?」


 返すと同時。

 話題を変えるのも兼ねて気になっていた些細な事を質問すれば、正樹は肯定した。


 「当然有るぞ。人型なら老若男女問わずだし、攻殻機動隊のジェイムスン型めいたのも有れば、人外めいた異形のモデルもある」


 「へぇ……人間の変身願望が爆発してる訳ね」


 「まぁ、中にはロリやショタの姿して油断を誘って殺しに掛かるクソ野郎も居たりするけどな」


 正樹の言葉には、流石の涼子も大いに呆れてしまう。


 「人間度し難いわね」


 「実際、効果的ではあるぞ。人間、非武装の子供って認識すると自然と気が緩んで安全って誤認して油断誘えちまうからよ……」


 子供型の義体を用いた時の語られると、涼子はドン引きしてしまう。


 「うわぁ……」


 「他にもロリやショタの姿をした自走地雷ってのもあるぞ……」


 正樹の挙げた自走地雷に対しても、涼子はドン引きしてしまった。


 「人類邪悪過ぎない?」


 ドン引きする涼子に今度は正樹が呆れた。


 「君が一番言っちゃならん事だと思うぞ?」


 「何でさ?」


 問われると、正樹はその理由を答える。


 「自走地雷やドローン兵器は君に関する文献から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。で、偉大なる先人たる君に追いつかんと、人々は研究を積み重ね君の背を追ったんだ」


 壮大過ぎる内容に涼子は啞然し、大いに困惑してしまう。

 自分が遠い未来に与えた影響が大き過ぎる。

 特にその世界の未来の人間から言われてしまえば、誰だって唖然して困惑するだろう。


 「嘘でしょ?私をからかう為の冗談よね?」


 その問いに対し、正樹は笑顔と共に答えた。


 「喜んでくれ。マジだ」


 「ハァ?」


 間抜けな声を挙げる涼子に正樹はハッキリと告げる。


 「冗談抜きで君の文献を基に様々な研究がされてるんだよなぁ……実際、君の遣り口って現代地球の技術を魔法で再現したモノが大半だろ?過去の人間にすれば、何れ辿り着くべき頂きになるのは至極当然なんだわ」


 正樹から正論を叩きつけられれば、流石の涼子も納得するしか無かった。

 それでも……


 「私のした事が後世に此処まで影響与えるなんて、思わねぇわ」


 否定したい気持ちが大いにあった。

 そんな涼子に正樹は益々呆れてしまう。

 呆れ過ぎて思わず……


 「あのさ、()()()()()()()()()()()()()()()地球で言う大航海時代よりも100年以上も前に描き上げたら世界史に於ける謎になるのは当たり前だし、イブン・バットゥータめいた旅日記を書き残してたら歴史上最大の謎になるんだよ!!」


 最後の方で声を大きく荒げてしまったくらいだ。

 涼子が後世に与えた影響は大き過ぎた。

 当人にすれば、正直言うと、当時は何も考えていない。

 ただ、やりたくなったからやっただけの事。

 そんな涼子に正樹は不愉快な気持ちになってしまう。


 「畜生……あの世界の歴史上最大の謎がこんなアホだとは思わんかった」


 思わず暴言を吐く程に不愉快な気持ちになる正樹にアホ……もとい、涼子は他人事の様に宣う。


 「良かったわね。貴方の憧れていた歴史の謎が目の前に居てさ?」


 涼子から笑顔で言われると、正樹はゲンナリとしながら思った事をそのまま返した。


 「うるせぇ……俺のワクワクと憧れを返しやがれ腐れ魔女」


 正樹の暴言をケラケラと笑う腐れ魔女。

 もとい、涼子はエレベーターがやって来ると「ほら行くわよ、坊や」と、誂ってから正樹と共にエレベーターに乗り込んだ。

 指定された階とも言える12階のボタンを押せば、エレベーターは静かに上昇していく。

 数十秒後。

 エレベーターが12階に着いた。

 2人はエレベーターから降りると、そのまま目的の部屋へと歩みを進めていく。

 程無くして、部屋に着いた。

 玄関の扉を見ると、1枚のメモ用紙が張り付けられているのが見えた。

 玄関のメモ用紙を取った正樹は涼子に見せながら内容を口にする。


 「"鍵は開いてる。撃つな"ってよ」


 「撃つなって事は、誰か居るって事よね?私はビジネスマンが居る方に賭けるわ」


 涼子から賭けの誘いがされると、正樹はボヤく様に返した。


 「俺だってビジネスマンが居る方に賭けるから賭けになんねぇよ」


 「じゃ、確認してみましょう」


 涼子の言葉と共に正樹は玄関の扉を開けて中に入る。

 玄関で靴を脱いで、廊下を進んで奥のリビングへと歩みを進めていく。

 そうしてリビングへ来ると、2人の予想通りと言うべきか?

 ビジネスマンこと、島津 涼介の姿があった。


 「やぁ、よく来てくれた。先ずは掛けたまえ……」


 自分の向かいのソファーへ座る様に促されると、涼子と正樹が向かいに座り始める。

 2人が向かいに座ると、島津 涼介は2人に向かって用件を切り出した。


 「先ずは私達の為に汚れ仕事を完了させてくれてありがとう」


 嫌味にも聞こえる感謝に対し、正樹は吐き捨てる。


 「アンタの為じゃねぇ」


 吐き捨てる正樹に島津 涼介は「だとしてもだ」そう前置きしてから、感謝の意を示した。


 「君達のお陰で私達にとって厄介な頭痛の種が処理された事には変わりない」


 感謝する島津 涼介に正樹は嫌味をぶつける。


 「俺達に弾圧と人権侵害。それに非道な差別の為に前途有望な若者達を殺させてな……なぁ?非人道的な行いをして食う飯は美味いか?」


 正樹の嫌味に島津 涼介が答える事は無かった。

 そんな島津 涼介に正樹は言葉を並べていく。


 「お宅やサツの偉い女(鮫島明)が何の為に、前途有望な若者達に死んで貰おうと思ったのか?ハッキリ言って、俺にはどうでも良い話だ。だが、それでも気になる事がある」


 「何だね?」


 島津 涼介が正樹の疑問が何か?

 それを問えば、正樹は疑問をぶつける。


 「お宅等は異世界と言う災いから必死に生きて帰って来た被害者達である連中を利用していた。その理由は何だ?」


 正樹から疑問をぶつけられた島津 涼介は質問で返した。


 「君は既に察しているんじゃないのか?」


 「なら、俺の仮説だが……この世界には意外な事に魔導。即ち、魔法が存在する。魔法以外にも神や悪魔に退魔師やらエクソシストも存在してる。まさに、ファンタジーとオカルトのごった煮だ」


 仮説を語る前に前提とも言える事を述べ、ソレを前置きとした正樹は高級煙草トレジャラー・ブラックを咥えて火を点す。

 優雅に煙草を燻らせれば、上品な薫りの紫煙と共に仮説の続きを述べていく。


 「そんなファンタジーとオカルトのごった煮による面倒の対処を一般的な警察にヤラせるのは正直、死体をアホみてぇに出すのと代わりがない。だったら、その手のトラブルに慣れた連中を投入すれば良い」


 正樹の語った仮説に耳を傾けていた涼子は呆れながら尋ねる。


 「つまり、汚い大人は超常的な面倒による被害を抑えたいが為に少年兵を運用していたって事?」


 「想像してみろよ……ピストルと警棒しか持たない数人のお巡りさんが、魔導を収めたクソ野郎に挑む光景を」


 正樹の言葉に涼子は直ぐに納得した。


 「完全に自殺行為でしかないわね。戦車を相手に生身で挑むのと変わらないから……」


 2人の言葉を島津 涼介は認め、肯定した。


 「その通りだ。被害が甚大にならない為にも私達は本来であれば護るべき子供達を死地に送ったのだ」


 「……だとしても、未成年の子供を死地に赴かせるとか、やってる事がアフリカの軍閥ね……それともチャウシェスクかしら?あ、ポル・ポトが良いわね。ねぇ、ポル・ポトさん?」


 最大限の侮蔑を叩き付けて来た涼子に島津 涼介は何も言えなかった。

 そんな島津 涼介に正樹は尋ねる。


 「なぁ、ポル・ポトさん。ついでにコレに関しても是非とも教えて欲しい……お宅等は俺達に殺させた"被害者"達をどう見ていたんだ?」


 正樹と涼子の手によって殺された学園の者達をどう思っていたのか?

 ソレを問われると、島津 涼介は淡々と答えていく。


 「被害者であり、都合の良い駒。そして、面倒な不発弾……と、言うべきだな」


 島津 涼介の答えに引っ掛かるモノを感じた正樹は問うた。


 「前者2つは解った。だが、最後はどう言う事だ?」


 「ソレを話す前に聞きたい。君達は異世界帰還者の数がどれぐらい居ると思うかね?」


 また質問に対し、質問で返された。

 島津 涼介の問いに対し、2人は正直に答えた。


 「解らん」


 「サッパリ解らないわ」


 2人が解らない。

 そう答えれば、島津 涼介も同じ答えを返した。


 「私にも解らない。だが、君達や君達が殺した学園の者達の様に多数の異世界事案の被害者が居る事実は同時に、君達や今は亡き学園の者達以外にも異世界事案の被害者が他にも多数居る可能性も濃厚である。そう判断せざるを得ないのも事実だ」


 島津 涼介の言葉を涼子も同意見と答えた。


 「確かにその通りね。私に殺させた件も踏まえれば、3桁(100人単位)で収まってたら奇跡レベルでしょうね」


 涼子が身を以て証明した仮説に島津 涼介は肯定し、同意する。


 「その通りだ。そして、そんな被害者達が善良であるのか?善良かつ平和に生きてくれるならば、悩む必要が少しだけ減ってくれる」


 引っ掛かる物言いをする島津 涼介に正樹は問う様に告げる。


 「魔法か?」


 魔法。

 個人を戦術兵器に変える、地球には存在しない筈の強大な力。

 コレこそが、一番最大の脅威であった。


 「そう。魔法だ……科学全盛期の昨今にも関わらず、魔法と言う喪われた筈のカビ臭い技術が猛威を振るいつつある」


 島津 涼介の言葉に涼子は理解を示した。


 「成る程。魔導を収めた人間は魔導を持たぬ人間にすれば、危険極まりない怪物と変わらない。だから、怪物を処理させる為に怪物をぶつけて来た訳ね?」


 涼子の身も蓋も無い言葉を島津 涼介は認めた。


 「そう言う事になる。同時に、この世界の魔導を持つ者達にも対処はさせてはいるが、根本的な解決に繋がらないのが現実だ」


 島津 涼介の言葉に正樹は呆れてしまう。

 

 「つまり、異世界絡みの面倒がまた起きる可能性が有るって訳か……何時から、現実はラノベめいた世界になったんだよ?」


 「その答えを私も聞きたい」


 弱音を吐くように返す島津 涼介に正樹は他人事の様にボヤいた。


 「マジで昔観たSPECってドラマ思い出すなぁ……」


 「あぁ、SPECホルダーもある意味で魔法使える連中とかと変わらないわね」


 涼子も他人事の様にボヤけば、島津 涼介は告げる。


 「その認識で間違ってないのが酷いな……何れにしろ、私や彼女(鮫島明)は治安維持しつつその手の問題の対処にも奔走せざる得ない立場なのだよ」


 島津 涼介の言葉に正樹は他人事の様に返した。


 「そうか。頑張ってくれ……それより、俺達に支払うカネと約束は忘れてないよな?」


 支払われるべきカネの事を問われれば、島津 涼介は立ち上がって2人に告げる。


 「ついて来たまえ」


 島津 涼介に誘われて別室へ通されると、部屋には札束で造られた大きな山が鎮座していた。

 2人に札束の山を目の当たりにさせた島津 涼介は言う。


 「君達への迷惑料も兼ねた慰謝料と前回の件の分。そして、口止め料も合わせて8億ある」


 札束が8億円分ある。

 そう告げられると、正樹は島津 涼介に問う。


 「一ヶ月の休みも忘れてねぇよな?」


 「あぁ、あのジジイ(タケさん)にも認めさせた。緊急時以外では仕事をさせないと言う形で……」


 「なら、良い」


 「それと、この部屋を新しいセーフハウス(隠れ家)として利用してくれ」


 島津 涼介からこの一室をセーフハウスとして使えと言われれば、正樹はテキトーに返した。


 「そら、どうも」


 「では、私はコレで失礼する」


 そう言って島津 涼介は部屋を後にした。

 残された涼子と正樹は目の前の札束の山を眺めていく。


 「コレだけの量の1万円札の束を見るのって初めてだわ……」


 壮観な札束の山に呆れ混じりにボヤく涼子に正樹は問う。


 「感覚が麻痺しそうだな。で?どうする?俺としては今日明日は休みにしたいんだが……」


 「私も休みが欲しいわ」


 涼子も休みたいと言えば、正樹は告げる。


 「なら、月曜日から本格的にプリズンブレイクの準備を進めるとしよう……異論は?」


 「無いわ」


 そう言う事になった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ