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独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~  作者: さとう
第十七章 二度目の温泉郷

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温泉良いとこ、また来よう

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 さて、温泉をこれでもかと満喫した。

 そろそろエーデルシュタイン王国に戻って仕事を再開しないとな。なんか遊んでばかりで本業がだいぶおろそかになってる気もするし。

 というわけで、別荘に遊びに来たサンドローネに言う。


「ってわけで、そろそろ帰ろうぜ」

「何が『ってわけで』なのよ。まあ、用事は全て済んだし、リラックスできた。仕事をしたい気持ちが湧いてるわ」

「だな。じゃあ、二日後くらいに帰るか? 俺の方はいつでもいいぜ」

「そうね。ロッソさんたちにも伝えておくわ」

『ニャアア』


 と、大福がコタツに座るサンドローネに甘えていた。

 俺はきなこを抱っこし撫でる……コタツに猫、最強すぎる組み合わせだ。

 サンドローネは微笑み、大福を撫でる。


「そういや、エディーはどうした?」

「あの子なら、ヒコロクと一緒に山で遊んでるわ」

「……山?」

「ええ。最近、甘やかしてばかりで運動不足だったからね。ロッソさんが『じゃあヒコロクと一緒に山で遊ばせる?』って言うから、ヒコロクに任せたのよ」


 話を聞くと、このレレドレの滞在中、ヒコロクは身体が訛らないように山で自由に過ごすらしい。魔獣を狩ったり、山道を全力でダッシュしたり、とにかくヒコロクにとって町で美味いもん食って昼寝するよりよっぽど楽しい時間のようだ。

 サンドローネのオータムパディードッグであるエディーも、それに同行させたらしい。

 アオが『エディーはまだ子供で甘え盛り。ヒコロクに無茶させないよう言っておく』と言ったらしいので無茶はさせないようだけど。


「さて、そろそろ帰るわ」

「帰んのか? 飲みに行こうと思ってたのに」

「今日は『女子会』なの。ふふ、私の別荘に集まって、みんなでお酒を楽しむのよ。男子禁制だから、あなたもリヒターも入れないから」

「むむむ……わかった。じゃあリヒター!! シュバンとマイルズさん誘って、今日は男だけで楽しもうぜ!!」


 俺は部屋の隅で控えていたリヒターに言う。

 リヒターは苦笑し、「お付き合いします」と言うのだった。


 ◇◇◇◇◇◇

  女子会

 ◇◇◇◇◇◇


 サンドローネの別荘は、レレドレの一等地にある高級別荘地区にあった。

 スーパー銭湯のおかげで、レレドレの開発も行われ始めた。『秘境温泉地域』という肩書を壊さないよう、景観を崩さない丁寧な開発のおかげで、町の規模こそ広がっているがごちゃごちゃしていない。

 アレキサンドライト商会が一枚噛んだ開拓のおかげでもある。

 サンドローネの別荘は、そんな中でも一番の大きさ、広さを誇っている。

 その大きさ、ゲントクの別荘のおよそ三倍の広さ。


「いらっしゃい。今日は自由に過ごしてちょうだい」


 サンドローネは、別荘に遊びに来た女性陣を出迎えた。

 ロッソ、アオ、ブランシュ、ヴェルデ。ユキにスノウ、イェラン、トーラス、テッサ。

 食事などは全て、アレキサンドライト商会レレドレ支部から派遣した料理人が、別荘内にあるオープンキッチンで作り、バーカウンターにもソムリエが立っている。

 まずは、部屋に荷物を置きに行く。


「すっご!! おっさんの別荘とは違うわ!!」

「……部屋全部、温泉ある」

「調度品も全て高級品ですわ。すごいですわね……」

「ゲントクの別荘も普通にすごいけど、こっちは次元が違うわね」


 ヴェルデの言う通り、ゲントクの別荘はレレドレでも高級な部類に入る。

 だが、サンドローネの別荘は次元が違う。まさに『レレドレで一番の別荘』だ。

 個室の広さはもちろん、ベッド、机や椅子など全て高級品。部屋にも温泉がある。

 ロッソたちが大広間に戻ると、テッサが言う。


「あ、ロッソさん!! イェランさんとトーラス様と話してたんですけど、サンドローネさんの別荘の温泉、すっごいんです!! みんなで行きませんか?」

「いく!! 三人とも、いいわね!!」

「……うん」

「ふふ、温泉は大好きですわ」

「右に同じ!!」

「にゃああ。わたしもいく」


 女子たちはキャッキャしながら温泉へ。

 すると、見守っていたサンドローネ、スノウの背中をイェランが押す。


「お姉様、スノウさんも一緒に!! ほらほら!!」

「わ、私は後でいいわよ」

「私も、お食事のお手伝いを」

「ダメだめ!! 女子会なんだし、裸のお付き合いしなきゃ!!」


 こうして、女子たちはみんなで大浴場へ向かうのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 大浴場は広かった。

 内風呂、露天風呂があり、洗い場も十か所ある。

 広さはもちろんだが、一つ一つのクオリティが桁違いに高い。

 内湯は、キノッヒを使った高級浴槽。風呂桶や椅子も材質にこだわっている。

 壁には冷蔵庫が備えつけられており、中には高級酒、水、果実水や冷えたスライム製グラスが入っている。

 石鹸やシャンプーなども全て高級品、ライトや植えられている植物も全てこだわり抜いてある。

 そんな高級風呂に、全裸のロッソが一番に飛び込んだ。


「すっごい~!! なんかいい匂いするっ!!」


 大きな胸を揺らしながら、手桶で湯を掬い頭からかぶり、内湯を無視して露天風呂へ……あまりの豪快さ、無遠慮さにブランシュが眉をピクピクさせた。


「まったく、あの子は……サンドローネさん、申し訳ございませんわ」

「気にしなくていいわ。ふふ、楽しいじゃない」

「…………」


 すると、ブランシュ、サンドローネの胸部をジッと見つめるアオ。そして視線はヴェルデ、トーラス、テッサ、イェランと流れ、最後にスノウを見た。


「…………」

「あれ、アオさん。どうしたんですか?」


 テッサが声をかける。

 テッサは腰にタオルこそ巻いているが、胸は隠していない。

 大きな胸が揺れ、アオは「……べつに」と目を逸らした。

 別に、アオが小さいわけではない。普通のサイズではある。周りが大きいだけなのだ。


「にゃうー」

「……ユキ」

「にゃ?」


 アオは、ユキを抱っこしてギュッと抱きしめた。


 ◇◇◇◇◇◇


 温泉から上がり、パーティーのような『女子会』が始まった。

 コックが肉を焼き、ロッソが喜んでモグモグ食べ、トーラスとテッサは色とりどりのサラダを皿に盛り、スノウはサンドローネと並んでバーカウンターでお酒を飲む。

 全員が食事を楽しんだ。そして……食事が落ち着くと、会話がメインとなる。


「ねーねー、おねーさんはおっさんのこと好きなの?」


 ロッソ、少し酔っているのか、酒を飲みながら言う。

 サンドローネは少し驚いたが、普通に言う。


「好きよ。でも、恋愛的な意味はゼロ。そうね……ゲントクの仕事や姿勢に好感を持っている、ってところかしら」

「そーなんだ。アタシ、おっさんになら抱かれてもいいわ。がっはっは!!」


 ロッソは足を開き、ワイングラス片手にゲラゲラ笑いながら言った……完全な『おっさん』である。

 するとアオが言う。


「私、おじさんのこと好き。かっこいいし、強いし、面白いし、優しいし」

「わかりますわ。異性というか……『おじさま』としてカッコいいですわね」

「あ、私も同じ。ゲントクって女として惚れるというか、『おじさん』として好きなのよねー」


 アオはわからないが、ブランシュとヴェルデの『好き』は違うようだ。

 そして、テッサとイェラン、トーラス。


「わたしは、ひっく……師匠のこと、ソンケーしてます!! 技師として、すごいし、そのスタイル、ベンキョーになりまひ、たぁ!!」

「あなた、飲みすぎよ……まあ、確かにカッコいいわね。イェラン、あなたは?」

「ん~……カッコいいよ。頭もいいし、アタシなんかじゃ思いもしない魔道具のアイデアいっぱい出すし」


 イェランはそこまで言い、ワインをグイっと飲んでソファに寄りかかる。


「正直、最初は驚いたけど、次第に嫉妬もしたわ……マッチとか、熾火屋が当たり前のアタシにとっては、考えもしないアイデアだったもん。『火は夕方に熾火屋で買う』じゃなくて『誰でも簡単に火起こしする道具を作る』なんてね。馬鹿だと思ったけど、あいつ楽しそうでさ……ついつい、アタシもいろいろ手ぇ貸してやっちゃった」


 今だからこそ、イェランは言える。

 嫉妬もあったし、馬鹿だとも思った。

 でも……それは次第に、尊敬となった。


「独立したら、好き勝手というか……変な魔道具ばかり作ってさ、魔道具技師にとって不可能なことばっかりやるし。でもあいつ、全然変わんないし……お金とかもう働かなくても遊んで暮らせるくらい稼いでるのに、仕事も適度にやって、そのあとは安い居酒屋で飲んで……ああ、こいつって、結婚とかしないで、死ぬまでこんな感じなんだろーなって」


 イェランはワインを飲む……手が止まらない。


「まあ、アタシもそれに付き合おーって考えちゃうのよね……って、何言ってんだろ」


 イェランはようやく、全員が注目していることに気付き、慌てて話を打ち切った。

 そして、そのままの勢いでスノウに言う。


「アタシの話終わり!! スノウさんはどうなの? その、再婚とか考えてないの?」

「再婚、ですか……そうですね。私は、この子が健やかに育ってくれたらそれでいいんです。それが私の幸せなので」

「にゃああ」


 スノウは、果実水を飲むユキの頭を優しく撫でた。


「父親がいれば、とも思いましたけど……ね。でも、毎日楽しそうなこの子を見ていると、無理をしなくてもいい気がしてきました


 イェランは思う。リヒター……もっと頑張らないとダメかも、と。

 すると、ユキが尻尾を揺らして言う。


「にゃあ。わたし、おとなになったらおじちゃんとケッコンするやくそくしたの。だから、はやくおとなになりたいの」


 その言葉に、みんなが笑った。

 女子会の夜は、まだまだ続く。


 ◇◇◇◇◇◇

  男子会

 ◇◇◇◇◇◇


 レレドレの安い居酒屋の個室にて。


「だーかーら!! リヒターは押しが足りねぇ!! スノウさんは『隣に住む格安アパートで小学生の娘を一人で育てている未亡人』みたいな人なんだよ!! 頼りになる男がいれば落ちる、堕ちるんだ!!」

「な、なんですかそれは……というか、それなら私よりゲントクさんのが」

「俺、独身主義だしな!! てか俺みたいなのはダメだ!! リヒターみたいに誠実じゃねぇと!! なあシュバン。てかシュバンは恋人いねーのかよ!!」

「あ~、オレはお嬢様に忠誠を」

「ヴェルデは許してくれるって!! お前も結婚しろ結婚!! なあマイルズさん!!」

「ははは、若いというのはいいですね」


 居酒屋で大量のツマミ、酒を注文し、俺たちは盛り上がっていた。

 いやー楽しい。男同士の飲み会、女性がいないからいろいろはっちゃけられるぜ!!

 12/5に、書籍版の『独身おじさん』が発売されました!!

 Web版の読者様も楽しめるよう、加筆を加えての内容となっています。

 さらに、書籍版には100ページほどの書き下ろしがあります! 書籍版だけの新キャラクターも登場していますので、ぜひチェックしてみてください!


ドラゴンノベルスの公式サイト

https://dragon-novels.jp/product/322507000373.html


KADOKAWAの書誌ページ

https://www.kadokawa.co.jp/product/322507000373/

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― 新着の感想 ―
面白すぎてイッキ読みしちまったぜ、、、(〃´o`)フゥ…
最後のゲントクってゲントク自身が一番されたくない絡み方してない?
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