ピンホールショット
ゼロインとかで2000文字も使うバカが居たって良いじゃん(開き直り
追記
ゼロインシーンを追記修正しました
具体的には省略していたグルーピングのシーンを入れた感じです
追記2
スコープをMark4からATACRに変更しました
涼子の持つM4A1から耳を劈く喧しい銃声が響かせるのを他所に正樹は地面に横たわり、静かな様子でバイポッドで地面に据えたTAC338を構えていた。
高倍率の高級スコープ……ナイトフォースのATACRを覗き込み、600メートル先に据えた人の形と大きさを模したマンターゲットを見据えていく。
息を静かに整えていくと、身体の揺れが段々と小さくなる。
そして、揺れが一切なくなった瞬間。
引金が静かにほんの僅かな力で引き絞られた。
右肩に反動が伝わると同時。
サプレッサー越しのくぐもった銃声が響けば、数秒後にはマンターゲットの胴体の左上に孔が穿たれた。
正樹はATACRスコープから目を離すと、脇に小さな三脚で据えていたスポッティングスコープを覗いて弾着を確認。
弾が穿った孔がマンターゲットの胴体左上にあるのを確認すると、正樹はスポッティングスコープから目を離してTAC338のボルトを引いた。
地面にポトリと硝煙が匂い立たせる熱を帯びた大きな338ラプアマグナムの空薬莢が落ちると、正樹は静かに優しい手付きでTAC338のボルトを押し戻す。
そうして弾倉内の収められた次の338ラプアマグナムを薬室に装弾すれば、正樹は息を整えると共に引金を再び引いた。
くぐもった銃声から僅かに遅れて、マンターゲットの胴体左上にある孔。
其処に重なる様にして2つ目の孔が穿たれる。
正樹はATACRスコープを覗いたままボルトを後退させて排莢すると、静かにボルトを押し戻して次弾を装填。
それから程無くして3発目を放った。
3発目も穿たれた孔に重なる様にして命中した。
重なり合う3つの孔は、丸みを帯びた不細工な三角形にも見える。
そんな自らが創り出した不細工な三角形をスポッティングスコープを介して確認すると、正樹はATACRスコープの上に取り付けられたダイヤルノブに手を伸ばした。
上部のダイヤルノブを摘むと、カチカチと1つずつ慎重に回していく。
程なくして回し終えると、正樹は2ノッチだけ戻し、再びATACRスコープを覗き込む。
それから直ぐにボルトを引いて排莢し、ゆっくりと静かに引いたボルトを押し戻した。
そうして次弾装填した正樹は呼吸を整え、身体の揺れを止めると共に己自身を銃架と化すと同時に4射目を放つ。
くぐもった銃声が響いてから僅か後。
マンターゲットの腹部の中心から真左の位置に4つ目の孔が穿たれた。
再びスポッティングスコープで弾着を確認した正樹は無言のまま目を離すと、先程と同じ様にATACRスコープを覗いて5発目を呼吸を静かに整えると共に放つ。
4発目で穿った孔に先程と同じ様な重なり合う孔が出来ると、正樹はTAC338から空になった弾倉を抜いた。
空の弾倉を傍らへ置くと、それと入れ替える様にして5発の338ラプアマグナムが装填された予備の弾倉を取ってTAC338へ静かに嵌め込む。
そうして、リロードを終わらせればボルトを静かにストロークさせて薬室に装填。
それから直ぐに6発目を放った。
放たれた6発目の338ラプアマグナムで2つ目の小さく不細工な三角形が出来上がると、正樹はスポッティングスコープを覗いて確認する。
スポッティングスコープを介して不細工な三角形が2つあるのを確認し終えると、スポッティングスコープから目を離した正樹はATACRスコープの側面にあるダイヤルノブに手を伸ばした。
ダイヤルノブをカチカチと回して先程の様に2ノッチ戻せば、ボルトを引いて排莢。
それから、呼吸を整えると共に己自身を銃架としていく。
そして、身体の揺れが止まったと同時。
引金に掛けた右人差し指にほんの僅かな力を込め、静かにゆっくりと引き絞った。
指先から伝わる小枝がポキっと折れる感触と一緒に肩に伝わる反動。
それ等と共に7度目のくぐもった銃声が響けば、銃声から僅かに遅れてマンターゲットの腹部の中心が穿たれた。
「こんなもんで良いか」
ヒューマンターゲットの中心。
文字通りのド真ん中に命中したのを確認した正樹は、そうボヤくと再びTAC338を構える。
少しして8度目の銃声が響いた。
だが、何故かヒューマンターゲットに8つ目の孔が穿たれる事は無かった。
正樹は着弾を確認する事無くボルトを引いて次弾を装填すると、引金を引く。
また、くぐもった銃声が響いた。
しかし、命中した事を示す孔が増える事は無かった。
それから直ぐに次弾を装填した正樹は9発目を放った。
やはり、マンターゲットに孔が増える事は無かった。
しかし、正樹は気にする事無く最後の1発とも言える10発目を放つ。
だが、孔が増える事は無かった。
そんな正樹の射撃を後ろから見ていた涼子は何故か、正樹に称賛の拍手を送る。
「凄いわね。全弾同じ所に命中させるなんて」
涼子の称賛の通り、正樹は7発目に貫いたド真ん中の孔へ残りの3発を寸分も狂う事無く撃ち込んだのだ。
とんでもなく高いレベルの技を見せてくれた正樹に向け、涼子はさらなる称賛の言葉を漏らす。
「貴方の様な腕を針の穴に通すって言うのかしら?凄いもの見せて貰ったわ」
称賛する涼子に正樹はTAC338のボルトを引くと、空っぽの弾倉を抜き取って5発の338ラプアマグナムが装填された弾倉をセットしながらつまらなさそうに返した。
「この程度、良い銃が有れば誰でも練習すれば出来る。かくし芸にもならねぇよ」
さも当然の様に告げた正樹に涼子は試したくなった。
「なら、この距離なら?」
その言葉と共に600メートル先に設置された2つの不細工な三角形と1つの孔が穿たれたマンターゲットが浮かび上がる。
今の600メートル先でもゴマ粒よりも小さく見えるマンターゲットは、600メートルから更に遠く。
距離にして約1.3キロメートルの位置に座した。
此処からでは砂粒よりも小さく。
否、殆ど見えなかった
そんなマンターゲットに対し、正樹は無言でスポッティングスコープを覗いて距離を確認する。
「距離は1300って所か?」
それは正樹が涼子の挑戦に乗った事を意味していた。
スポッティングスコープから目を離し、TAC338を構え直した正樹に涼子は告げる。
「ヘッドショットし……」
言い終わるよりも早く、くぐもった銃声が響いた。
「恐ッ゙!」
マンターゲットの眉間に当たる部分が穿たれているのを確認した涼子は、流石にドン引きしてしまった。
僅かな間で狙いを定め終え、見事にマンターゲットの眉間を撃ち抜いてヘッドショットを完璧に決めた正樹はボルトを引いて排莢。
それから直ぐにボルトを戻して次弾を薬室に込めれば、2発目を放つ。
再び眉間を貫くと、涼子は悪戯心が湧いてしまった。
涼子は"犬小屋"に戻ると、ある物を手に取ると正樹への元へ戻った。
それから直ぐに正樹の傍らにしゃがむ。
そして、正樹の耳元で手にするゴム製の黄色いチキンを握った。
「ぷきゅゅゅゅ!!」
耳元でゴム製の黄色いチキンが鳴く。
だが、正樹は眉一つ動かす事無く引金を引いた。
4射目は見事、眉間に穿たれた孔を貫いた。
そんな正樹に益々ドン引きしながらも、涼子はチキンを再び鳴かせる。
「ぷきゅゅゅゅ!!」
チキンの鳴き声が耳元でしても、正樹は微動だにする事無く引金を引き絞った。
5発目がまた眉間を貫けば、正樹はボルトを引いて空っぽになった弾倉を抜いた。
そうして、TAC338の安全化を施せば傍らにしゃがむ涼子に向けて涼しい顔で事も無げに告げる。
「ありがとう。良い訓練になった」
「どういたしまして」
涼子が涼しい顔で返すと、正樹は釘を刺した。
「でも、実戦中に似た事をしたらケツの孔を増やしてやるから覚悟しとけ」
「幾ら私でも実戦中にそんなバカやらないって……それよりも貴方、スナイパーやってたの?」
正樹の凄いワザマエを目の当たりにしたばかりの涼子から問われると、正樹は淡々と答えた。
「言ったろ?良い銃が有れば、誰でも練習すれば出来るってよ?」
「流石に無いわ。特殊部隊上がりなのは知ってたけどさ、貴方の当時の戦友達は誰でも出来るの?」
その問いに正樹は肯定する。
「あぁ、出来る。どの武器も完璧に使いこなせる事は俺が居た部隊じゃ、基本中の基本だったからな……」
正樹はぶっきらぼうに答えながらも、何処か懐かしそうであった。
そんな正樹に涼子は好奇心から尋ねる。
「貴方は部隊に居た頃は何してたの?」
「悪いが、一応は籍を置いていた以上は答えられない。渡世の仁義って奴さ」
カッコつけて答える正樹に涼子は「流石に国家機密に当たる様な事してたら言えないわね」と、納得した。
そんな涼子に正樹は尋ねる。
「で、さっきは何て言おうとしてたんだ?」
「何でもない。それより、ゼロインを済ませたって事は狙撃も出来るって認識で良いの?」
涼子の問いに正樹は条件付きで肯定した。
「まぁ、そう言う事になる……とは言っても、標的の周囲を偵察して逃走ルート込みでポイント選定やら、その時に使うライフルのゼロインしなきゃ駄目な事には変わり無いけどな」
「なら助かるわ。因みにだけどさ、師匠にも試したの?」
涼子から師匠であるハミュツに対し、狙撃で殺そうとしたのか?
そう問われると、正樹はアッサリと認める。
「あぁ、頭をブチ抜いてやろうとした」
「結果は?」
その問いに対し、正樹は不愉快を露わにしながら答えた。
「成功してたら俺は此処には居ない。何だよ?あのクソアマ、2キロ先から狙ってる俺の位置に気付くわ、気付いた上で撃ってこい抜かしやがって……今思い出してもムカつく」
不愉快と腹立たしさを露わに語る正樹に涼子は納得と共に魔導の専門家として、考察する。
「あぁ、ソレは多分だけど相手の魔力の波長を記録とかに残したり、相手にマーカーセットした上で捜索の魔法にインプットして割り出したんだと思う」
「マジかよ……魔法って奴はデタラメだな」
ゲンナリする正樹に涼子は更にゲンナリしたくなる事を告げた。
「師匠の事だから多分、大陸の何処に居ても直ぐに捜せると思う。後、使い魔を無数に用意するなり、誰かしらをハッキングすればワイスピのゴッドアイの真似も出来なくもないわよ」
「マジかよ。デタラメ過ぎるわ……その言い方だと、君も出来るって聴こえるんだけど……気の所為だよな?」
恐る恐る問うた正樹に涼子は答える。
「結論から言うなら準備期間が有れば可能と言えば可能。でも、その準備が滅茶苦茶面倒だし、時間も掛かるからやりたくない」
条件付きで可能。
だけど、面倒臭さが極まりないが故にやりたくない。
そう告げられれば、正樹は呆れてしまう。
「やっぱ、魔法はデタラメだ」
「だから魔法って言うんじゃない?」
「それもそうだな。さて、俺の試射は終わったし、君の腕を見せて貰おうかな?」
TAC338を手に立ち上がった正樹から言われると、涼子はバツの悪い表情で返した。
「程々でお願いします」
「悪いな。程々とか嘗めた事を言う奴に対して、俺は嫌だって言うのが大好きなんだ」
愉悦に満ちた笑みと共に拒否された涼子は項垂れながらも、専門外の戦闘技術を最高レベルのワザマエを持つプロから教われる事に内心で歓喜するのであった。
正樹は600でゼロインした後にスコープを弄らずに1.3キロメートル先の的の眉間を撃ち抜けたのは単にスコープ内のレティクルをキチンと利用したから…って言うだけの事
レティクルを利用して遠くの的を撃ち抜いた事に関して詳しく知りたいなら、
2019年に出たCoD MWのスナイパーミッションをやると解りやすいかな?と、思うのでやってみてチョ
まぁ、ソレを差し引いても正樹のワザマエはイカれたレベルだと思うけどな←
後、コレでも狙撃に関してはフワッとした感じで軽くしか書いてない
僕が其処まで書けるカラテが無いのも大きいのだが、一番はガチガチのリアルで書き連ねると論文とか教科書じゃんってなるので書き切れねぇわ…ってなるからってのが滅茶苦茶大きいと言い訳させて欲しい
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