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現代に帰還した"元"邪悪な魔女は平穏に暮らしたいけど、駄目そうなので周到に準備して立ち回りながら無双します  作者: 忘八


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つまらない幕引き

サブタイ通りだよ!!(開き直り





 その日の深夜2時過ぎ。

 夜勤で働く者達等を除いて誰もが眠って居るだろう時。

 九十九 來治郎は憤怒の形相を浮かべながら、己の目的を果たす為の積み重ねを文字通り木っ端微塵に粉砕し、台無しにした怨敵に復讐する為に人の気配が一切無い夜道で歩みを進めていた。

 だが、彼は気付いて居なかった。

 既に己が魔女の手中にあり、その生命が刈り取られる迄、僅かな時しか残されてない事を……

 彼は未だ気付いてなかった。





 「案外せっかちなのね。今夜来るなんて」


 ボヤキと共にベッドから出た涼子は始まりのタタキ(強盗)の後に自宅周辺と近所に仕掛けた監視カメラ……もとい、多数の使い魔達から送られるライブ映像を確認する。

 視界の真ん前に映る涼子にしか見えぬモニターには、憤怒の形相を浮かべる九十九 來治郎が歩いてる姿があった。

 恐らく。

 否、間違いなく自分の計画を粉砕した涼子への怨みを晴らす為であろう。

 そんな九十九 來治郎を使い魔を介して視界に収める涼子は(おもむ)ろに右手を上げると、指をパチンと鳴らす。

 フィンガースナップがした瞬間。

 九十九 來治郎の頭部が2メートル近い高さからゴロリと地面に転がり落ち、その巨体は地面にドサッと崩れ落ちた。


 「数十年振りに使い魔越しのレイルザイデンやってみたけど……案外、ブランクがあっても成功するのね」


 サラッと高度な魔法を成功させた涼子は意外そうにボヤくと、蝿の使い魔を行かせる。

 蝿の使い魔が無残に転がる九十九 來治郎の頭部に着陸すると、涼子は昨日の3つの死体にやった時と同じ要領で九十九 來治郎の脳内にある情報(記憶)を全てブッこ抜いていく。

 程無くして九十九 來治郎の記憶を己の脳にダウンロードする事に成功すると、涼子は呆れ混じりに独りごちた。


 「正樹の言う通りのタイプだったわね。つか、現実に小東夷(シャオトンイー)みたいな思考をした人間が存在するなんて思わなかったわ」


 昔読んだ事のある漫画の敵の様な思想を持っていた事に呆れる涼子は、今は無残な屍と化した九十九 來治郎に向けて感謝の言葉を述べた。


 「ありがとう。貴方の御蔭で、この世界の魔導に関する知識が簡単に手に入れられる事が出来た。貴方の尊い犠牲はどうでも良いから直ぐに忘れるけど、貴方の集めた知識は大事に使わせて貰うわ」


 いけしゃあしゃあと嘗めた事をほざく涼子はこの仕事で可能ならば、この世界……地球に於ける魔導に関する情報を得ようと画策もしていた。

 そして、それは見事に成功した。

 それ故、涼子は満面の笑顔を浮かべると共に恍惚としながら感動してしまう。


 「あぁ、此処まで上手く全てが終わるなんて最高……」


 恍惚と共に宣った涼子は直ぐにスンと無表情になると、九十九 來治郎の屍に向けてつまらなさそうに尋ねる。


 「貴方の記憶を読んだけどさ、貴方ほどの優秀で努力も怠らない人なら私の力量を見誤る事は無かった筈なのに……怒りでバカになったのかしら?」


 記憶を読んだが故に理由は既に知っていた。

 知った上で敢えて問うた涼子は、更に言葉を続けていく。


 「まぁ、そんなんじゃどっちにしろ私みたいな邪悪な魔女には勝てないんだけどね……何でもアリのノールールの戦いなら私は無敗だから」


 自慢気に宣った涼子であったが、内心では心底つまらない気分であった。

 だからなのか?

 涼子は次の使い魔達を屍に向けて放った。

 モニター内で数えるのもバカらしい無数の甲虫達が、九十九 來治郎であった肉塊に群がっていく。

 甲虫達は肉を好き放題に貪り喰らうばかりか、髪や臓物。

 更には髪や骨すらも貪り喰らっていく。

 数分後。

 其処には血溜まりだけが残り、屍は消え失せていた。

 無数の使い魔達が九十九 來治郎だった肉塊を文字通り全て胃袋に収め終えるのを、静かに見届けた涼子。

 そんな彼女は最後の仕上げとして、別の使い魔を介して其処へ膨大な水を流し込んだ。

 地面に残る大きな血溜まりは瞬く間に洗い流され、血を洗い流した水は全て排水溝へ流れて下水道へと消え失せる。


 「死体が文字通り跡形も無く消えれば、事件にすらならない」


 涼子の言葉は暴論であった。

 だが、実際問題として死体どころか血の一滴すら犯行現場から消失すれば、事件として扱う事が不可能なのも事実。

 それは九十九 來治郎と言う人間が何も成す事も無く、この世から消失させられた事も意味していた。

 推理小説では絶対にやらぬ、やったら読者達から総スカンを喰らうだろう完全犯罪を成し遂げた涼子は今は亡き九十九 來治郎に向けて告げる。


 「貴方は誰にも知られる事も無くこの世から消え失せた。そして、時と共に貴方を知る人々からも忘れ去られ、記憶からも消え失せる。良かったわね……貴方は貴方が侮蔑する虫けら達の世界から脱却出来たんだからさ?地獄で私に感謝すると……いや、礼は要らないわ」


 いけしゃあしゃあと宣った涼子は「なーんてね。カッコつけてみたけど、締まらないわね」と、自ら放った言葉に自ら呆れてしまった。

 今回の件はこうして、つまらない幕引きを迎えた。

 物事には始まりがあれば、終わりがある。

 だが、現実は常に最高のフィナーレと共に幕が閉じる訳ではない。

 寧ろ、こんなつまらない形で幕を引く事の方が多いだろう。

 そんな世に溢れるだろうつまらぬ幕引きを終えた涼子は欠伸をすると、再びベッドに潜り込み、眠りにつくのであった。




全ての物事には大概、始まりがあって終わりがある


だけど、面白い(感動等の感情も含めて)終わりを迎える事よりはつまらない終わりを迎える事の方が多かったりもする


で、これはよくあるだろうツマラない終わりを迎えたってだけの話てだけの事…

創作としては論外だろうがな←


本来ならば相対して、相手と感動的なレスバなりするべきなんだろうけどね…

生憎と涼子の性格的にレスバするよりさっさと仕留める方が建設的な相手でしかなかった

まぁ、それでも相手の脳内にある知識という宝は価値があるので戴くけどな←




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